ペリーのちょんまげ ペリーのちょんまげ

掲載2021年09月01日

掲載先変更のお知らせ

掲載2021年09月01日

オリジナルコラム「ペリーのちょんまげ」は、
2021年9月より時代劇専門チャンネル公式Twitterにて連載いたします。(毎週金曜投稿)
今後はぜひTwitterにてお楽しみいただけますと幸いです。

掲載2021年08月27日

「薄桜記」<4Kデジタル修復版>※2Kダウンコンバートにて放送
丹下典膳(市川雷蔵)と中山安兵衛(勝新太郎)、数奇な運命で結ばれた男の友情と愛と死
白い雪の中の壮絶な殺陣シーンは圧巻。カツライスと呼ばれた二人の代表作のひとつ

(はくおうき<4Kでじたるしゅうふくばん>※2Kだうんこんばーとにてほうそう ) 出演者:市川雷蔵/勝新太郎/真城千都世/三田登喜子/大和七海路/北原義郎/島田竜三 ほか  1959年

掲載2021年08月27日

薄桜記<4Kデジタル修復版>※2Kダウンコンバートにて放送
薄桜記<4Kデジタル修復版>※2Kダウンコンバートにて放送
©KADOKAWA 1959

 元禄七年。高田馬場の決闘にひた走る男、中山安兵衛(勝新太郎)を見かけた旗本・丹下典膳(市川雷蔵)は、彼の襷が気になり、追いかけるが、決闘の相手が同門の知心流の者たちだとわかり、その場を離れた。安兵衛は堀部弥兵衛の助けを借りて無事、勝利をおさめたが、同門を見捨てた形の典膳は、安兵衛との決闘を迫られる。それを拒否した典膳は破門された。ある日、典膳は上杉家の長尾竜之進の妹・千春(真城千都世)を野犬から助けたが、生類憐みの令もあり、発覚すれば一大事。その場を救ったのが、安兵衛だった。千春に心惹かれていた安兵衛だが、その後、典膳と千春が結ばれると知って、自らは堀部家の婿に。播州浅野家の家臣になる。一方、典膳は留守中に自分に怨みを持つ知心流の五人が妻を凌辱したことを知る。千春を守るため離縁を申し出た典膳は、兄の竜之進に斬られ、隻腕となり消息を絶つ。ちょうどその日、江戸城では赤穂藩主・浅野内匠頭が吉良上野介に刃傷事件を起こしていた。

 典膳と安兵衛、不思議に絡み合う二人の友情。同じ作品でデビューし、カツライスと呼ばれた、よき友の雷蔵と勝だけに、キャラクターは違っても息が合う。五人に怨みを晴らすと誓った典膳。吉良家に縁のできた千春。忠臣蔵外伝の要素も。雷蔵が下げ緒を口にくわえて左手で刀を抜き放つ瞬間の美しさ、白い雪の中での壮絶な殺陣シーンは圧巻。

掲載2021年08月20日

「赤穂城断絶」
赤穂浪士の物語を監督・深作欣二、大石内蔵助・萬屋錦之介ほかオールスターで描いた大作
浪士を襲う悲劇や、千葉真一の不破数右衛門VS渡瀬恒彦の小林平八郎の激突もみもの

(あこうじょうだんぜつ ) 出演者:萬屋錦之介/千葉真一/松方弘樹/渡瀬恒彦/丹波哲郎/三船敏郎 ほか 1978年

掲載2021年08月20日

赤穂城断絶
赤穂城断絶
©東映

 元禄十四年、赤穂城に、主君・浅野内匠頭(西郷輝彦)が殿中松の廊下で吉良上野介(金子信雄)に刃傷に及び、即日切腹したとの急報が入る。御家断絶、領地召し上げの沙汰に対して、藩士たちは、家老・大石内蔵助(萬屋錦之介)の考えを聞こうと詰め寄る。内蔵助は藩士の誓紙血判を集め、城を明け渡す。赤穂浪士たちの苦難の日々が始まった。山科に隠棲した内蔵助は、遊興にふけると見せかけ、吉良の動きを探る。一方、吉良方の剣士・小林平八郎(渡瀬恒彦)は、内蔵助の動静に目を光らせていた。

 「柳生一族の陰謀」で久々に東映時代劇に主演して大ヒットを飛ばした錦之介と、深作欣二監督のコンビによる大作第二弾。城の明け渡しに際し、内蔵助が「では、内蔵助の存念を申し上げる」「吉良上野介は不倶戴天の敵」「方々、同心くだされましょうや」と朗々と語るシーンは圧巻。柳沢吉保に丹波哲郎、大石りくに岡田茉莉子、瑤泉院に三田佳子、浮橋太夫に江波杏子、土屋主税に三船敏郎、多門伝八郎に松方弘樹など豪華な顔ぶれが揃う。監督の要望で、討ち入りまでの浪士たちの苦難も描かれ、中でも酒におぼれる橋本平左衛門(近藤正臣)とはつ(原田美枝子)夫婦の悲劇ははかなく、涙を誘う。オーソドックスな作りの中に、さすが東映アクションと思える平八郎と不破数右衛門(千葉真一)の激突もバッチリ。みどころを詰め込んだ「忠臣蔵」25回目の映画化作品。

掲載2021年08月13日

「紫子-とりかえばや異聞-('10年月組 中日劇場)」
双子の兄になりかわって大名家に入った妹の切ない恋と運命
男役・霧矢大夢が姫と武将を演じ、ファンが再演を待ち望んだ名作に挑む

(ゆかりこーとりかえばやいぶんー(’10ねんつきぐみ ちゅうにちげきじょう) ) 出演者:霧矢大夢/蒼乃夕妃 ほか  2010年

掲載2021年08月13日

紫子-とりかえばや異聞-(’10年月組 中日劇場)
紫子-とりかえばや異聞-(’10年月組 中日劇場)
©宝塚歌劇団 ©宝塚クリエイティブアーツ ~木原敏江原作「とりかえばや異聞」(小学館文庫)より~

 安土桃山時代。世継ぎのない家に育った紫子(霧矢大夢)は、父から武芸を学び、男勝りの娘に育った。しかし、父が亡くなり、病の母のため、遊女屋で働く決意をする。その初めての客となったのが、顔を見知っていた風吹(青樹泉)だった。出会った瞬間に惹かれあった二人だが、そのとき来客があり、別れ別れになる。紫子は、安芸の大名・佐伯氏の実子で双子ゆえに養子に出されていたことがわかった。病に倒れた兄・碧生(霧矢・二役)の替え玉として城に入った紫子。一方、風吹は悪家老から碧生の暗殺を依頼され、同じ城に入ったのだ。やがて織田家と毛利家にはさまれ、危機を迎えた佐伯家は、毛利の舞鶴姫(蒼乃夕妃)をめとり、安泰を図る。碧生として生きる宿命を背負った紫子は、つらい決断を迫られる。

 原作は平安末期に書かれた古典文学「とりかえばや物語」に着想を得た木原敏江のコミック「とりかえばや異聞」。87年に峰さを理、南風まい、日向薫らで上演され、好評を博し、ファンの間で再演が待ち望まれた名作が23年ぶりによみがえった。峰に教えを受けた霧矢にとって月組トップお披露目公演で、収録は、今はなき名古屋・中日劇場。伝説の作品を見ようと名古屋に多くのファンが詰めかけた。凛々しい男子が実は女性で、禁断の相手と恋に落ちる。そこに新たな人が現れて...秘めた心と切ない関係から目が離せない。

掲載2021年08月06日

「風の墓標」
鎖国直前、父を探して異国に渡った男の数奇な運命と出会い
中井貴惠、山本陽子、松あきら、三人の女の思いを原作・平岩弓枝、脚本・大西信行が描く

(かぜのぼひょう ) 出演者:滝田栄/山本陽子/中井貴惠/松あきら/三田村邦彦/山形勲/田村亮/大村崑 ほか  1984年

掲載2021年08月06日

風の墓標
風の墓標
©NHK

 徳川政権の初期、日本の商人たちは異国との貿易に夢を描き、大海原へと繰り出していた。三代将軍・家光の治世。寛永二年、行方不明の父を探すため、新太郎(滝田栄)は、朱印船に乗り込む。新太郎に思いを寄せる平戸屋の娘・多美(中井貴惠)は不安の中、見送るしかなかった。ジャングルが広がる南国に驚きながらも、現地で働く人々と接した新太郎は、四年後に帰国。多美は平戸屋の窮状を救うため、御用商人松浦屋の息子との縁談が決まっていた。多美の兄・助四郎(三田村邦彦)に多美をあきらめるよう言われた新太郎は、長崎の豪商・茶屋新四郎(大山勝巳)の店で働き、再び、異国へと渡る。ルソンに向かった新太郎は、父がバタビヤにいると聞く。サルタン(田村亮)、中国人の宗林(戸浦六宏)らと出会い、商いに精進しながら、お京(山本陽子)、麗花(松あきら)ら女性たちとも出会った新太郎は、やがて日本の鎖国政策という過酷な現実に翻弄されることになる。
 「御宿かわせみ」など人気シリーズで知られる作家・平岩弓枝が、誠実に生きながらも時代の荒波に直面する長崎商人の恋と冒険とロマンを壮大なスケールで描いた長編。脚本の大西信行は、ドラマ「御宿かわせみ」はじめ、「水戸黄門」など多くの名作時代劇を手がけた。また、音楽の山本直純は昭和を代表する作曲家。このドラマの前年、大河ドラマ「徳川家康」に主演した滝田の力強い商人姿、切ない結末にも注目。

ペリー荻野プロフィール
ペリー荻野

1962年愛知県生まれ。大学在学中よりラジオのパーソナリティ兼原稿書きを始める。 「週刊ポスト」「月刊サーカス」「中日新聞」「時事通信」などでテレビコラム、「ナンクロ」「時代劇マガジン」では時代劇コラムを連載中。さらに史上初の時代劇主題歌CD「ちょんまげ天国」シリーズ全三作(ソニーミュージックダイレクト)をプロデュース。時代劇ブームの仕掛け人となる。

映像のほか、舞台の時代劇も毎月チェック。時代劇を愛する女子で結成した「チョンマゲ愛好女子部」の活動を展開しつつ、劇評・書評もてがける。中身は"ペリーテイスト"を効かせた、笑える内容。ほかに、著書「チョンマゲ天国」(ベネッセ)、「コモチのキモチ」(ベネッセ)、「みんなのテレビ時代劇」(共著・アスペクト)。「ペリーが来りてほら貝を吹く」(朝日ソノラマ)。ちょんまげ八百八町」(玄光社MOOK)「ナゴヤ帝国の逆襲」(洋泉社)「チョンマゲ江戸むらさ記」(辰己出版)当チャンネルのインタビュアーとしても活躍中。