ペリーのちょんまげ ペリーのちょんまげ

掲載2003年02月07日

「くの一忍法帖 柳生外伝江戸花地獄篇」Vシネマ界では超有名の小沢仁志が監督&主演。漫画家・寺沢武一ファンも要チェック!

(くのいちにんぽうちょう やぎゅうがいでんえどばなじごくへん) 1988年

掲載2003年02月07日

 領内の美女狩りが趣味というマッドな殿様、会津四十万石藩主・加藤明成。彼を助けるのが、妖しい忍術を使う暗殺集団“会津七本槍”であった。なんとか悪徳藩主を思い止まらせようとした善人家老・堀主水一族は、彼らによって惨殺され、七人の女たちだけが生き残る。彼女たちは、体に流れる「忍びの血」により、くの一として、凶悪集団との戦いに挑む・・・というのが、本作「江戸花地獄篇」のあらすじ。後篇にあたる「会津雪地獄篇」(16日放送)では、柳生十兵衛の助けを借りて、七本槍の三人を倒したくの一たちが、残る面々とマッド・加藤を追って、会津に潜入。死闘を繰り広げる。
 時代劇でくの一モノといえば、自動的にセクシー系と判断してよいほど、その筋の定番ではあるが、ここに登場するくの一たちは文句なしの美女揃い。大きな瞳が印象的な森山祐子、大胆なアクションも厭わぬ白島靖代・・・彼女たちにからむのが田口トモロヲ、麿赤児、片桐竜次と怪優軍団というのも見逃せない。
 また、主演と監督がVシネマ界でブイブイ言わせる小沢仁志で、さらに「コブラ」で人気の漫画家・寺沢武一がスーパーバイザーで参加。出演者の味は濃いわ、SFXはすごいわ、お色気ムンムンだわで、あっという間の80分!山田風太郎は偉大だ。

掲載2002年12月27日

「くノ一忍法帖Ⅲ秘戯伝説の怪」2002年最後の日曜日。大掃除が終わったら、セクシーくノ一シネマでお寛ぎを。

(くのいちにんぽうちょうすりーひぎでんせつのかい) 1993年

掲載2002年12月27日

 将軍・徳川家定の世継ぎを待望する人々にとって、どうしても欲しい「巻物」が、性の奥義を記すという「医心方房内篇」であった。しかし、それを阻止しようと朝延が動き、幕府と熾烈な争奪戦に。その最前線に赴いたのが、甲賀のくノ一と、伊賀の忍者たちなのだ。その争いに巻き込まれた純愛カップルの運命とからめつつ、戦いは佳境に入る。
  お察しの通り「秘戯」とはお色気なのだが、幕府と朝延が本気で争うその巻物にはいったい何が書いてあるのか。凡人には想像もできないが、そのために命をかける運命の忍者って、つくづく大変だ。
  主演は清純派にして演技派の若林志穂。共演は、小松美幸、長谷まりのらきれいどころに、ベテラン悪役の遠藤太津朗、伊藤敏八と楽しみな面々が揃う。
  とにかく一度見たら、また次が見たくなると好評なのが、「くノ一忍法帖シリーズ」。原作者・山田風太郎の斬新なアイデアにはつくづく感動してしまう。同日放送される「くノ一忍法帖Ⅳ忠臣蔵秘抄」(主演・上野正希子)では、なんとあの「忠臣蔵」の討ち入り阻止のために、くノ一が色仕掛けを駆使するという。赤穂浪士たちは、くノ一のお色気に打ち勝てるのか?ますます興味津々の「くノ一忍法帖シリーズ」。年内最後の日曜日、じっくり堪能したい。

掲載2002年11月08日

「帰って来た木枯し紋次郎」あの紋次郎が堅気に!?作者・笹沢左保×監督・市川崑×主演・中村敦夫が帰ってきた!!

(かえってきたこがらしもんじろう) 1972年

掲載2002年11月08日

 破れた三度笠に汚れた縞合羽。口にくわえた長い楊枝。無宿渡世の孤独な男、木枯し紋次郎は、五年前、壮絶な死闘の末に、木曽川に転落し、死んだと思われていた。しかし、実際は木こりの頭に救われ、自らも木こりとして山深い村に木こりとして生きていたのであった。すっかり堅気になっていたはずの紋次郎だが、恩のある木こりの頭に、渡世人になって悪事に加担している息子を連れ戻してほしいと頼まれ、再び旅立つことになる...。
 意外にも木こりとしてカントリーライフを送っていたとは。紋次郎ファンには驚きの展開だが、やはり、静かな生活は長くは続かない。実は笹沢左保の原作にも「帰ってきた木枯し紋次郎」シリーズがあり、そこでは、他人の内訳話に紋次郎の方から質問するなど、以前の紋次郎より少し他人との距離が近くなったような気がして興味深い。このテレビ作品は、原作者がオリジナル・シノプシスを執筆し、監督はテレビ版紋次郎の産みの親・市川崑と本家本元による。72年に初めて紋次郎がテレビに登場してから、実に22年を経た紋次郎だ。原作ではしばしば年老いた渡世人の哀しい末路を描いた本シリーズだが、さすがに中村敦夫には独特の貫禄がついている。共演に坂口良子、岸部一徳、鈴木京香、金山一彦、石橋連司など。あの主題歌とともに楽しめる。

ペリー荻野プロフィール
ペリー荻野

1962年愛知県生まれ。大学在学中よりラジオのパーソナリティ兼原稿書きを始める。 「週刊ポスト」「月刊サーカス」「中日新聞」「時事通信」などでテレビコラム、「ナンクロ」「時代劇マガジン」では時代劇コラムを連載中。さらに史上初の時代劇主題歌CD「ちょんまげ天国」シリーズ全三作(ソニーミュージックダイレクト)をプロデュース。時代劇ブームの仕掛け人となる。

映像のほか、舞台の時代劇も毎月チェック。時代劇を愛する女子で結成した「チョンマゲ愛好女子部」の活動を展開しつつ、劇評・書評もてがける。中身は"ペリーテイスト"を効かせた、笑える内容。ほかに、著書「チョンマゲ天国」(ベネッセ)、「コモチのキモチ」(ベネッセ)、「みんなのテレビ時代劇」(共著・アスペクト)。「ペリーが来りてほら貝を吹く」(朝日ソノラマ)。ちょんまげ八百八町」(玄光社MOOK)「ナゴヤ帝国の逆襲」(洋泉社)「チョンマゲ江戸むらさ記」(辰己出版)当チャンネルのインタビュアーとしても活躍中。