ペリーのちょんまげ ペリーのちょんまげ

掲載2005年10月27日

「暴れん坊将軍Ⅲスペシャル みちのく血判状!魔性の谷の決戦!!」上様、風雲渦巻く東北出張。魔性ゲストは川島なお美? いえ、清純演技!

(あばれんぼうしょうぐんすりーすぺしゃる みちのくけっぱんじょう!ましょうのたにのけっせん!!) 1989年

掲載2005年10月27日

現在、全国ツアーの真っ只中、プライベートも充実して、早くも年末は紅白連続出場!?などと今年も華やかな話題いっぱいの暴れん坊将軍こと松平健さま。そのスペシャルシリーズも、ついに東北出張編となる。
 人柄が評判の三春藩主(荒木しげる)が、吉宗(松平)の共をして颯爽と狩りをするシーンから物語はスタート。しかし、彼らの狩りの様子に、吉宗のライバル尾張様(中尾彬)は、「わしは殺生は好まぬ」と嫌味たらたらだ。
 その三春藩主が暗殺され、藩では国境問題でモメている隣の白河藩のしわざだと騒ぎになる。藩主の奥方(芦川よしみ)も、「いつか 殿のおうらみを果たさねば」と怖い顔。そして、藩士代表は清水健太郎、その妹は川島なお美。ここまで役者がそろったんでは、タダではすまない。上様は、「謎の横穴」があるという魔性の谷に自ら出張を決意!
 雷雨の中、ぬーっと現れる清水健太郎は、この人にしか出せない迫力。しかし、タイトルに「魔性」とあっても、今回は「魔性の女」とは縁がない。現在は、妖艶ムードいっぱいの川島なお美は、今回は清純派の武家娘で華を添える。ちなみに三春藩主役の荒木しげるは、「仮面ライダーストロンガー」にして、「暴れん坊将軍Ⅱ」では、上様直属の隠密・才蔵を演じていた。今回は、若き殿様に出世して、再び登場する。

掲載2005年10月14日

「おんな牢秘抄」おんなの悲しみ渦巻く牢の中!江波、白川、演技派女優の体当たり演技。

(おんなろうひしょう) 1983年

掲載2005年10月14日

愛した男をかくまったため、自分も牢に入れられたおけい(江波杏子)、ふてぶてしい牢名主(白川和子)ほか、ざまざまな業を背負ったおんなたちの吹き溜まりといえるおんな牢。したたかなおんなたちは牢番のおばばに金を与えて、娑婆の情報や、買い物を頼んでいた。ある日、おけいの恋人が刑場に送られることに。手鏡に映し出されたその横顔を見て、ぐっと悲しみをこらえるおけい。そんな面々が、恋人の罪を背負って拷問に耐える無実の娘(大場久美子)を牢から脱出させようと試みる。決死の作戦は成功したように見えたが…。事件は意外な方向に進んでいく。
 女同士のいじめ、密告、同性愛とディープな展開のなか、きりっとした美しさを見せる江波、堂々とした白川、ちんぴら演技が光る伊佐山ひろ子らの体当たり演技は見もの。
 伊佐山は、今年のヒットドラマ「女系家族」でも、ねっとりした愛人ぶりを見せていたし、江波は「大奥」で、息子綱吉を溺愛する生母・桂昌院を怪演。存在感を見せつけた。
 私は「大奥」の記者発表にでかけたが、藤原紀香、小池栄子、高岡早紀らいならぶ大奥女優の中でも、もっとも貫禄があり、おしゃべりだったのは、なんと江波桂昌院様だった!素顔は意外に気さくなお方なのか…。なお、83年制作の「おんな牢」と少しも変わらない若さにも二度びっくり。

掲載2005年10月06日

「暴れん坊将軍Ⅱスペシャル 燃える江戸城!男たちの一番纏!」 連続放火でついに江戸城も炎上!?上様の華麗な纏さばきをお見逃しなく。

(あばれんぼうしょうぐんつーすぺしゃる もえるえどじょう!おとこたちのいちばんまとい!) 1987年

掲載2005年10月06日

話はいきなり放火集団による付け火の現場からスタート。相次ぐ火災で大名火消しと町火消しのトラブルも起こり、大名の中には「火事場は武士が命をかける現場。町人などにうろうろされては」と、町火消し不要論まで出てしまう。「みんなで力を合わせて消火にあたるのだ!」と、町火消しを後押しする大岡越前(横内正)も、打つ手がない。そんな中、またもや起こった火災で、ついに江戸城にも火の手が…。
 なんといっても見所は、火事場となって江戸城での徳川吉宗(松平健)の大活躍。なんとモノトーンカラーの火事装束に身を包み、城の屋根にのぼったかと思えば、め組の頭辰五郎(北島三郎)に「纏を振らせてくれ!!」上様自ら纏を振りまくるというすごい展開。ただし、側用人のじい(有島一郎)は、「困ったお方で…」と苦い顔なのであった。
 放火事件の黒幕と、早苗(高橋洋子)・政之丞(太川陽介)の敵討ちがからみながら、事件を追う上様。本物のはしご乗りの見事な技も正月スペシャルらしい雰囲気を盛りあげる。
 それにしても、北島御大の歌う主題歌が「炎の男」とは、ぴったりしすぎ! 今年も、「マツケンサンバⅢ」でノリノリの上様。「暴れん坊将軍」復活もぜひお願いしたい!

ペリー荻野プロフィール
ペリー荻野

1962年愛知県生まれ。大学在学中よりラジオのパーソナリティ兼原稿書きを始める。 「週刊ポスト」「月刊サーカス」「中日新聞」「時事通信」などでテレビコラム、「ナンクロ」「時代劇マガジン」では時代劇コラムを連載中。さらに史上初の時代劇主題歌CD「ちょんまげ天国」シリーズ全三作(ソニーミュージックダイレクト)をプロデュース。時代劇ブームの仕掛け人となる。

映像のほか、舞台の時代劇も毎月チェック。時代劇を愛する女子で結成した「チョンマゲ愛好女子部」の活動を展開しつつ、劇評・書評もてがける。中身は"ペリーテイスト"を効かせた、笑える内容。ほかに、著書「チョンマゲ天国」(ベネッセ)、「コモチのキモチ」(ベネッセ)、「みんなのテレビ時代劇」(共著・アスペクト)。「ペリーが来りてほら貝を吹く」(朝日ソノラマ)。ちょんまげ八百八町」(玄光社MOOK)「ナゴヤ帝国の逆襲」(洋泉社)「チョンマゲ江戸むらさ記」(辰己出版)当チャンネルのインタビュアーとしても活躍中。