ペリーのちょんまげ ペリーのちょんまげ

掲載2002年04月26日

「炎の奉行 大岡越前守」おなじみ名奉行に「炎」がついたから、さあ大変。話題のあの人も出てます。

(ほのおのぶぎょう おおおかえちぜんのかみ) 

掲載2002年04月26日

 GW、じっくり時代劇を見たい人にぴったりの「十二時間時代劇」特集。ここではその中でも、「炎の奉行」をご紹介したい。
 大岡越前というと、70年にTBS系でスタートした加藤剛のシリーズがあまりにも有名だが、その奉行像は、物静かな愛妻家。一方、この「炎」の方は、将軍吉宗の片腕として、表で裏で大事件と戦う。まさに燃えるお奉行様。名は体を表す、のである。
 主役は市川團十郎。(その若者時代を来年の大河ドラマの主役となった市川新之助が演じているのにも注目したい)
 この番組の特徴は、越前の生い立ちが紹介されていることと、もうひとつ。「赤穂浪士の討ち入り」「絵島生島」「天一坊事件」から「雲霧仁左衛門」まで登場する“時代劇スター大集合”なところ。どれひとつとっても、天下が引っくり返るほどの事件なのに、それを12時間ですべて解決してしまうとは...すごいお奉行様だ。
 共演は、徳川吉宗に渡辺徹(「天一坊」の隠し子騒動では「身に覚えがある...」と告白するところにいい味が出ている)、吉宗の質素倹約令に反発するハデハデ御三家徳川宗春に荻原流行、浅野内匠頭に中村勘九郎、元禄の策士・柳沢吉保に津川雅彦、天一坊に内海光司とナイスな配役。大江戸の大事件を炎の奉行がどう裁く?お楽しみに!

掲載2001年09月14日

「必殺!」「必殺!ブラウン館の怪物たち」

(ひっさつ! ひっさつぶらうんやかたのかいぶつたち) 

掲載2001年09月14日

豪華&異色ゲスト満載。「必殺!」映画版。

 昭和47年「必殺仕掛人」がテレビに登場して、大人気。以来、シリーズはたびたび映画化されている。(ちなみに昭和48年に公開された第一弾「必殺仕掛人」は、藤枝梅安に田宮二郎、西村左内に高橋幸治という配役)
 今回放送される「必殺!」は84年、「必殺!ブラウン館の怪物たち」は85年の公開。
 「必殺!」は仕事人らしい身元不明の死体が次々発見され、口には「三途の川の渡し賃」の六文銭がくわえさせられている。それは非道な集団による仕事人狩りであった。おりく(山田五十鈴)は、一味に心あたりがあるらしいが、中村主水(藤田まこと)、勇次(中条きよし)、秀(三田村邦彦)、加代(鮎川いずみ)、西順之助(ひかる一平)には不安が募る。ゲスト仕事人に、片岡孝夫、芦屋鴈之助、研ナオコ(熱演!)草野大悟、斎藤清六、たこ八郎、赤塚不二夫ら。斎藤・たこ・赤塚の笑える必殺技って!?お楽しみに。「必殺!ブラウン館の怪物たち」は、シリーズの中でも女性ファンに人気の花屋の政(村上弘明)、組紐屋の竜(京本政樹)が参加。幕末の京都にあるという不気味な屋敷を巡る戦い。土方歳三に西川のりお、沖田総司に明石家さんま、アーネスト・サトウにケント・ギルバートなどユニークなゲストが登場。異人館は出るわ、公家や外国人集団は出るわ、三つ巴のアクション編。

掲載2001年09月07日

「必殺からくり人」山田五十鈴の貫禄と森田健作の必殺技に注目

(ひっさつからくりにん) 1976

掲載2001年09月07日

 天保の江戸。
 芸者置屋「花乃屋」の女将仇吉(山田五十鈴)、その娘とんぼ(ジュディ・オング)、番頭の藤兵衛(芦屋鴈之助)と花火師・仕掛の天平(森田健作)、枕売りの夢屋時次郎(緒形拳)には、人に言えない秘密があった。ひとつは、集団で嵐の中、島抜けした過去を持つこと。あとひとつは、許せぬ悪人を葬る「からくり人」であること...。
 シリーズ初主演である山田五十鈴をはじめ、個性派が結集。必殺シリーズの中でも、リーダーを中心にもっともまとまりのよいチームであった。
 三味線のバチで華麗な技を見せる仇吉、枕を作るヘラを武器にする時次郎、怪力の藤兵衛など、ベテランらしい技もいいが、なんといっても派手なのが天兵の花火技。相手の口に花火を押し込んで爆発。あばら骨が見える映像は、必殺らしい演出。
 名脚本家・早坂暁が書き込んだストーリーだけに、島抜けした過去やとんぼの実の父親がからむ事件、互いに思い合うとんぼと天兵の悲劇など、話が深く、哀しい。
 また、工藤栄一監督演出による最終回、恐ろしい殺し屋集団“曇り”との対決は迫力。
緊迫した中、天真爛漫でのんきなへろ松(間寛平)の存在が楽しい。全編に登場する山田五十鈴の三味線も聞き物。全13話と短めなので、お見逃しなく!

ペリー荻野プロフィール
ペリー荻野

1962年愛知県生まれ。大学在学中よりラジオのパーソナリティ兼原稿書きを始める。 「週刊ポスト」「月刊サーカス」「中日新聞」「時事通信」などでテレビコラム、「ナンクロ」「時代劇マガジン」では時代劇コラムを連載中。さらに史上初の時代劇主題歌CD「ちょんまげ天国」シリーズ全三作(ソニーミュージックダイレクト)をプロデュース。時代劇ブームの仕掛け人となる。

映像のほか、舞台の時代劇も毎月チェック。時代劇を愛する女子で結成した「チョンマゲ愛好女子部」の活動を展開しつつ、劇評・書評もてがける。中身は"ペリーテイスト"を効かせた、笑える内容。ほかに、著書「チョンマゲ天国」(ベネッセ)、「コモチのキモチ」(ベネッセ)、「みんなのテレビ時代劇」(共著・アスペクト)。「ペリーが来りてほら貝を吹く」(朝日ソノラマ)。ちょんまげ八百八町」(玄光社MOOK)「ナゴヤ帝国の逆襲」(洋泉社)「チョンマゲ江戸むらさ記」(辰己出版)当チャンネルのインタビュアーとしても活躍中。