ぺリーのちょんまげ

「必殺仕業人」
中村敦夫がワケアリ浪人役で必殺シリーズ参入
中村主水も牢屋見廻り同心に格下げされてどうする?

掲載2014年08月08日

(ひっさつしわざにん) 出演者:藤田まこと/中村敦夫/大出俊/中尾ミエ/渡辺篤史/菅井きん/白木万理/美川陽一郎 ほか 1976

必殺シリーズには、裏社会の闇を描きながら、独特のユーモア、明るさがあり、シリーズ全体の味ともなっていのだが、76年、「必殺仕業人」が登場したときには、私のような小娘には、大きなショックだった。前作で、捕らえられた市松(沖雅也)を逃がした中村主水(藤田まこと)は、牢屋見廻り同心に格下げ。定町廻りだったころは、昼行燈と呼ばれようと、奉行所の花形部署の一員で袖の下なんかも受け取ってイヒイヒしていたのに、今シリーズでは思いっきりひもじい感じ。そこに仲間に加わったのが、大道芸人の赤井剣之介(中村敦夫)とお歌(中尾ミエ)。元藩士の剣之介は、お歌のために人を斬り、逃亡中の身。その芸というのが、顔を白塗りにして「はい~」とお歌の合図で居合を見せるのだが、見物人は「なにそれ」という顔でいつも素寒貧状態。なんだかもう救いのない感じで、唯一、スタイリッシュな仕業人、灸師“やいとや又右衛門”(大出俊)に注目するばかりだった。

 しかし!おとなになってみると、アングラ芝居にも通じる表現とストーリーの底辺にあった暗さとか怒りとか、どうしようもなさが、胸にしみる。有名な宇崎竜童によるナレーション“あんた、この世をどう思う”の言葉も、西崎みどりの主題歌「さざなみ」も違って聞こえる。ここまで振り切った必殺シリーズの奥深さに改めて感動。

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ペリー荻野プロフィール
ペリー荻野

1962年愛知県生まれ。大学在学中よりラジオのパーソナリティ兼原稿書きを始める。 「週刊ポスト」「月刊サーカス」「中日新聞」「時事通信」などでテレビコラム、「ナンクロ」「時代劇マガジン」では時代劇コラムを連載中。さらに史上初の時代劇主題歌CD「ちょんまげ天国」シリーズ全三作(ソニーミュージックダイレクト)をプロデュース。時代劇ブームの仕掛け人となる。

映像のほか、舞台の時代劇も毎月チェック。時代劇を愛する女子で結成した「チョンマゲ愛好女子部」の活動を展開しつつ、劇評・書評もてがける。中身は"ペリーテイスト"を効かせた、笑える内容。ほかに、著書「チョンマゲ天国」(ベネッセ)、「コモチのキモチ」(ベネッセ)、「みんなのテレビ時代劇」(共著・アスペクト)。「ペリーが来りてほら貝を吹く」(朝日ソノラマ)。ちょんまげ八百八町」(玄光社MOOK)「ナゴヤ帝国の逆襲」(洋泉社)「チョンマゲ江戸むらさ記」(辰己出版)当チャンネルのインタビュアーとしても活躍中。

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