ペリーのちょんまげ ペリーのちょんまげ

掲載2004年08月06日

「燃えて、散る 炎の剣士 沖田総司」人気アイドル田原俊彦の悲劇の天才剣士!柴田恭兵のやんちゃな土方歳三にも注目を。

(もえて、ちる ほのおのけんし おきたそうし) 1984年

掲載2004年08月06日

天然理心流の試衛館道場で、20歳で免許皆伝となった沖田総司(田原俊彦)は、若き天才とウワサされる剣士。早く両親をなくした総司は、道場主の近藤周斎(三船敏郎)、養子の勇(若林豪)、土方歳三(柴田恭兵)を、父とも兄とも慕っていた。が、食客ばかり増える田舎の道場は超ビンボー。資金稼ぎのために、勇・土方・総司は、懸賞金の掛かった強盗退治に乗り出す。そこで、初めて人を斬った総司は、剣客としてのカベにぶつかる。その心の支えとなったのが、謎の女(石原真理子)。遊女となってなげやりに生きる女を助けようと、総司は奔走するが…。
 本作は、新選組以前の若い沖田にスポットが当たっている。いわば、総司青春ストーリー。当時人気絶頂の俊ちゃんのサムライっぷりも初々しい。ただし、殺陣のシーンは、俊ちゃんの明るさは一切なしの本格派。不治の病で血を吐きながら壮絶な最期を迎えるシーンは、当時のファンを泣かせ、話題になったものである。相手役が石原真理子というのも、さすが84年作という感じだ。三船敏郎の貫禄はもとより、義兄の鶴田忍、清河八郎の菅貫太郎、山岡鉄太郎の梅宮辰夫も渋いところを見せる。それにしても、柴田恭兵の土方は、女好きのイタズラ男。こんなに口数が多い土方も珍しい。柴田恭兵の新しい一面(?)を見た思いにもなる。

掲載2004年05月20日

「魔界転生」ご存じ魔界の強者たちが総登場。柳生十兵衛の渡辺裕之、田口トモロヲら出演の異色編!

(まかいてんしょう) 1996年

掲載2004年05月20日

 近年、窪塚洋介主演版も公開され、注目された「魔界転生」。山田風太郎の伝奇小説を最新のSFXを駆使して、96年製作されたのが、本作。マニアにはおなじみの渡辺裕之主演版だ。
 魔界からの使者・由比正雪の手によって蘇った、七人の死者たち。無念の思いで死んだ彼らが企むのは、善と悪との最終戦争ハルマゲドンに勝利すること。そんな戦いを起こされたら、現世は壊滅。人類代表として彼らと死闘を繰り広げるのは、我らが柳生十兵衛(渡辺)!!
 この作品はなんたって、配役がすごい。いつものようにくっきりと日焼けた暴れん坊・渡辺十兵衛。十兵衛とは正反対に蒼白を通り越して顔が半透明にも見える由比正雪に田口トモロヲ、苦悩しているわりにはそう見えない宮本武蔵に仮面ライダーV3の宮内洋、大奥のお局様でありながら、お色気パワー炸裂の春日局に清水ひとみ、十兵衛の父・但島守にベテラン和崎俊哉など、これが化けて出たら怖いだろうという面々が総出演。得意のアクションで大暴れする十兵衛や、脱いで戦う春日局などを見ていると、肝心のハルマゲドンより、彼らのキャラクターそのものに面白さを感じてしまう。28日、31日にはこの続編「魔界転生 魔道変」も放送。曲者たちの怪演をたっぷりどうぞ。

掲載2003年11月21日

「燃えて、散る 炎の剣士沖田総司」人気絶頂アイドル田原俊彦の沖田総司!三船敏郎、若林豪など豪華キャストが揃う。

(もえて、ちる ほのおのけんし おきたそうし) 1984年

掲載2003年11月21日

 沖田総司といえば、美剣士の代表選手。
「新選組」が映像化されるたびに、当時、若手で光る俳優が演じてきた役である。でもって、84年当時、一番飛ばしていた若手といえば?トシちゃん!田原俊彦であった。田原俊彦といえば「ナハハハハハ」ち大口笑いで、モノマネまでされるほどの明るい(明るすぎる?)キャラクター。その存在感の沖田がぴったりと重なったという次第。
 江戸の郊外で、優れた剣客が集まると評判の天然理心流・試衛館道場。その道場主・近藤秀斎(三船敏郎)と、養子・勇(若林豪)を中心に、激しい稽古が続いていた。中でも二十歳の若さで免許皆伝とされた、沖田総司は、天才肌の剣士である。
 が、道場の経営はなかなか大変で、勇と土方歳三(柴田恭兵)は沖田とともに懸賞金のかかった強盗退治に出掛ける・・・。
 やっぱり道場主・三船敏郎は剣は一流でも経営の方はいまいちだった?など、深読みできる展開が面白い。柴田恭兵の土方というのもユニークだが、沖田とからむ女優が、これも当時人気の石原真理子というのも、時代ですな・・・。アイドル街道を駆け抜ける田原と、剣の道を駆け抜けた沖田の姿が、重なって見えるのは、私だけじゃないと思う。

ペリー荻野プロフィール
ペリー荻野

1962年愛知県生まれ。大学在学中よりラジオのパーソナリティ兼原稿書きを始める。 「週刊ポスト」「月刊サーカス」「中日新聞」「時事通信」などでテレビコラム、「ナンクロ」「時代劇マガジン」では時代劇コラムを連載中。さらに史上初の時代劇主題歌CD「ちょんまげ天国」シリーズ全三作(ソニーミュージックダイレクト)をプロデュース。時代劇ブームの仕掛け人となる。

映像のほか、舞台の時代劇も毎月チェック。時代劇を愛する女子で結成した「チョンマゲ愛好女子部」の活動を展開しつつ、劇評・書評もてがける。中身は"ペリーテイスト"を効かせた、笑える内容。ほかに、著書「チョンマゲ天国」(ベネッセ)、「コモチのキモチ」(ベネッセ)、「みんなのテレビ時代劇」(共著・アスペクト)。「ペリーが来りてほら貝を吹く」(朝日ソノラマ)。ちょんまげ八百八町」(玄光社MOOK)「ナゴヤ帝国の逆襲」(洋泉社)「チョンマゲ江戸むらさ記」(辰己出版)当チャンネルのインタビュアーとしても活躍中。