ペリーのちょんまげ ペリーのちょんまげ

掲載2006年11月02日

『陰陽師』平安の恋する鬼はやっぱり美女でないと!最新映像技術を駆使した安倍晴明の世界

(おんみょうじ) 2001年

掲載2006年11月02日

平安の御世。帝に親王・敦平が誕生し、都は祝いのムードに包まれる。しかし、陰陽師安倍晴明(野村萬斎)は、親友の源博雅(伊藤英明)から、親王に呪いがかけられていると聞く。調べていくうちに、右大臣の娘(夏川結衣)と怪しげな陰陽師・頭尊(真田広之)の存在が浮かびあがるが、その呪いの力は、すさまじく、ついに博雅の生命にまで危機が及ぶ…。
 みどころは、浮世離れしたムード満点で、まさに「晴明にぴったり」と原作者・夢枕獏先生も激賞の野村萬斎の操る「呪(しゅ)」の技vs体育会系能力に陰陽師の魔力まで身につけた真田広之のスーパーパワーの対決シーン。ここでは博雅に対する晴明の心があふれる場面も。どんな魑魅魍魎と出会っても冷静な晴明の「人間味」が出るのは珍しく、貴重なシーンといえる。
さらに男を慕うあまり、鬼になってしまった女の哀しみ。「陰陽師シリーズ」では、何もあんなに美人なら、他の男が放って置かないだろうに、と思うような美女がひとりの男(それもなぜかさえない中年貴族)に固執する様が描かれるが、夢枕先生によれば、「やっぱり鬼になるのは、美人のほうがいいでしょ」とのことだった。ここに出てくる「鬼」も、鬼と化してからもなお美しさが漂う。
東映の戦隊シリーズなどを手がけるスタッフも参加。その最新技術を駆使した「陰陽師世界」の迫力にも注目を。

掲載2006年10月12日

『暴れん坊将軍Ⅳスペシャル ご生母、謎の失踪!吉宗、江戸城決戦春一番!!』吉宗に弟が!?母の秘密に苦悩の上様 葵のご紋のモノグラム柄羽織の弟は本物?

(あばれんぼうしょうぐん) 1991

掲載2006年10月12日

10月は寝てもさめても「暴れん坊将軍」三昧。今回は、吉宗の「弟」が登場し、吉宗と母の間に微妙な空気が流れる。
 ある日、南町奉行所に吉宗の弟と名乗る菊千代(円谷浩)とその一党がやってきた。驚く大岡忠相(横内正)に、菊千代は、自分は紀州徳川光貞と吉宗の母・お由利の方(中村玉緒)との間の子で、証拠の品も持っているという。吉宗との対面を求められ、無碍にもできない忠助は、さっそく上様と相談。側用人の孫兵衛(船越英二)が、お由利の方を訪ねるが、あいにく湯治に出かけて留守だった。重大事だけに、孫兵衛は草津にまでお由利を追いかけるが、なぜかお由利は姿を消してしまう。これはひょっとして!? 深いわけがありそうだが、母が自ら姿を隠し、苦悩する上様。しかも、菊千代の後ろには胡散臭い連中が…。将軍家の家庭問題に、謎の忍者集団も参入して、油断ならない展開に。
 「葵のご紋のモノグラム柄」というすごいファッションで登場した菊千代。あまりに派手すぎて、かえって偽者臭く見えてしまうが、お由利の方と縁があるのは事実らしいというのが、今回の見所。物語の鍵を握る娘・お俊(大沢逸美)も男勝りの元気のよいところを見せる。また、め組の小頭として、建物探訪でおなじみの渡辺篤史が登場。

掲載2006年09月28日

『暴れん坊将軍500回記念スペシャル 将軍琉球へ渡る 天下分け目の決闘』懐かしい旧レギュラーも登場。琉球に渡った吉宗が見つけた秘密とは?

(あばれんぼうしょうぐん500かいきねんすぺしゃる) 1990年

掲載2006年09月28日

何かとウワサの耐えない薩摩藩の内情を探るため、吉宗は三人の隠密を差し向けるが、一人も戻ってこなかった。そんな折、吉原で琉球の娘・留美(柏原芳恵)が姉を訪ね歩いていた。その姉・奈美(栗田陽子)は、決死の覚悟で目安箱に向かう途中、追っ手に襲われ、吉宗と旧知の浪人・結城一真(勝野洋)に救われるが、思い労咳の奈美は息を引き取ってしまう。奈美から託された書状で、彼女が三年前に将軍家に献上品を届ける琉球国の一団にいたことを知る。踊りの名手であった奈美がなぜ、吉原にいたのか。留美と知りあった吉宗は、薩摩藩で襲われたという琉球国の三年前の事件の捜査を決意する。さっそく、お庭番のふたり才三(五代高之)と梢(高島礼子)を薩摩に派遣する。事件には意外な裏側が!
 500回を記念して、冒頭では松平健、北島三郎、横内正がご挨拶。「健ちゃんは…」と若い主役見守ってきため組の頭サブちゃんの言葉があたたかい。また、三ツ木清隆、荒木しげる、夏樹陽子ら旧お庭番がちらりと姿を見せ、初代おさいの春川ますみとめ組メンバー竜虎が居酒屋スタッフに扮して、上様にサービス。上様は、「あたしゃ、め組と聞くと血が騒ぐ」という春川にたじたじし、「お前は竜…」と思わず名前を口走りそうになるなど、サービスシーンもいろいろなのでお楽しみに。

ペリー荻野プロフィール
ペリー荻野

1962年愛知県生まれ。大学在学中よりラジオのパーソナリティ兼原稿書きを始める。 「週刊ポスト」「月刊サーカス」「中日新聞」「時事通信」などでテレビコラム、「ナンクロ」「時代劇マガジン」では時代劇コラムを連載中。さらに史上初の時代劇主題歌CD「ちょんまげ天国」シリーズ全三作(ソニーミュージックダイレクト)をプロデュース。時代劇ブームの仕掛け人となる。

映像のほか、舞台の時代劇も毎月チェック。時代劇を愛する女子で結成した「チョンマゲ愛好女子部」の活動を展開しつつ、劇評・書評もてがける。中身は"ペリーテイスト"を効かせた、笑える内容。ほかに、著書「チョンマゲ天国」(ベネッセ)、「コモチのキモチ」(ベネッセ)、「みんなのテレビ時代劇」(共著・アスペクト)。「ペリーが来りてほら貝を吹く」(朝日ソノラマ)。ちょんまげ八百八町」(玄光社MOOK)「ナゴヤ帝国の逆襲」(洋泉社)「チョンマゲ江戸むらさ記」(辰己出版)当チャンネルのインタビュアーとしても活躍中。