ペリーのちょんまげ ペリーのちょんまげ

掲載2004年08月27日

「アニメ赤銅鈴之助」昭和のこどもたちに大人気のお茶目な少年剣士。アニメだから必殺技も自由自在!

(あかどうすずのすけ) 1972年

掲載2004年08月27日

赤銅鈴之助といえば、もともと「少年画報」に連載された人気マンガ。今年はその連載開始から50年。♪剣をとっては日本一に、夢は大きな少年剣士〜という主題歌とともに、半世紀が過ぎても、多くの人の心に残っているのは、そのオリジナリティとストーリーの面白さからだと思う。
 まず、主人公が「剣術修行をしている少年」という設定。テレビの歴史の中では、他に例がほとんどない主人公のライフスタイルである。そして、赤銅鈴之助という名前。
 「赤い銅」の真ん中に「鈴のマーク」という名前まんまのいでたちも、鈴之助の太い眉毛とともに、一度見たら忘れられない。わかりやすさもこどもの心をとらえた。敵が「鬼面党」で、みんな本当に鬼の面をしているというのも、これまたわかりやすい。
 ひとつだけ「謎」だったのは、鈴之助の必殺技が「真空斬り」で、両手をぐるりと動かすと、一瞬嵐のようになり、敵を倒すという技。理屈はさっぱりわからなかったが、アニメでは理屈抜き、主人公が自由自在に画面で大暴れできるのがよかった。初のアニメ版は人気で、当時プラモも発売されたらしい。
 かの坂本竜馬も学んだという、名門千葉道場の周作先生の冷静さ、少女さゆりの可憐さ(声・小鳩くるみ)とともに、懐かしさでいっぱいの人も多いはず。

掲載2004年06月04日

「大奥犯科帳」愛憎渦巻く大奥殺人事件。女探索隊長・星野知子。でも、他のメンバーは心配な顔ぶれ・・・

(おおおくはんかちょう) 1983年

掲載2004年06月04日

大奥といえば、男子禁制の女園。美女がひしめき、愛憎が渦巻いていた。とうとう、お世継ぎの竹千代君が行方不明になり、殺されるという大事件が発生した。
 探索を命じられたのは、「御使番」と言われる奥女中三人、美和(星野知子)、お春(高見知佳)、お里(早坂あきよ)だった。
彼女らは、文字通り「お使い」として自由に働ける上に、実は忍びの心得もあるのだった。これで事件解決かと思ったが、リーダー格の星野はともかく、高見&早坂は本当に敏捷な忍びの女なのか。心配だ・・・。心配した通り、警護に回れば、居眠りし、怪しい人影にひっくり返りそうになるふたり。探索メンパーの人選を間違ったためか、事件はどんどん混乱状態になり、ついに将軍の側室が逼塞させられることに。悩んだ美和は、幼なじみの美男医師(沖雅也)に弱音を言ったりする。
 藤巻潤、小池朝雄ら渋い男もいい味出しているが、やっぱり、これは女のドラマ。最近、明石家さんまのトーク番組などでも不思議ムードを醸しだすベテラン・田島令子が、美和たちの上司として例の低音を響かせる。いい役なのになぜ、令子ボイスには妖気が漂うのか?また、上様の側室だらけでうんざりしている正室(岩井友見)、目を三角にした鬼お局(野際陽子)の存在も気になる。連続殺人の真犯人は!?まさかの結末に注目。

掲載2004年05月28日

「狼無頼控」村野武範のギラギラ不良侍!六人の無頼アクションと二転三転のスピーディ時代活劇。

(おおかみぶらいひかえ) 1973年

掲載2004年05月28日

 江戸時代末期。盗賊や無宿人はもとより、腐敗役人も増えていた。関東一円を取り締まるはずの特別警察“八州廻り”も機能せず。管轄奉行・跡目和泉守(山村聰)は、独自に無頼六人を集めた私設警察「忍び八州」を結成。密かに悪人どもを葬っていた。
 そのメンバーは、一刀流の使い手・剣篠之介(村野武範)、あやしげな医者にして拳法の達人玄庵(長門勇)、殺人剣法の九鬼大紋(佐藤允)、花札で相手の喉笛を搔っ切る色男・菊次(田村亮)、花火師で爆薬遣いの仙三(なべおさみ)、変装の名手で色気で相手を翻弄する・南美(渥美マリ)。
 彼らは命がけで巨悪に挑むが、チームワークがいいかというと、かなりあやしい。なにしろリーダー格の村野からして「信用できないなら仕事など頼むな」などと言いだすスネたやつ。頼まれた仕事に裏があると知れば、平気で御用金強奪を考えてしまうような、アウトロー六人組だから、暴れ方は尋常ではない。どしゃぶりの中、倒れてる相手に何度も刀を突き刺したりする村野はとても正義の味方と程遠い。さすが、「座頭市」の殺人師・楠本鋭一のリアルな世界である。
 それにしても、今はすっかり「食いしん坊おじさん」の印象の村野武範がギラギラしててカッコいい!無口な二枚目田村亮も美男だし、みなさんはどの狼が好きですか!?

ペリー荻野プロフィール
ペリー荻野

1962年愛知県生まれ。大学在学中よりラジオのパーソナリティ兼原稿書きを始める。 「週刊ポスト」「月刊サーカス」「中日新聞」「時事通信」などでテレビコラム、「ナンクロ」「時代劇マガジン」では時代劇コラムを連載中。さらに史上初の時代劇主題歌CD「ちょんまげ天国」シリーズ全三作(ソニーミュージックダイレクト)をプロデュース。時代劇ブームの仕掛け人となる。

映像のほか、舞台の時代劇も毎月チェック。時代劇を愛する女子で結成した「チョンマゲ愛好女子部」の活動を展開しつつ、劇評・書評もてがける。中身は"ペリーテイスト"を効かせた、笑える内容。ほかに、著書「チョンマゲ天国」(ベネッセ)、「コモチのキモチ」(ベネッセ)、「みんなのテレビ時代劇」(共著・アスペクト)。「ペリーが来りてほら貝を吹く」(朝日ソノラマ)。ちょんまげ八百八町」(玄光社MOOK)「ナゴヤ帝国の逆襲」(洋泉社)「チョンマゲ江戸むらさ記」(辰己出版)当チャンネルのインタビュアーとしても活躍中。