ペリーのちょんまげ ペリーのちょんまげ

掲載2007年01月25日

『大江戸捜査網』死して屍拾う者なし!松方弘樹編今、明かされる着こなしの秘密とは?

(おおえどそうさもう) 1970〜1992年

掲載2007年01月25日

隠密同心心得の状。死して屍拾う者なし!の名セリフや、横一列に整列してのクライマックス、悪人相手の名乗りシーンなど、数々の名場面を盛り込みつつ、足掛け22年も高い人気を誇った名物シリーズ。アップテンポのオープニング曲は西部劇を意識しているというのも有名な話。
 現在、放送中のメンバーは、左文字右京(松方弘樹)をリーダーに、ベテラン隠密同心井坂十蔵(瑳川哲郎)、風車のお菊(夏樹陽子)、疾風のおせん、九條新太郎(南条弘二)、大番頭・藤堂対馬(大山勝巳)という顔ぶれ。
 先日、私は松方弘樹ご本人にインタビューしたが、その折に以前から気になっていた「着流しの着こなし」について聞いてみた。「大江戸捜査網」や「遠山の金さん」シリーズで、遊び人姿になる際、かなり着物の前をはだけて着こなしているのはなぜか? 私はてっきり「いかにも遊び人」という着崩し術かと思っていたが、ご本人によると、「自分の体型を考えて、首が短く見えないようにすっきり着こなすため」だったそう。そのバランスは微妙で、かなり研究したとか。遊び人から、隠密同心への“変身”も見もののこのシリーズ。その辺りもぜひ、チェックしてほしい。
 なお、夏樹陽子は「暴れん坊将軍」の初代女お庭番。お庭番当時は時代劇初心者でかなりしごかれたが、ここでは貫禄も見せている。

掲載2006年11月27日

『おーい!竜馬』原作・武田鉄矢、小山ゆう 主題歌も鉄矢、アニメながらリアルできびしー竜馬の日々

(おーい りょうま) 1992年

掲載2006年11月27日

幕末の志士・坂本竜馬の幼少期から青春時代、さらに日本の未来を思い走り回る日々を描いた大河アニメ。原作は、「竜馬を語らせたら止まらない」、自ら竜馬を演じたこともある武田鉄矢、画は、「あずみ」「がんばれ元気」などでも知られる小山ゆう。
 土佐郷士の家柄に生まれた坂本竜馬(目がぱっぢりして可愛い!)は、名前の元気がよいが、泣き虫でいじめられっこ。タフな姉にしごかれ、母に甘えつつも、性格のよさで近所のこどもたちとも仲良くなっていった。
ある日、偶然、土佐のお殿様の行列に加えてもらった竜馬。そこに知り合いのこどもが「魚を獲った」と竜馬に見せようと行列の前に駆け出してしまう。「無礼者!!」と一喝された子をかばおうと、年長の子も飛び出すが、竜馬たちの必死のとりなしもむなしく、彼らはお手打ちになってしまう。猛然と怒った竜馬は、手にかけた殿様近習に反抗。仕置きとして家の二階の柱に縛り付けられる。水も食べ物も与えられなくても、決して謝罪しない竜馬。幼い竜馬の中に、身分があるからと人の命を軽んずる制度、「慣習」「不公平」に対する怒りが植えつけられた…。
アニメとはいえ、中身はリアル。武田鉄矢の歌う主題歌「くそったれの涙」も耳に残る。

掲載2006年11月09日

『葵 徳川三代』この秋、紫綬褒章受賞の津川雅彦の家康!岩下・小川・波野、史上最強三姉妹にも注目

(あおい とくがわさんだい) 2000年

掲載2006年11月09日

秀吉逝去から二年。石田三成(江守徹)の豊臣軍と、徳川家康(津川雅彦)の軍が、ついに天下分け目の関が原で激突!! 戦況は五分と思われたが、小早川秀秋(鈴木一真)の寝返りもあって、徳川軍が勝利をおさめる。
 いよいよ徳川安泰とみた家康は、秀忠(西田敏行)を後継者と宣言。やがて秀忠とお江(岩下志麻)の間に、嫡男・竹千代(後の家光・尾上辰之助、現在の尾上松緑)が誕生する。
 ひとりの武将ではなく、徳川三代の家族を通して戦国を描くという大河ドラマ。津川雅彦は、同じジェームス三木脚本の「独眼竜政宗」でも家康を演じた。「葵徳川三代」では、以前にも増してハイテンションな家康を熱演。ちなみに津川は07年の正月長時間時代劇では、五代将軍綱吉役。時代劇界の隠れた「上様俳優」なのである。また、時代のリーダーである父に劣等感を抱き、いつもしょんぼり気味の秀忠。「しっかりなされませ」と強い嫁に尻をたたかれる西田敏行に、多くの共感が集まったという。
 その強い嫁はご存知、織田信長の妹お市が残した浅井三姉妹のひとり。岩下はじめ、秀吉の愛妾となり、秀頼の母として「おのれ憎き徳川あ!!」と目を吊り上げる淀殿・小川真由美、尼となり、徳川・豊臣の間にたつ波野久里子と、まさに「史上最強三姉妹」の迫力はすさまじい。ある意味、武将たちより鼻息は荒いのである。

ペリー荻野プロフィール
ペリー荻野

1962年愛知県生まれ。大学在学中よりラジオのパーソナリティ兼原稿書きを始める。 「週刊ポスト」「月刊サーカス」「中日新聞」「時事通信」などでテレビコラム、「ナンクロ」「時代劇マガジン」では時代劇コラムを連載中。さらに史上初の時代劇主題歌CD「ちょんまげ天国」シリーズ全三作(ソニーミュージックダイレクト)をプロデュース。時代劇ブームの仕掛け人となる。

映像のほか、舞台の時代劇も毎月チェック。時代劇を愛する女子で結成した「チョンマゲ愛好女子部」の活動を展開しつつ、劇評・書評もてがける。中身は"ペリーテイスト"を効かせた、笑える内容。ほかに、著書「チョンマゲ天国」(ベネッセ)、「コモチのキモチ」(ベネッセ)、「みんなのテレビ時代劇」(共著・アスペクト)。「ペリーが来りてほら貝を吹く」(朝日ソノラマ)。ちょんまげ八百八町」(玄光社MOOK)「ナゴヤ帝国の逆襲」(洋泉社)「チョンマゲ江戸むらさ記」(辰己出版)当チャンネルのインタビュアーとしても活躍中。