ペリーのちょんまげ ペリーのちょんまげ

掲載2020年03月27日

「赤ひげ」
貧しい人々を診療する小石川養生所の主・赤ひげと若き医師たちの奮闘
山本周五郎原作。医療ドラマの原点ともいえる名作を船越英一郎主演で。

(あかひげ(しゅえん:ふなこしえいいいちろう) ) 出演者:船越英一郎/中村蒼/古舘佑太郎/前田公輝/大後寿々花/麿赤兒 ほか  2017年

掲載2020年03月27日

赤ひげ(主演:船越英一郎)
「赤ひげ(主演:船越英一郎) 」
©NHK/ホリプロ

 保本登(中村蒼)はオランダ医学を学んで久々に江戸に戻ると、貧しい人々を無料で治療する「小石川養生所」で働くよう言われる。そこでは仏頂面の医長"赤ひげ"こと新出去定(船越英一郎)が、若手医師・津川(前田公輝)らを厳しく指導しつつ、多くの患者を受け入れている。エリート意識が強い保本は、与えられた制服も着ず、何度も赤ひげと対立。しかし、急患に対応するお手伝い女たちの的確な働きや麻酔なしの緊急外科手術、養生所の苦しい資金繰りなどを知るうちに「病気を治すだけが医者の仕事じゃない」という赤ひげの言葉を理解し、成長していく。

 保本は結果的に多くの死と向き合うことになるが、中でも切実なのはこどもたちの姿だ。「子殺しの罪」の回では貧しさからこどもが盗みを働き、疲れ果てた親はある決断をする。また「妊婦の覚悟」では親に身を売らされる娘の必死の願いが描かれる。正義を振りかざしても誰も救えないと覚悟する赤ひげ。医師にできることは何かという問いは医療ドラマの原点といえる。船越は特注の赤ひげをつけ、やくざ者にも若者にも堂々とぶつかる。緊迫場面も多いが、時々ふと浮かぶ、赤ひげの不器用なユーモアが面白い。ゲストの星野真里、山本學、田畑智子、雛形あきこらが命ギリギリの本音をぶつけるシーンもみもの。原作は山本周五郎。命と人情の名作シリーズ。

掲載2020年03月20日

「さらい屋五葉」
気弱な剣豪が誘われたのは謎の誘拐団「さらい屋五葉」
独特のトーンとほろりとくる展開で大反響のオノ・ナツメ原作アニメ

(さらいやごよう ) 出演者:浪川大輔/櫻井孝宏/大浦冬華/高塚正也/内田夕夜/木下浩之/高梁碧/宝亀克寿 ほか  2010年

掲載2020年03月20日

さらい屋五葉
「さらい屋五葉 」
©2010 オノ・ナツメ/小学館・さらい屋五葉製作委員会

 長屋暮らしの浪人・秋津政之助は、どんな貧乏でも力仕事はしないと用心棒の口を探すが、気弱な性格が出てしまい、いつも失業してしまう。ある日、空腹のあまり「うまそうな団子だ...」とつぶやいた政之助に団子を差し出した男がいた。「イチさん」と呼ばれるその男(弥一)は、政之助に用心棒を頼み、取引先に同行させる。弥一は、いきなり二人の浪人に斬りつけられるが、政之助があっという間に敵を撃退。その腕を見込まれた政之助は、弥一や酒屋の主・梅造、美人のおたけ、飾り職人・松吉の「さらい屋五葉」の仲間になる。はじめは誘拐に抵抗のあった政之助だったが、次第に彼らの優しさや、彼らが人助けをしていることに気づき、見方を変えていくが...。

 松山ケンイチ主演でドラマ化された「ふたがしら」でも知られるオノ・ナツメの原作をアニメ化。監督・シリーズ構成は「魔法の天使クリィミーマミ」「忍たま乱太郎」などの演出を担当した望月智充。キャラクターデザインは「うさぎドロップ」「黒子のバスケ」の中澤一登。抑制のきいた独特のトーンと美しい画像、誘拐の裏に潜む人間模様の描写で大きな反響を呼んだ。なぜ彼らが「さらい屋」を始めたのか。元盗賊の梅造、岡場所にいたおたけなど、それぞれに背景があるが、特に終盤、弥一の哀しい過去が明らかになる。そしてまた、団子が。心憎いシーンがいろいろ用意されている。

掲載2020年03月13日

「三屋清左衛門残日録 新たなしあわせ」
北大路欣也が隠居した武士の日々を飄々と演じる人気シリーズ第四作
息子や嫁いだ娘の悩みを父として見過ごせない清左衛門の、家族への思いが描かれる。

(みつやせいざえもんざんじつろく あらたなしあわせ ) 出演者:北大路欣也 優香 美村里江 金田明夫 /三田佳子/ 小林稔侍 麻生祐未 伊東四朗 2020年

掲載2020年03月13日

三屋清左衛門残日録 新たなしあわせ
「三屋清左衛門残日録 新たなしあわせ 」
©「三屋清左衛門残日録 新たなしあわせ」時代劇パートナーズ

 三屋清左衛門(北大路欣也)は、東北の小藩の藩用人を務めた有能な人物。家督を息子・又四郎に譲って悠悠自適のはずだが、妻を亡くしており、寂寞感が募る。ある日、清左衛門が趣味の釣りから戻ると、嫁いだ娘・奈津(美村里江)が孫娘を連れて戻っていた。何気ない会話から、清左衛門は、奈津に悩みがあると悟る。そんな折、親友の佐伯熊太(伊東四朗)から、先代藩主の側室おうめが父親のわからぬ子を身ごもったと聞く。奥向きを取り仕切っていた滝野(三田佳子)が激怒しており、旧知の立場から怒りをなだめてほしいと頼まれた清左衛門だが、そこにかねてより因縁のある浅田家老(金田明夫)一派の存在がちらついてくる。奈津の夫の行動にも不可解なものがあり、そこにも浅田の影が...。

 清左衛門の家族への思いが描かれるシリーズ第四作。伊東、料理屋の女将役の麻生祐未など、おなじみの顔ぶれとともに三田、小林稔侍らベテランゲストとの共演もみどころ。清左衛門は欅の古木を見つめ、人生を考える。藤沢周平原作らしい味わい深い場面だ。「古木はまだまだ倒れない。清左衛門は僕の実人生と重なり、自分そのものにも見えます。伊東さん、三田さん、稔侍さんとは、若いころからともに歩んできたから、役というより人間同士で現場にいる感じでしたね」という北大路が演じる清左衛門の、大人の「解決」に注目したい。

掲載2020年03月06日

「池波正太郎時代劇 光と影」
池波正太郎の短編を片岡愛之助ら豪華キャスト主演オムニバスで12話。
女剣士の婿取り騒動を描いた作品にはアメリカで活躍する祐真キキが登場。

(いけなみしょうたろうじだいげき ひかりとかげ ) 出演者:片岡愛之助/雛形あきこ/岡本富士太/富山えり子 ほか  2017年

掲載2020年03月06日

池波正太郎時代劇 光と影
「池波正太郎時代劇 光と影 」
©BSジャパン/松竹

 池波正太郎の短編を基に「運の矢」の片岡愛之助、「二宮尊徳 秘話」の筧利夫、「武家の恥」高橋光臣ら豪華な顔ぶれを主役にしたオムニバス12話。その第五話「女剣 妙音記」には、アメリカの人気ドラマで活躍する祐真キキが登場する。

 古河藩の武芸指南役として多くの弟子を指導してきた父を亡くした佐々木留伊(祐真)は、幼いころより剣の道にまい進した女武芸者。普段から男の姿で修行を続けてきた。藩主・土井大炊頭利重(西尾塁)の恩情で婿をとって家名存続を許されたものの、「自分より強い相手でなければ結婚しない」と宣言していた留伊は、なかなか相手が見つからない。唯一、叔父に薦められて候補になった小杉九十郎(脇崎智史)とは利重の反対で立ち合いもかなわず、佐々木家に仕える甚七(有薗芳記)らはやきもきするばかりだ。だが、留伊が次々男たちを打ち負かしているというウワサを聞いて困惑した利重は、ついに九十郎との立ち合いを許可する。その結果は意外なことに...。

 男装の女剣士は、池波作品にはおなじみ。「剣客商売」の佐々木三冬と本作のヒロインは名字も共通している。祐真は153センチと小柄ながら、習得した殺陣の技で見事に男たちに立ち向かう。また、なかなか素直になれない留伊が、少しずつ変化していく。そんな留伊を見守る甚七の孫(谷花音)が可愛い。

掲載2020年02月28日

「藤田まことの丹下左膳4 彷徨う丑三つの花嫁 江戸城に渦巻く大陰謀!」
「姓は丹下、名は左膳!」名セリフも炸裂する人気長編の第四弾
藤田まこと×眞野あずさ「はぐれ」名コンビが女や子供を助けるために大奮闘

(ふじたまことのたんげさぜん4 さまよううしみっつのはなよめ えどじょうにうずまくだいいんぼう! ) 出演者:藤田まこと/眞野あずさ/橋爪功/田村亮 ほか  1994年

掲載2020年02月28日

藤田まことの丹下左膳4 彷徨う丑三つの花嫁 江戸城に渦巻く大陰謀!
「藤田まことの丹下左膳4 彷徨う丑三つの花嫁 江戸城に渦巻く大陰謀!」
©東映

 八代将軍・徳川吉宗の時代。矢場を営むお藤(眞野あずさ)を残して旅に出た隻眼隻手の剣豪浪人・丹下左膳(藤田まこと)は、賭場で無一文になる無頼暮らし。そんなころ江戸では、殺された花嫁が深夜彷徨うという「丑三つ時の花嫁」のウワサが広まっていた。町奉行・大岡越前(橋爪功)は、花嫁が客をとっていたとの話から、裏があると探索を始めるが、疑惑は江戸城の上層部にまでも及ぶ。一方、お藤が養うチョビ安危篤の一報を受けた左膳は帰り道で花嫁の幽霊駕籠に出くわす。柳生源三郎(田村亮)や謎めいた女(江波杏子)と知り合った左膳は、事件の核心に迫る。

 藤田×眞野といえば、藤田の代表作「はぐれ刑事純情派」の名コンビ。ぼんちおさむ、大場順らはぐれメンバーも出演。しかし、「はぐれ」ではしっとり清楚な女性を演じる眞野は、ここでは「神も仏もないもんかね、ちょっとあんた!」「あいよ!」と鉄火肌を見せ、クライマックスでは江波とともに悪人たちに立ち向かう大活躍。藤田は「姓は丹下、名は左膳!」待ってましたの名セリフとともに、「俺には嫌いなものがある。一つは弱いものいじめ、二つは女を泣かすやつ、三つは偉そうにふんぞり返ったやつ」と怒りをぶちまけ、悪徳商人らをぶった斬る。「山吹色の肴で飲む酒はまた格別」などと言う遠藤太津朗、長門裕之らゲストの腹黒演技も楽しみ。

ペリー荻野プロフィール
ペリー荻野

1962年愛知県生まれ。大学在学中よりラジオのパーソナリティ兼原稿書きを始める。 「週刊ポスト」「月刊サーカス」「中日新聞」「時事通信」などでテレビコラム、「ナンクロ」「時代劇マガジン」では時代劇コラムを連載中。さらに史上初の時代劇主題歌CD「ちょんまげ天国」シリーズ全三作(ソニーミュージックダイレクト)をプロデュース。時代劇ブームの仕掛け人となる。

映像のほか、舞台の時代劇も毎月チェック。時代劇を愛する女子で結成した「チョンマゲ愛好女子部」の活動を展開しつつ、劇評・書評もてがける。中身は"ペリーテイスト"を効かせた、笑える内容。ほかに、著書「チョンマゲ天国」(ベネッセ)、「コモチのキモチ」(ベネッセ)、「みんなのテレビ時代劇」(共著・アスペクト)。「ペリーが来りてほら貝を吹く」(朝日ソノラマ)。ちょんまげ八百八町」(玄光社MOOK)「ナゴヤ帝国の逆襲」(洋泉社)「チョンマゲ江戸むらさ記」(辰己出版)当チャンネルのインタビュアーとしても活躍中。