ペリーのちょんまげ ペリーのちょんまげ

掲載2020年01月24日

「江戸城大乱」
独裁の大老VS桂昌院。徳川家後継ぎ問題で壮絶な争いが勃発!
松方弘樹、三浦友和、十朱幸代とともにカギとなる徳川綱吉役で坂上忍が出演

(えどじょうたいらん ) 出演者:松方弘樹/十朱幸代/神田正輝/池上季実子/坂上忍/野村真美/丹波哲郎/三浦友和 ほか  1991年

掲載2020年01月24日

江戸城大乱
「江戸城大乱 」
©1991フジテレビジョン・東映

 延宝八年。幕府大老・酒井雅樂頭忠清(松方弘樹)は、江戸城で徳川光圀(丹波哲郎)、徳川光友(金子信雄)らとの話し合いに向かっていた。四代将軍・徳川家綱(金田賢一)が病弱で跡取りも定まっておらず、万が一のために早急に五代将軍候補を確定するためであった。独裁的な権力を持つ酒井は、家綱の弟・綱重(神田正輝)を推挙し、それで決まりかけたが、堀田備中守正俊(三浦友和)が出迎える最中、綱重は殺されてしまった。一方、三代将軍・家光の子、綱吉(坂上忍)を生んだ桂昌院(十朱幸代)は、我が子を将軍にと画策。堀田とともに酒井と対決する覚悟を決める。江戸城の内外で勢力争いが繰り広げられる中、ついに家綱が息を引き取った。その遺言では甲府の綱豊を後継ぎに指名したとされるが、桂昌院は疑いを持つ...。

 徳川家の内紛をダイナミックに解釈するのは、東映映画陣の得意技。史実で老中首座から大老となり、権力のトップに君臨したとされる酒井を松方弘樹が豪快に演じた。注目は、大物酒井に対抗するため、必死に戦うことになる堀田役の三浦友和。また、桂昌院の十朱幸代は映画「女帝 春日局」でも貫禄を見せており、ここでも戦う女の強さを見せつける。監督は「動天」の舛田利雄。音楽は池辺晋一郎。主題歌を崎谷健次郎がメロウに歌い上げているのも時代を感じさせる。

掲載2020年01月17日

「ゴルフ夜明け前」
坂本龍馬・陸奥陽之助と近藤勇・沖田総司がまさかのゴルフ対決! 
龍馬暗殺、鳥羽伏見の戦いなど史実も盛り込まれた桂三枝(現・文枝)原作の異色作

(ごるふよあけまえ ) 出演者:渡瀬恒彦/高橋惠子/太平シロー/桂文珍 1987年

掲載2020年01月17日

ゴルフ夜明け前
「ゴルフ夜明け前 」
©1987 東宝

 幕末。坂本龍馬(渡瀬恒彦)は、寺田屋で急襲を受け、おりょう(高橋惠子)となんとか危機を脱する。その後、長崎の商人・グラバーから武器を買い付けた龍馬はゴルフを教わり、面白さに魅了される。外交に使えると考えた龍馬は陸奥陽之助(佐藤B作)と新選組の近藤勇(桂三枝:現・文枝)、沖田総司(橋爪淳)とゴルフ対決。近藤はルールを説明されても「わからん」と苦い顔。龍馬から「ハンディを」と言われると、「それではこちらが弱いということになる」「誠の旗に傷がつく」などと言い出し、沖田を困らせるのだった。

 桂三枝(現・文枝)原作の人気創作落語を「ウルトラマン」の佐々木守が脚色。土方歳三に西川のりお、西郷隆盛に西川きよしと吉本の人気者が多数出演した。中でも「逃げの小五郎」こと桂小五郎は、あまりにズタボロ変装で島田紳助とはわからないほど。渡瀬の龍馬は、「ええ気分じゃのう」「サンクユー」と明るさと押しの強さが同居。おりょうにパンツをはかせようとしたり、西洋ではこれが一番と熱烈キスをしたり、スケベな顔と愛嬌を見せる。ゴルフ場では和やかだった面々だが、やがて対立。岩崎弥太郎が「あんたをペガサスにしてみせるぜよ」と応援した龍馬暗殺シーンはやはり悲しい。鳥羽伏見の開戦後、近藤と沖田が再びゴルフ場に立った時の会話も時代を象徴する。名言迷言満載の異色幕末映画。

掲載2020年01月10日

「幕末太陽傳 デジタル修復版」
品川の遊郭を舞台に「居残り佐平次」など落語要素をたっぷり盛り込んだ名作喜劇。
フランキー堺、石原裕次郎、南田洋子、左幸子らが泣き、笑い、幕末を走ります!

(ばくまつたいようでん でじたるしゅうふくばん ) 出演者:フランキー堺/左幸子/南田洋子/石原裕次郎 ほか  1957年

掲載2020年01月10日

幕末太陽傳 デジタル修復版
「幕末太陽傳 デジタル修復版 」
©1957/2011 日活株式会社

 幕末の品川宿。遊女屋「相模屋」で派手に遊んだ佐平次(フランキー堺)は実は文無しで、さっそく居残りで店の雑用を任されるが、遊女の使いや客あしらい、座興まで何をやらせてもうまく、ついには売れっ妓・こはる(南田洋子)の部屋に入り浸る高杉晋作(石原裕次郎)からもカタをとりつける手柄をあげる。あっという間に居残りの「いのさん」と番頭のように頼りにされる佐平次は、あちこちで祝儀をもらったうえ、女中のおひさ(芦川いづみ)に惚れた店の若旦那・徳三郎からその橋渡しを頼まれて、ちゃっかり礼金もいただくことに。そんな折、高杉たちが御殿山の英国公使館焼き討ちを計画していることを知る。

 監督は川島雄三。落語「居残り佐平次」「品川心中」「三枚起請」などの要素や実在の人物も入れ込みながら、幕末の人間模様をテンポよく描いた名作。こはるとライバルの遊女・おそめ(左幸子)に「本気の起請文を書いた」と惚れられる佐平次が、そんなものは山ほど持っていると懐から大量の起請文を出すところなどは笑えるが、実は佐平次には「女は禁物!」と逃げ出すワケがあるのだ。清楚なイメージの南田の色っぽさは新鮮。また、思い切りのいい高杉に「だんな、お侍にしとくにゃ惜しいね~」としみじみ言う佐平次。はにかんだように笑う高杉。フランキーと若き日活スター裕次郎の掛け合いも見もののひとつ。

掲載2020年01月03日

「のみとり侍<R-15>」
阿部寛が女性に奉仕する商売に転職した堅物侍をコミカルに演じた異色作
「後妻業の女」の鶴橋康夫監督の40年来の夢の映画に豊川悦司、大竹しのぶらも集結!

(のみとりざむらい) 出演者:阿部寛/寺島しのぶ/豊川悦司/斎藤工/風間杜夫/大竹しのぶ/前田敦子/松重豊 ほか  2018年

掲載2020年01月03日

のみとり侍<R-15>
「のみとり侍<R-15> 」
©2018「のみとり侍」製作委員会

 ある日、殿様(松重豊)の逆鱗に触れ、「猫の蚤とりとなって無様に暮らせ!」と怒鳴られて、御家を追い出されるハメになった勘定方の堅物侍・小林寛之進(阿部寛)は、市井の女性たちに寝床でご奉仕をする「蚤とり」商売を始めることになった。商売の元締め夫婦(風間杜夫と大竹しのぶ)は寛之進が売れっ子になると見込む。着たこともない派手な着物で日中に町を歩き、声をかけられるとその家に入っていくのだと言われても戸惑う寛之進は、おみね(寺島しのぶ)に呼ばれたものの「下手くそ」と怒られる。彼は、浮気封じのため女房(前田敦子)にふんどしの中にうどん粉をまぶしつけられる商家の主人・清兵衛(豊川悦司)に指南を受けるのだった。

 監督は「後妻業の女」の鶴橋康夫。小松重男の短編集「蚤とり侍」に惚れ込み、40年来、映画化を熱望。本作では脚本も自ら書き上げ、その情熱に共鳴した阿部、豊川、大竹はじめ、貧乏にあえぎながらも父の遺した刀を守ろうとする浪人役で出演した斎藤工、田沼意次の桂文枝、その囲われ女の寺島、監督自ら出演を依頼したという前田らが集結した。

 やがて規制緩和の田沼時代の反動ともいえる規制強化の時代へ。おおらかな蚤とり稼業にも圧力がかかる。そしてラストは意外な展開に。好色もの物語の中に人間の優しさや業、愛嬌、男の友情も盛り込まれた異色作。

掲載2019年12月27日

「るろうに剣心<4K版>('16年雪組 東京宝塚劇場)※2Kダウンコンバートにて放送」
明治の世を舞台に流浪人・剣心の生きざまと新たな出会い、戦いを描いた人気作品
早霧せいなはじめ、雪組のダイナミックな殺陣と華麗な歌に注目

(るろうにけんしん<4Kばん>('16ねんゆきぐみ とうきょうたからづかげきじょう)※2Kだうんこんばーとにてほうそう ) 出演者:早霧せいな/咲妃みゆ/望海風斗 ほか  2016年

掲載2019年12月27日

るろうに剣心<4K版>('16年雪組 東京宝塚劇場)※2Kダウンコンバートにて放送
「るろうに剣心<4K版>('16年雪組 東京宝塚劇場)※2Kダウンコンバートにて放送 」
©宝塚歌劇団 ©宝塚クリエイティブアーツ 原作 和月伸宏「るろうに剣心 ‐明治剣客浪漫譚-」(集英社「ジャンプ コミックス」刊)

 明治十一(1878)年、神谷薫(咲妃みゆ)が守る東京下町の神谷道場に頬に十文字の傷をつけた不思議な雰囲気の流浪人・剣心(早霧せいな)が現れる。鋭い遣い手でありながら、人を幸せにするためにしか剣を使わず、決して人を殺めないと誓い、「逆刃刀」を持つ剣心は、実は維新前、新選組などを相手に"人斬り抜刀斎"と恐れられた男だった。神谷道場で和やかに暮らす剣心の前に、次々と強烈な個性を持つ者たちがやってくる。背中に「悪」の文字を背負った相楽左之助(鳳翔大)、医者一族の末裔の妖艶な娘・高荷恵(大湖せしる)、因縁のライバルで元新選組の斎藤一(彩風咲奈)、さらには「死の武器商人」武田観柳(彩凪翔)...過去の痛みに悩みながら、必死に戦う剣心。その姿に薫は魅かれるようになる。やがて浮かび上がる「阿片」の疑惑...。剣心の「不殺」の誓いは守れるのか。

 アニメ、映画、いずれもヒットしているが、小池修一郎によるこの初ミュージカルでは、新選組の伝説の剣士・加納惣三郎(望海風斗)も加わり、壮絶な戦いを繰り広げる。驚くのは早霧はじめ、"日本物の雪組"の面々によるスピーディーな殺陣。特に巨大な武器を振り回す佐之助は、シリーズの人気者らしく愛嬌たっぷりだが、その動きのハードさは相当なものだ。宝塚の華麗な歌と踊りのミュージカルの中に「お前は本当に明治の世に満足しているのか」という問いかけもあり、心情描写も見所となっている。

ペリー荻野プロフィール
ペリー荻野

1962年愛知県生まれ。大学在学中よりラジオのパーソナリティ兼原稿書きを始める。 「週刊ポスト」「月刊サーカス」「中日新聞」「時事通信」などでテレビコラム、「ナンクロ」「時代劇マガジン」では時代劇コラムを連載中。さらに史上初の時代劇主題歌CD「ちょんまげ天国」シリーズ全三作(ソニーミュージックダイレクト)をプロデュース。時代劇ブームの仕掛け人となる。

映像のほか、舞台の時代劇も毎月チェック。時代劇を愛する女子で結成した「チョンマゲ愛好女子部」の活動を展開しつつ、劇評・書評もてがける。中身は"ペリーテイスト"を効かせた、笑える内容。ほかに、著書「チョンマゲ天国」(ベネッセ)、「コモチのキモチ」(ベネッセ)、「みんなのテレビ時代劇」(共著・アスペクト)。「ペリーが来りてほら貝を吹く」(朝日ソノラマ)。ちょんまげ八百八町」(玄光社MOOK)「ナゴヤ帝国の逆襲」(洋泉社)「チョンマゲ江戸むらさ記」(辰己出版)当チャンネルのインタビュアーとしても活躍中。