ペリーのちょんまげ ペリーのちょんまげ

掲載2021年05月14日

「氷川きよし特別公演」
第一部の芝居では氷川きよしが6キロの纏をふり、中村メイコ、勝野洋らと共演。
第二部のコンサートでは全16曲を歌い上げる。全力疾走の座長公演。

(ひかわきよしとくべつこうえん) 出演者:氷川きよし/中村メイコ/勝野洋/太川陽介/江藤潤/曾我廼家寛太郎/西寄ひがし ほか  2015年

掲載2021年05月14日

氷川きよし特別公演(2015年:明治座:舞台)
「氷川きよし特別公演(2015年:明治座:舞台)」
写真提供:明治座

 国民的歌手・氷川きよしの魅力を余すところなく見せる明治座座長公演。今回放送される2015年公演は第一部が芝居「め組の辰五郎~きよしの大江戸千両纏~」、第二部が「氷川きよしコンサート2015in明治座」の二部構成だ。

 祖母のお信(中村メイコ)と二人で暮らす一本気な若者・辰五郎(氷川)は、弟子入りした指物師の家が火事で全焼。残された子が泣く泣く引き取られていく姿を見て、「おいらは火消しになる!」と宣言する。その姿を見たお信は感慨深げな顔。やがて辰五郎の出生の秘密も明らかになる。「火事と喧嘩は江戸の華」と正義感で突っ走る熱血辰五郎を周囲はあたたかく見守るのだった。この公演に際して、氷川は一日消防署長を務め、6キロの纏をふるためにジムに通ったと言う。中村、勝野らベテラン陣との共演、氷川自身が「感情があふれそうになる」と語った子役との別れの場面にもぐっとくる。人情味と爽快感ある物語だ。

 第二部ではリズム歌謡からオリジナル曲まで16曲を熱唱。この公演のためにデザインされた華やかな衣装、きよしトークももちろん健在。公演の合間に中村メイコから親友の美空ひばりさんの話をいろいろ聞き、ひばりさんとおそろいで買ったブローチをプレゼントされ、感動したという。公演当時、デビュー16年目を迎え、歌にも貫禄が感じられる。アーティストとしての成長を感じさせる公演だ。

掲載2021年05月07日

「魔界転生(1981)」
魔界衆VS柳生十兵衛の死闘!山田風太郎の伝奇小説を深作欣二が大胆に映像化
沢田研二の天草四郎が妖しく金色の目を光らせ、魔界から死者を蘇らせる!

(まかいてんしょう(1981) ) 出演者:千葉真一/沢田研二/真田広之/緒形拳/丹波哲郎 ほか  1981年

掲載2021年05月07日

魔界転生(1981)
「魔界転生(1981) 」
©東映

 81年、山田風太郎の伝奇小説を「仁義なき戦い」「柳生一族の陰謀」の深作欣二監督がダイナミックにアレンジした話題作。三代家光の時代、島原の乱で蜂起した民は幕府軍に虐殺され、天草四郎(沢田研二)も斬首された。だが、四郎は悪魔の力を借りて蘇り、魔界で細川ガラシャ(佳那晃子)、伊賀の霧丸(真田広之)、宮本武蔵(緒形拳)ら、生前やり残したことのある者たちの霊を呼び出し、復活させる。やがてガラシャが憑りついた女・お玉は色香で将軍・家綱を操り始める。一方、諸国武者修行を続ける剣豪・柳生十兵衛(千葉真一)は、「地獄に戻れ!」と魔界衆と死闘を繰り広げる。

 不気味な稲光、無数の魔界の死骸、怪奇ムードの演出はさすが深作監督、角川映画という印象だが、魔界衆に独自のムードを醸し出す衣装を人形作家・辻村ジュサブローが担当している点にも注目したい。また「エロイムエッサイム」「古き骸を捨て、蛇はここに蘇るべし!!」と呪文を叫ぶ金色の目の沢田研二が、当時、大人気の真田広之と共演。性別も超えた四郎は霧丸にキス!? しかし、霧丸には善の心が残っていて...ファンが悲鳴をあげそうなシーンも満載だ。もちろん、千葉は当たり役・十兵衛をイキイキと演じて大暴れ。顔が真っ青な奇怪な武蔵や柳生但馬守(若山富三郎)など、名優たちが魔界衆役だからこそ見せる荒唐無稽な演技は、この映画ならではの楽しみといえる。

掲載2021年04月30日

「主水之助七番勝負 徳川風雲録外伝」
剣に憑りつかれた七人の強敵と戦う運命の男、土屋主水之助
松平健が見せる緊張感いっぱいの殺陣シーン、三田村邦彦のダークな顔も新鮮

(もんどのすけななばんしょうぶ とくがわふううんろくがいでん ) 出演者:松平健/三田村邦彦/佐藤藍子/加治将樹/かたせ梨乃 ほか  2008年

掲載2021年04月30日

主水之助七番勝負 徳川風雲録外伝
「主水之助七番勝負 徳川風雲録外伝」
©東映

 若隠居した土屋主水之助(松平健)は、恩師・伊藤一刀斎から認められた剣士だが、放浪癖があり武者修行の旅を続ける。あるとき八代将軍・徳川吉宗(中村雅俊)を救ったことから、吉宗より信頼され、影ながら彼を助ける。しかし、謎の事件が多発し、その陰には主水之助が15年前に一度戦い、5年前に死罪になったはずの大峰ノ善鬼(三田村邦彦)の存在がちらつく。吉宗は「修羅の道を行くに等しい」と心配するが、主水之助は「太平の世を乱す悪しき者。私が決着をつけます」と宣言。"暗殺請負"の噂と善鬼を追い、主水之助は剣に憑りつかれた七人の男たちと戦うことになる。

 テレビ東京の新春ワイド時代劇として放送された「徳川風雲録」で注目されたキャラクター主水之助が主役となったシリーズ。一番勝負では、亀田藩藩主が一太刀で殺された事件から、人面狼之助(西村和彦)と戦うことになる。獣のような眼力を持つ狼之助の剣は異様に素早い。また二番勝負では花を育てる悲しき人斬り(水橋研二)と対決することに。その後、山口馬木也、美木良介、永澤俊矢、堤大二郎など、時代劇と殺陣を愛する俳優陣が次々登場。明るい役が多い三田村のダークな顔はなかなかに新鮮だ。毎回個性的な剣士に主水之助がどう立ち向かうか。仇討、武士の面目、飢饉、魔剣、さまざまな事情と技を抱える剣士と松平との戦いを堪能したい。

掲載2021年04月23日

「父子鷹」
勝麟太郎を育てた豪快な父・小吉の一途な生き方と息子への愛を描く
市川右太衛門と映画デビューとなった北大路欣也の親子共演実現の話題作

(おやこだか) 出演者:市川右太衛門/北大路欣也/長谷川裕見子/志村喬/東山千栄子/薄田研二/月形龍之介 ほか  1956年

掲載2021年04月23日

父子鷹
「父子鷹」
©東映

 名門・男谷家に生まれ、幼いころ勝家の養子となった小吉(市川右太衛門)は、曲がったことが大嫌いな江戸っ子かたぎの侍。勝家の養女・お信(長谷川裕見子)とは許嫁の仲だった。家の興隆を願う周囲の期待に応えるべく、支配の石川右近のところで柄にもない奉仕を始めた小吉だが、男谷家の資産を狙う石川の無心をはねつける。兄・男谷彦四郎(月形龍之介)は、仕方なく小吉を信州にやるが、そこでは無法な行いをする悪人たちを召し取ることになった。だが、さらなる事件を起こし、小吉は牢に入ることに。出世をあきらめた小吉は、息子の麟太郎(北大路欣也)に期待をかける。十年間、お信とともに貧乏に耐えながら麟太郎の教育にまい進した結果は...。

 原作は子母澤寛の新聞小説。力はあるのに不正を許せないばっかりに世に出られなかった小吉の悲運を描いた作品だが、映画では右太衛門が演じているだけに、人に愛される好人物になっている。監督は右太衛門の「旗本退屈男」などでも知られる松田定次。公開当時のキャッチフレーズは「気骨の剣・熱血の斗魂・父と子の愛情を描く巨編!」右太衛門が欣也の手を握るポーズのポスターも味がある。この作品で映画デビューを飾った北大路欣也は、未来のスターの輝きと愛嬌あふれる美少年。後年、大河ドラマ「篤姫」で勝海舟を演じた際、父子共演の本作を思い出したという。

掲載2021年04月16日

「明治座創業140周年記念ファイナル 氷川きよし特別公演」
第一部「銭形平次~きよしの平次 立志編~」で若き平次が再び明治座の舞台に!
第二部「氷川きよしコンサート2013 in明治座」でヒット曲とトークもたっぷり

(めいじざそうぎょう140しゅうねんきねんふぁいなる ひかわきよしとくべつこうえん) 出演者:氷川きよし/音無美紀子/勝野洋/太川陽介/岡まゆみ/曾我廼家文童/大信田礼子/伊東孝明 ほか  2013年

掲載2021年04月16日

明治座創業140周年記念ファイナル 氷川きよし特別公演(2013年:明治座:舞台)
「明治座創業140周年記念ファイナル 氷川きよし特別公演(2013年:明治座:舞台) 」
写真提供:明治座

 押しも押されもせぬ歌謡界のトップランナー、氷川きよし。2000年「箱根八里の半次郎」でデビュー以来、快進撃を続け、06年には「一剣」で見事日本レコード大賞を獲得、近年はロックやポップスなど多彩な楽曲を歌い、話題を集める。氷川の魅力を余すところなく堪能できるのが、03年から続ける座長公演。明治座での公演は、特に役者・氷川きよしの成長がしっかり確認できる内容になっている。「銭形平次~きよしの平次 立志編~」は、2011年の公演で父の遺志を継いで十手持ちになった平次(氷川)が謎の連続殺人事件に挑む。始まりは春の花見でにぎわう向島。一等席を占領する一行に場所を空けてくれと頼む平次は、横柄な態度の一行が白山藩の側室・お豪の方(岡まゆみ)の宴席だと知る。奉行所も手を出せない不条理に怒った平次は、十手持ちを辞めると言い出す。しかし、花嫁衣裳を着た若い娘がふたりも死体で見つかり、平次は再び動き出す。花嫁がからむ事件は、原作者・野村胡堂の得意ネタ。音無美紀子、勝野洋、太川陽介らベテラン共演者と氷川のやりとりにも注目したい。

 第二部では、大きな満月を背景に魂を込める「白雲の城」、華麗な衣装で会場を大いに盛り上げる「虹色のバイヨン」、尊敬する先輩の名曲を熱唱する昭和の歌シリーズなど歌い手としての魅力を存分に発揮。愛嬌たっぷりのきよしトークも舞台ならではの楽しみ。

ペリー荻野プロフィール
ペリー荻野

1962年愛知県生まれ。大学在学中よりラジオのパーソナリティ兼原稿書きを始める。 「週刊ポスト」「月刊サーカス」「中日新聞」「時事通信」などでテレビコラム、「ナンクロ」「時代劇マガジン」では時代劇コラムを連載中。さらに史上初の時代劇主題歌CD「ちょんまげ天国」シリーズ全三作(ソニーミュージックダイレクト)をプロデュース。時代劇ブームの仕掛け人となる。

映像のほか、舞台の時代劇も毎月チェック。時代劇を愛する女子で結成した「チョンマゲ愛好女子部」の活動を展開しつつ、劇評・書評もてがける。中身は"ペリーテイスト"を効かせた、笑える内容。ほかに、著書「チョンマゲ天国」(ベネッセ)、「コモチのキモチ」(ベネッセ)、「みんなのテレビ時代劇」(共著・アスペクト)。「ペリーが来りてほら貝を吹く」(朝日ソノラマ)。ちょんまげ八百八町」(玄光社MOOK)「ナゴヤ帝国の逆襲」(洋泉社)「チョンマゲ江戸むらさ記」(辰己出版)当チャンネルのインタビュアーとしても活躍中。