ペリーのちょんまげ ペリーのちょんまげ

掲載2010年06月04日

『江戸プロフェッショナル 必殺商売人』
中村主水の藤田まことに、草笛、梅宮登場。
正八(火野正平)も元気に江戸の裏を走る!

(えどぷろふぇっしょなる ひっさつしょうばいにん) 1978年

掲載2010年06月04日

踊りの師匠おせい(草笛光子)と、芸者置屋の髪結い新次(梅宮辰夫)は、元夫婦の仕置人。足力屋の正八(火野正平)は、偶然、二人がある男を始末する現場を目撃。彼らの正体を中村主水(藤田まこと)に知らせる。しかし、中村家では、それどころではない大騒動が。長年、“種なしかぼちゃ”と言われ続けた主水の妻りつが待望の懐妊!「婿殿」の株が上がるかと思ったら、「子のためにもっと働け」と尻をたたかれる主水だが…。
必殺シリーズ第12弾。藤田・草笛・梅宮というおとなの顔合わせ。草笛光子の「おせい」は、「必殺必中仕事屋稼業」のときと同じ名前であり、同一人物ともとれる。
「必殺」の名物、時代を風刺する精神は、このシリーズでも健在。第六話「空桶で唄う女の怨みうた」の回では、昭和53年の放送当時、大ブームとなっていた「カラオケ」を早速取り入れ、いきなり現代のスナックからスタート。演歌のパロディで人気を博した「演歌チャンチャカチャン」が流れて盛り上がる。江戸の奉行所でも、左遷された同心が、家のかかり(ローン)、子の学問代(教育費)などを心配して愚痴を言う。その送別会では、「はい、お駕籠代」と、タクシーチケットも出るといった具合。廻船問屋「三州屋」(織本順吉)が、奉行にだまされ、大事な株を奪われる。奉行を密かに始末する主水らの手腕はさすが。

掲載2010年03月12日

『女たちの名古屋城』
女の戦いは、名古屋城でも繰り広げられた!
岡田奈々・大沢逸美・宮崎美子の愛と苦悩

(おんなたちのなごやじょう) 1994年

掲載2010年03月12日

紀州・浅野家の春姫(岡田奈々)は、乳母松江(萩尾みどり)を連れて、尾張徳川家当主・徳川義直(川野太郎)の元に輿入れする。二人は仲睦まじく暮らしていたが、10年たっても子宝に恵まれず、お家断絶の危機と、家老の成瀬(寺田農)らは、義直に側室を持つように進言。きまじめに義直は、春姫を思いながら、しぶしぶ受け入れた。その側室に選ばれたのは、京の東福門院の侍女おさい(大沢逸美)。実はおさいは、織田の血を引くものであった。そんなある日、遠乗りに出た義直は、たまたま休憩をとった農家の健康的な娘お尉(宮崎美子)に心惹かれる。やがて、お尉は、男子を産み、同じころ、おさいも女児を出産。織田家の血を尾張徳川家にと望む家臣の高島(五代高之)は、恐ろしい計画をたてる。側室の存在に気をもみ、知らぬ間に男子誕生の知らせを受けた春姫は、苦悩の日々を送っていた。
女の戦いといえば、大奥が知られるが、尾張徳川家にも静かな戦いがあった。「権力を手にしたその先に、いったい何があるというのでしょう」という春姫の言葉に、幸せの本質に目覚め、成長した女性の姿がある。川野太郎が、まじめゆえに抜けたところもある愛すべき殿を好演。現在、クイズ女王としても活躍中の宮崎美子が、極太眉毛の素朴な娘をのびのびと演じている。元アイドル辻沢杏子の影のある女っぷりも光る。テレビ愛知制作。

掲載2010年03月05日

『陰陽師☆安倍晴明~王朝妖奇譚』
三上博史が不思議にしてパワフルな晴明に。
特殊メイク、CG、SFX駆使のスーパー時代劇

(おんみょうじ あべのせいめい〜おうとようきたん〜) 2002年

掲載2010年03月05日

王都平安京は、華麗な王朝文化に彩られ、栄えていたが、その裏側には深い闇があった。魑魅魍魎、鬼、疫病など恐ろしい出来事やうわさも絶えず、帝(花田浩之)は、都の吉凶を占う「陰陽祭」を開く。多くの貴族たちが注視する中、宮廷陰陽師・保憲(段田安則)は答えが出せない。彼の師である忠行(筒井康隆)も「われらの呪力及ばぬものが…」と苦しい返答をするしかない。そんなとき、燃え盛る炎に鬼の影が。閃光とともに現れたのは、すべての呪術にたけ、鬼神をも操るといわれる陰陽師・安倍晴明(三上博史)だった。
晴明は、帝の寵愛を受ける彩子(羽田美智子)の弟で、左大臣家の藤原将之(保阪尚輝)とともに、都に巣くう悪鬼の正体を探る。彼らの前に立ちはだかったのは、やはり強大な力を持つ橘影連(陣内孝則)だった!
壮大なスケールゆえに映像化不可能といわれた岩崎陽子の伝奇ロマンコミック「王都妖奇譚」を、最先端のCG、SFXを駆使してドラマ化。特撮は、東映戦隊シリーズや映画「西遊記」などの尾上克郎、特殊メイクは、映画「陰陽師」はじめ、海外でも注目される原口智生が担当している。クライマックスの激突シーンは迫力。80年代以降、多くのトレンディドラマで活躍した三上博史は、独特のミステリアスな表情で、晴明にぴったり。後半は将之の兄役の木下ほうかも、いい味を出す。

ペリー荻野プロフィール
ペリー荻野

1962年愛知県生まれ。大学在学中よりラジオのパーソナリティ兼原稿書きを始める。 「週刊ポスト」「月刊サーカス」「中日新聞」「時事通信」などでテレビコラム、「ナンクロ」「時代劇マガジン」では時代劇コラムを連載中。さらに史上初の時代劇主題歌CD「ちょんまげ天国」シリーズ全三作(ソニーミュージックダイレクト)をプロデュース。時代劇ブームの仕掛け人となる。

映像のほか、舞台の時代劇も毎月チェック。時代劇を愛する女子で結成した「チョンマゲ愛好女子部」の活動を展開しつつ、劇評・書評もてがける。中身は"ペリーテイスト"を効かせた、笑える内容。ほかに、著書「チョンマゲ天国」(ベネッセ)、「コモチのキモチ」(ベネッセ)、「みんなのテレビ時代劇」(共著・アスペクト)。「ペリーが来りてほら貝を吹く」(朝日ソノラマ)。ちょんまげ八百八町」(玄光社MOOK)「ナゴヤ帝国の逆襲」(洋泉社)「チョンマゲ江戸むらさ記」(辰己出版)当チャンネルのインタビュアーとしても活躍中。