ペリーのちょんまげ ペリーのちょんまげ

掲載2001年06月25日

炎の奉行大岡越前 こんなに波乱万丈とは!驚きの奉行生活。

(ほのおのぶぎょうおおおかえちぜん こんなにはらんばんじょうとは!おどろきのぶぎょうせいかつ。) 1997年

掲載2001年06月25日

 一般的に「大岡越前」といえば、罪を憎んで人を憎まず。人情優先の「大岡裁き」で有名だ。なんとなく庶民派のイメージを持っている人も多いと思う。が、ここに描かれる越前は、ちょっと違う。なんたって「炎の奉行」だもの。燃える男なのだ。
 もともと地元伊勢の山田奉行だった越前は、その清廉潔白な人柄を、後に将軍になる徳川吉宗に見込まれる。吉宗が将軍になると江戸に呼ばれて町奉行に。これは大抜擢といえた。
しかし、世は元禄バブルがはじけて、幕府は超経済難。質素倹約で乗り切ろうという将軍と、華やかな元禄時代を忘れられない人々とはなかなかうまくいかない。
 そんな中、赤穂浪士の討ち入り騒動や、大盗賊雲切仁左衛門の陰謀、そして、なんと吉宗の隠し子、天一坊まで現れて...。これだけ大事件が続く上に、講談でもおなじみのエピソード「二人母」(産みの母と育ての母、どちらに子を?の名裁き)や「三方一両損」(拾った金を拾い主と落とし主のどちらに?のお裁き)などを片づけなければならない、お奉行の多忙といったら!「炎」がついてる意味もご理解いただけると思う。
 主役は市川團十郎。妻たえに高樹沙耶、柳沢吉保に津川雅彦、大石内蔵助の柄本明、吉良上野介の石橋蓮司(本人大ノリの演技が光)と豪華共演陣に、特別出演で中村勘九郎も登場。文句なく楽しめるお奉行の大活躍。

掲載2001年03月26日

長谷川一夫祭り

(はせがわかずおまつり) 1938年ほか

掲載2001年03月26日

 大スクリーンにあの美しいお顔がアップになると、観客がいっせいにどよめいた、という伝説を残す名優長谷川一夫。
 今回は、芸一筋の役者の非情さを描く「藤十郎の恋」、股旅物の傑作「「瞼の母」、原節子との共演作「蛇姫様総集編」、ハリウッドの原作を、江戸時代に置きかえたミステリー「昨日消えた男」、天下の二枚目のはまり役「源氏物語」など代表作を一挙放送。美男の名演技にため息。
 長谷川一夫は京都に生まれ、おじの経営する芝居小屋で五歳のときに初舞台を踏む。関西歌舞伎の中村鴈治郎の弟子となり、子役から女形へと進んだが映画界に転身。日本を代表する二枚目として大活躍した。
 今回放送される作品のほか、「銭形平次」シリーズや、カンヌ映画祭でグランプリをとった衣笠貞之助監督の「地獄門」などの代表作がある。ペリーのイメージとしては、常にベールに覆われた甘いマスクのスター様。後に、宝塚歌劇の「ベルサイユのばら」を演出して大ヒットさせたのも、このお方。

掲載2001年03月16日

旗本退屈男

(はたもとたいくつおとこ) 1971年

掲載2001年03月16日

 ご存知、天下御免の向こう傷、額に三日月の傷を持つお殿様、早乙女主水之介の行く先に事件あり。剣は諸羽流、体術は揚心術、軍学まで修めた達人ながら無役で退屈。桃太郎侍の上を行く、派手な出で立ちで悪者退治を趣味とする。時代劇ならではのヒーローを高橋英樹が豪快に演じた。妹役に柏木由紀子、その恋人役に片岡孝夫(現仁左衛門)、水野久美の色っぽさもいい痛快作。
 歳は33歳、直参旗本で石高は三千石。本所割下水に屋敷を構え、派手な着流しで市中を歩き回る。花街のねえさんたちにも顔がきく。まさに大江戸独身貴族の主水之介。トレードマークの三日月傷は、浅草雷門で長州藩の暴れ者七人と斬り合ったときにできた勲章だという。
 時には大勢の悪人をたたっ斬り、時には謎解きにも挑む主水之介だが、すべて
“退屈の虫が騒いだから”
と、ボランティアに徹しているところがすごい。高橋英樹のキャラにはピッタリであった。

ペリー荻野プロフィール
ペリー荻野

1962年愛知県生まれ。大学在学中よりラジオのパーソナリティ兼原稿書きを始める。 「週刊ポスト」「月刊サーカス」「中日新聞」「時事通信」などでテレビコラム、「ナンクロ」「時代劇マガジン」では時代劇コラムを連載中。さらに史上初の時代劇主題歌CD「ちょんまげ天国」シリーズ全三作(ソニーミュージックダイレクト)をプロデュース。時代劇ブームの仕掛け人となる。

映像のほか、舞台の時代劇も毎月チェック。時代劇を愛する女子で結成した「チョンマゲ愛好女子部」の活動を展開しつつ、劇評・書評もてがける。中身は"ペリーテイスト"を効かせた、笑える内容。ほかに、著書「チョンマゲ天国」(ベネッセ)、「コモチのキモチ」(ベネッセ)、「みんなのテレビ時代劇」(共著・アスペクト)。「ペリーが来りてほら貝を吹く」(朝日ソノラマ)。ちょんまげ八百八町」(玄光社MOOK)「ナゴヤ帝国の逆襲」(洋泉社)「チョンマゲ江戸むらさ記」(辰己出版)当チャンネルのインタビュアーとしても活躍中。