ペリーのちょんまげ ペリーのちょんまげ

掲載2003年02月28日

「隠密剣士」バリバリ好青年・荻島真一がご落胤の隠密になる30分時代劇!奇想天外忍術も登場。

(おんみつけんし) 1973年

掲載2003年02月28日

 悲運の死をとげた徳川家康の長子には、子があった。そのご落胤・松平信太郎は、祖父・家康に世直しを頼まれるが、政治の争いを嫌って、これを拒否。しかし、二代将軍秀忠にくっついている本多上野介が伊賀忍者を使って怪しげな活動を見せるにつけ、彼らと戦うことを決心するのであった。
 信太郎には、当時好青年として人気急上昇中の萩島真一(当時27歳)。80年代には昼ドラのサスペンスものなどで人妻キラーとなる萩島が、爽やかな剣士を演じている。私は近年も舞台「鬼平犯科帳」の与力役などでナマ荻島真一を見たが、貫禄が備わり、なかなかの存在感。もっともっと時代劇で活躍してほしい人材だ。このドラマは、その貴重な時代劇の主役シリーズといえる。
 信太郎を助ける謎の忍者に、牧冬吉。本多上野介に川合信旺。諸国を旅しながら、敵の赤目幽玄斉らの奇想天外な忍術と対決する信太郎。牧冬吉がいるだけに、どこか「仮面の忍者赤影」を思い出す人も多いと思う。30分時代劇ならではのスピーディ、かつ、わかりやすい展開が心地いい。
 さらによくみれば、浅田美代子や岡崎友紀など70年代のアイドルが毎回こんにちわ!
吉沢京子も華を添えて、荻島隠密剣士は元気よく旅を続ける。家族みんなで楽しめる痛快娯楽編。

掲載2003年01月03日

「鬼平犯科帳’69」作者・池波正太郎が惚れ込んだふたりの「鬼平」を一度に堪能。縁起のいい正月特別編!

(おにへいはんかちょう ろくじゅうきゅう) 1969〜1970年

掲載2003年01月03日

 明けましておめでとうございます。
  年末年始は、時代劇の季節(私が決めた)。本格的な作品をたっぷりと見たいという方々のため、本年は「初代鬼平」松本白鸚版と、「平成鬼平」中村吉右衛門版が同日中にお楽しみいただける特別編をお送りします。
  初代鬼平は、69年に登場。主役の松本白鸚は、原作者・池波正太郎が執筆時から、鬼平をイメージしてした役者。それだけに「ぴったり」感は抜群で、貫禄も十分。撮影開始30分前にはきちんと準備を整える姿勢は、若い共演者たちに慕われていたという。まさに鬼平そのものという人柄だった。
  配下の配役も絶妙で、初代佐嶋忠介、後の若年寄京極備前守役には怪獣映画でも活躍した平田昭彦、酒井祐介役には竜崎勝。知的な平田に対して、熱しやすい竜崎。(どちらもカッコいい!)味のあるところでは、木村忠吾役の古今亭志ん朝。そして忘れてはならないのが、鬼平の剣友・岸井左馬之助の加東大介。ゲストにも「お雪の乳房」の太地喜和子、「鬼坊主の花」三波伸介など。故人となった名優たちの演技に注目したい。
  時間を越え、ふたりの「鬼平」を楽しむ21世紀の正月。贅沢な時間に浸ってください。

掲載2002年12月20日

「江戸特捜指令」クリスマスといえばコスプレ!イブの夜、彼らの最後の大活躍を、お楽しみに!

(えどとくそうしれい) 1976年

掲載2002年12月20日

 「いつの世にも、どこの町にも、法では裁けぬワルがいる。そいつを憎むやつもいる。将軍様のひと声に、命をかけた六人衆。天知る、地知る。世間は知らぬ、隠し目付は闇の芝居の立て役者!」
  みごとな五七調のナレーションに乗って登場するのは、「隠し目付の面々」そのメンバーは、リーダー中村敦夫、どんな大道具も自作する大工の竜雷太、爆弾得意の異色芸者・五十嵐淳子、もてもて遊び人の原田大二郎、太股ピチピチ女飛脚の秋野暢子、見るからにあやしいからくり師・山城新伍。
  メンバーを聞いただけでもすごいのに、彼らのいでたちがパステルカラーの色違いの着流しに、顔には白い不気味な面ときてるんだから、一度みたら忘れられないインパクト。こんな姿の一団に突如、屋敷を急襲されたら、どんな悪人でもビビるに違いない。そして、とどめは、「地獄に堕ちてウジ虫になれ!」。なにもそこまで言わなくても、と思うほど過激なキメセリフなのだった。
  異色のヒーローに加えて、ガッツ石松、引田天功、栗塚旭ら毎回異色のゲストが参上し、この異色作がどこまでいくか、と楽しみだった人も多いはず。残念ながら、コスプレの祭典、クリスマスイブに最終回を迎える。まだ見てない人はぜひ、彼らの最後の大活躍に拍手喝采してほしい。

ペリー荻野プロフィール
ペリー荻野

1962年愛知県生まれ。大学在学中よりラジオのパーソナリティ兼原稿書きを始める。 「週刊ポスト」「月刊サーカス」「中日新聞」「時事通信」などでテレビコラム、「ナンクロ」「時代劇マガジン」では時代劇コラムを連載中。さらに史上初の時代劇主題歌CD「ちょんまげ天国」シリーズ全三作(ソニーミュージックダイレクト)をプロデュース。時代劇ブームの仕掛け人となる。

映像のほか、舞台の時代劇も毎月チェック。時代劇を愛する女子で結成した「チョンマゲ愛好女子部」の活動を展開しつつ、劇評・書評もてがける。中身は"ペリーテイスト"を効かせた、笑える内容。ほかに、著書「チョンマゲ天国」(ベネッセ)、「コモチのキモチ」(ベネッセ)、「みんなのテレビ時代劇」(共著・アスペクト)。「ペリーが来りてほら貝を吹く」(朝日ソノラマ)。ちょんまげ八百八町」(玄光社MOOK)「ナゴヤ帝国の逆襲」(洋泉社)「チョンマゲ江戸むらさ記」(辰己出版)当チャンネルのインタビュアーとしても活躍中。