ペリーのちょんまげ ペリーのちょんまげ

掲載2002年07月05日

「風雲!江戸の夜明け」お宝時代劇のトップを飾るのは、織田裕二と杉浦幸主演の30分時代劇!

(ふううん!えどのよあけ) 1989年

掲載2002年07月05日

織田裕二といえば、90年代、「東京ラブストーリー」や「踊る大捜査線」など、注目のドラマに次々主演。若い女性を中心に大人気の俳優だが、実は80年代の終わりには時代劇に主演した経験があったのだ。それがこの「風雲!江戸の夜明け」
後に三代将軍となり、「名君」と呼ばれた徳川家光(裕二)だが、若いころにはなかなかの暴れん坊で、お目付役の土井利勝(中山仁)や後の大奥の大物・春日局(久保菜穂子)の目を盗んでは城を脱出。きままな町歩きを楽しんでいた。その家光と出会った芝居小屋の娘・美雪(杉浦幸)とその弟で人気役者の小太郎(片桐光洋)。美雪はすっかり家光に恋してしまうが、実はこの姉弟、お庭番として家光に仕える運命にあるのだった。
世間知らずで騒ぎばかり起こす家光と、健気に彼を助ける美雪。まだ徳川の治世も磐石とはいえず、幕府転覆を狙うやつらも少なくない。フラフラ町を歩いていて大丈夫なのか、家光?と、つい心配になるくらい、裕二も若い。そして、当時「ヤヌスの鏡」でアイドルとなった杉浦幸も、慣れない時代劇で懸命の演技。それを思えば、おなじみチビ玉こと片桐光洋は、この頃からさすがにヅラ慣れしてるのである。ベテラン中山仁や久保菜穂子のコミカルな存在感も見どころ。織田裕二のマゲ姿。まさにお宝時代劇だ。

掲載2002年06月08日

「旗本退屈男」高橋英樹が天真爛漫にして豪快な剣豪・早乙女主水之介に挑む 妹の恋人にも注目!

(はたもとたいくつおとこ) 

掲載2002年06月08日

ご存じ、旗本・早乙女主水之介は、天下太平の元禄時代にヒマを持て余す“退屈男”。
トレードマークは額の三日月傷で、これは某藩の暴れ者七人と戦った時にできたもの。いつも豪華な着流しでブラブラウォーキング。商人にも色街の艶っぽいおねえさんたちからも「退屈の殿様」と慕われる粋な殿様だ。そして、町に事件ありと聞けば、退屈の虫が騒いで、首を突っ込み、必殺剣法「諸羽流正眼崩し」で悪人たちをバッタバッタとやっつける。もちろん、全部ボランティア。
ペリーの場合、生まれて一番初めに見た「退屈男」がこの高橋英樹バージョンだった。若いが堂々とした英樹(ちなみに初登場は70年)は天真爛漫、なのに怒るとめちゃくちゃ強い。一見単純に見える事件が実は複雑だったり、「これは謎だ・・・」と言ってる事件が案外わかりやすかったり、メリハリがきいてるのも楽しい。
また、主水の唯一の肉親が妹(17歳!)の菊路(柏木由起子)で、なんと17歳なのにちゃんと恋人・霧島京弥がいて、それが現在の片岡仁左衛門といううらやましすぎる設定。霧島は、主水の片腕としてともに悪と戦うのである。ほかにも水野久美、藤原釜足などレギュラーもいい味の面々。時代劇の痛快さをじっくり見せてくれる。梅雨時こそ、退屈の殿様にスカッとさせてもらおう。!

掲載2002年05月11日

「幕府お耳役 檜十三郎」永島敏行がちょんまげスパイに!?長門裕之VS財津一郎のベテラン対決にもご注目。

(ばくふおみみやく ひのきじゅうざぶろう) 

掲載2002年05月11日

「お耳役」とは、幕府大目付直属の陰密で、市井に身を潜めながら、諸大名の動きに目を光らせる、いわばスパイである。潜入、裏切り、なんでもありの捜査を敢行し、身分がバレて殺されても、誰も弔ってもくれない。つらい身の上だ。
今回、そのスパイ・檜十三郎が永島敏行である。直属の上司・大目付の田ノ内伊織(財津一郎)に、職権濫用が甚だしい総目付・京極丹波(長門裕之)の行状捜査を命じられた十三郎。町飛脚問屋で「恋文代筆業」などというとぼけた仕事をしながら、捜査を開始する。相棒は将軍家の“鳥見役”竜崎又平(渡辺裕之)。鳥見役は、タカのえさをとるためと称して、どこにでも入る権限がある。探索の相棒にはもってこいなのである。
この主人公、「恋文代行業」の売り込みをしたり、スパイのくせにほとんど身を隠そうとかいう発想がない。上司にあれこれ命令されれば、文句を言い、挙げ句、上司に刃物まで向ける。半分イヤイヤやってる正義の味方というのがおもしろい。一方、敵の京極は諸大名を脅迫してワイロを要求するようなしたたか者。永島敏行は黒装束でも体が大きくてすごく目立つし。これで本当に大丈夫なのかとハラハラする。特に、最終回、ゲストの加納竜と伊東美由紀の悲恋と、財津VS長門の最終決戦にも注目。肝心の永島敏行は?もちろん、活躍してます!

ペリー荻野プロフィール
ペリー荻野

1962年愛知県生まれ。大学在学中よりラジオのパーソナリティ兼原稿書きを始める。 「週刊ポスト」「月刊サーカス」「中日新聞」「時事通信」などでテレビコラム、「ナンクロ」「時代劇マガジン」では時代劇コラムを連載中。さらに史上初の時代劇主題歌CD「ちょんまげ天国」シリーズ全三作(ソニーミュージックダイレクト)をプロデュース。時代劇ブームの仕掛け人となる。

映像のほか、舞台の時代劇も毎月チェック。時代劇を愛する女子で結成した「チョンマゲ愛好女子部」の活動を展開しつつ、劇評・書評もてがける。中身は"ペリーテイスト"を効かせた、笑える内容。ほかに、著書「チョンマゲ天国」(ベネッセ)、「コモチのキモチ」(ベネッセ)、「みんなのテレビ時代劇」(共著・アスペクト)。「ペリーが来りてほら貝を吹く」(朝日ソノラマ)。ちょんまげ八百八町」(玄光社MOOK)「ナゴヤ帝国の逆襲」(洋泉社)「チョンマゲ江戸むらさ記」(辰己出版)当チャンネルのインタビュアーとしても活躍中。