ペリーのちょんまげ ペリーのちょんまげ

掲載2006年04月29日

「剣客商売スペシャル 助太刀」かつての剣友と悲しい再会!山田純大が意外な一面を見せる。

(けんかくしょうばいすぺしゃる すけだち) 2004年

掲載2006年04月29日

大病を患って道場を閉めた秋山小兵衛(藤田まこと)の剣友・酒井善蔵(蟹江敬三)。しかし、看病で嫁入りもままならなかった娘(中原果南)のところに颯爽とした婿養子(山田純大)を迎えて、やっと幸せな日々を送っていた。
 一方、小兵衛の息子・大治郎(山口馬木也)は、洒落た絵を描いた扇子を売る浪人・林牛之助(益岡徹)と知り合う。身寄りをなくした少年の敵討ちを助ける牛之助の人柄に惹かれる大治郎だったが、仇は意外なところに…。
 老いた友の幸せを願いながらも、偽りの幸せのはかなさを壊すしかない小兵衛。生き延びるために、人をだまして暮らす男。ひとりでたくましく生き抜こうとする女。今回の話には、池波正太郎の「生きる」ことについての考え方が現れている。
 かつて「水戸黄門」で泣き虫格さんを演じた山田純大が意外な一面を見せるのも見所。また、過去を持つ浪人・益岡徹も、もうひとりの「ふたつの顔を持つ男」として熱演。死に際する演技は泣かせる。女優陣では、昼ドラマ「はるちゃん」でおきゃんな娘役として人気になった中原果南、しっとりした人妻役が多い奥貫薫、ふたりが対照的な女の運命を演じるのも注目したい。
 川のほとりでしみじみと語り合う小兵衛と善蔵。そしてラストに対峙するふたり。老いの悲しみを蟹江敬三の存在感はさすが。

掲載2006年02月09日

「春日局」 戦なんか大嫌い!! 橋田ファミリー大集合。初々しい江口洋介、香川照之も登場。

(かすがのつぼね) 1989年

掲載2006年02月09日

「春日局」といえば、三代将軍家光の乳母にして、「大奥」を作った女傑とも言われるが、この大河ドラマでは、誠実で可愛らしい面を持つ女性として描かれる。
 物語は明智光秀の急襲で本能寺で非業の最期をとげた信長の後を受け継ぎ、ついに天下人となった豊臣秀吉。しかし、その天下はやがて「鳴くまで待とう」の徳川家康のものになろうとしていた。
 父が光秀の家臣だったため、謀反人の子として身を寄せた家ではことごとく邪魔者扱いでいじめられたおふく(後の春日局・大原麗子)は、家光の乳母となり、彼をわが子のように慈しみ育てる。やがて三代将軍の座をめぐって、いろいろな動きが起こるが…。
 注目のキャストは、秀吉に藤岡琢也、家光の母・お江与に長山藍子、家光の正室鷹司孝子に中田嘉子、千姫に野村真美、お勝の方に東てる美など「渡る世間は鬼ばかり」でもおなじみの橋田ファミリーが大集合! 家光に江口洋介、ハイテンションの困った殿・小早川秀秋に香川照之など、初々しい顔ぶれも揃う。さらに織田信長にサムライ藤岡弘、明智光秀に五木ひろし、徳川家康に丹波哲郎。丸顔イメージの家康に丹波哲郎はちょっと違う?と思ったが、よく考えれば、家康は「徳川家のボス」。ボスにはぴったりの配役なのであった。

掲載2006年02月02日

「元禄繚乱」いよいよ討ち入り間近!四十七士とその周囲に緊迫高まる。

(げんろくりょうらん) 1999年

掲載2006年02月02日

無事、江戸入りを果たした大石内蔵助(中村勘九郎、現・勘三郎)以下、赤穂浪士四十七人の苦労の日々もいよいよ大詰め。目指す吉良邸の情報収集、警戒する吉良側の動き、別れの予感にじっと耐える周囲の人々。すべてに緊迫が高まる。
 数え切れないほど映像化された「忠臣蔵」だが、今回の特徴は、この討ち入りには裏があり、将軍側用人・柳沢吉保(村上弘明)の陰謀があるという設定。また、吉保のそばにいる女性・染子(鈴木保奈美)には恋人(吉田栄作・架空の人物)がいて、彼もまた、討ち入りに深く関わっていくのである。
 私は放送当時、鈴木保奈美のインタビューを担当した。当時、この番組を最後に女優業引退と言われていた彼女。「最後の作品という気負いはない」ときっぱりしていたのが印象的だった。その気持ちは画面にもよく表れていて、身ごもった子どもの父親を誰と言うか、どう立ち回れば恋人と自分の立場を生かすことができるか、鋭い女の計算を働かせ、したたかな女を演じきった感がある。
 ちなみにこの番組が初の時代劇出演となった吉田栄作は、「アメリカで修行して、日本の良さを改めて知った」と時代劇出演を自ら望んだという。ふたりの存在が討ち入りにどう響くかも見もの。

ペリー荻野プロフィール
ペリー荻野

1962年愛知県生まれ。大学在学中よりラジオのパーソナリティ兼原稿書きを始める。 「週刊ポスト」「月刊サーカス」「中日新聞」「時事通信」などでテレビコラム、「ナンクロ」「時代劇マガジン」では時代劇コラムを連載中。さらに史上初の時代劇主題歌CD「ちょんまげ天国」シリーズ全三作(ソニーミュージックダイレクト)をプロデュース。時代劇ブームの仕掛け人となる。

映像のほか、舞台の時代劇も毎月チェック。時代劇を愛する女子で結成した「チョンマゲ愛好女子部」の活動を展開しつつ、劇評・書評もてがける。中身は"ペリーテイスト"を効かせた、笑える内容。ほかに、著書「チョンマゲ天国」(ベネッセ)、「コモチのキモチ」(ベネッセ)、「みんなのテレビ時代劇」(共著・アスペクト)。「ペリーが来りてほら貝を吹く」(朝日ソノラマ)。ちょんまげ八百八町」(玄光社MOOK)「ナゴヤ帝国の逆襲」(洋泉社)「チョンマゲ江戸むらさ記」(辰己出版)当チャンネルのインタビュアーとしても活躍中。