ペリーのちょんまげ ペリーのちょんまげ

掲載2004年08月16日

「怪談」小泉八雲没後100年−アカデミー賞ノミネートの凝った映像で、怖いひとときを。

(かいだん) 1965年

掲載2004年08月16日

小泉八雲といえば、日本に魅せられ、イギリスから帰化。独自の幽玄世界を描いた明治の文豪だ。今年は八雲没後100年で、その不思議な魅力にまたまた注目が集まっている。その八雲ワールドをもっとも効果的に描いたといわれるのが、本作。名手・小林正樹監督は、オムニバス形式で映像化。アカデミー賞外国語映画賞にノミネート&カンヌ映画祭では審査員特別賞を受賞した。
 物語の第一話「黒髪」は、わがまま男(三国連太郎)が捨てた妻のもとに帰ってみると、意外にも妻(新珠三千代)は若々しく元気な様子。でも、それは…。第二話は有名な雪女。雪女(岸恵子)と出会ってしまった男(仲代達矢)は、口外しない約束で命を救われる。とにかく、怖がらせる側の女、うらめしそうな新珠&岸が美しい!真っ白い顔の雪女は、普通きれいというより不気味なのだが、岸雪女は、怖いのにきれいなのである。もうひとつのポイントは怖がる男。三国、仲代ともに表情が濃いめで、怖がってる顔も怖いという二重の恐怖シーンになっている。
 他には、平家の亡霊に取りつかれた琵琶法師・芳一(中村賀葎雄)の「耳無し芳一の話」、茶碗の中の不気味な顔を飲み干して恐ろしい目にあう武士(中村翫右衛門)の「茶碗の中」が登場。名優たちが体当たりで怖がらせる。猛暑の今年にぴったりの作品。

掲載2004年07月30日

「瓦版」8月のスペシャルは、ミスター「暴れん坊将軍」松平健サマ。話題はもちろんサンバ!?

(かわらばん) 2004年

掲載2004年07月30日

週がわりで様々な時代劇情報をお届けしている「瓦版」。8月は、この夏、もっともハジけているこのお方、松平健サマの登場!
 7月に発売された「マツケンサンバ�U」が、堂々ヒットチャートの上位に食い込み、話題沸騰中の健サマ。もともとこの曲は、大劇場の松平健公演のフィナーレで歌われていたオリジナル曲だった。
 チョンマゲとサンバの遭遇というだけでも画期的だが、さらにそこに登場する健サマが、全身光輝く着物姿で、小粋なステップを踏むのである。今回発売されたCDには、その模様が収録されたDVDも付いていて、長年のファンから、サンバ初心者にも大いに喜ばれている。
 マツケンサンバに出会って十年以上のペリーは、先日、渋谷にて開催された健サマのイベントにトークゲストとして呼んでいただいた。CDジャケットにもなった「全身金色のスパンコール」の着物にほつれ髪にもラメをあしらった健サマは、サンバにまつわる秘話をいろいろと公開。中でも、「まだ未公開のキラキラ着物がある」「サンバ�Vは、ハワイアンかも!?」なんて話は聞き捨てならない。心からお客さんに楽しんでもらいたいというまじめな座長の心が、サンバを生み出したのだ…。「瓦版」のインタビューにも、その人柄はしっかり出ている。ぜひ、チェックを!

掲載2004年04月09日

「剣客商売祭り」'03年オンエアの第4シリーズが早くも登場!山口の大治郎、寺島の三冬も加わる充実編。

(けんきゃくしょうばいまつり) 

掲載2004年04月09日

藤田まことの名シリーズとして定着した「剣客商売」。老剣客・秋山小兵衛(藤田)を中心に、40歳下のおはるとの静かな暮らし、事件探索、息子との親子の情愛など、たっぷり見せる。今回放送の第4シリーズでは、息子秋山大治郎役に山口馬木也、老中田沼意次(平幹二朗)の妾腹の娘で女剣客・佐々木三冬に寺島しのぶの立ち回りが見られるというのも、この番組ならでは。第4シリーズの第一話は、「陽炎の男」。ゆらゆらと幻想的な陽炎の中からシルエットが浮かぶその男こそ、秋山大治郎その人!私は山口馬木也ご本人にこの初登場のシーンの話を聞いたが、監督も新大治郎歓迎のため、この場面のためだけにロケを敢行。凝り凝った撮影の結果、「背景は陽炎だけで外なのか、どこかさえわからないことに…」とロケした意味さえ吹き飛ばす印象的なシーンとなった。ちなみに山口大治郎は、初撮影では緊張して、セリフが出てこなかったとか。今ではすっかり打ち解け、藤田小兵衛には本当の息子のように信頼されている。シリーズでは、他にも老練な宍戸錠がいい味を出す「約束金二十両」、古谷一行のしみじみ感いっぱいの「逃げる人」、隆大介の迫力が光る「剣の師弟」などみどころ多い作品が続く。

ペリー荻野プロフィール
ペリー荻野

1962年愛知県生まれ。大学在学中よりラジオのパーソナリティ兼原稿書きを始める。 「週刊ポスト」「月刊サーカス」「中日新聞」「時事通信」などでテレビコラム、「ナンクロ」「時代劇マガジン」では時代劇コラムを連載中。さらに史上初の時代劇主題歌CD「ちょんまげ天国」シリーズ全三作(ソニーミュージックダイレクト)をプロデュース。時代劇ブームの仕掛け人となる。

映像のほか、舞台の時代劇も毎月チェック。時代劇を愛する女子で結成した「チョンマゲ愛好女子部」の活動を展開しつつ、劇評・書評もてがける。中身は"ペリーテイスト"を効かせた、笑える内容。ほかに、著書「チョンマゲ天国」(ベネッセ)、「コモチのキモチ」(ベネッセ)、「みんなのテレビ時代劇」(共著・アスペクト)。「ペリーが来りてほら貝を吹く」(朝日ソノラマ)。ちょんまげ八百八町」(玄光社MOOK)「ナゴヤ帝国の逆襲」(洋泉社)「チョンマゲ江戸むらさ記」(辰己出版)当チャンネルのインタビュアーとしても活躍中。