ペリーのちょんまげ ペリーのちょんまげ

掲載2003年10月24日

「昔三九郎」役者のようにいい男・三九郎。「必殺仕掛人」以前の林与一の主演作。色っぽさが特徴。

(むかしさんくろう) 1968年

掲載2003年10月24日

 柄物の着流しに独特のマゲ姿。ただでさえ目立つのに、それがまた水もしたたるいい男だから、目立って仕方ない。それが、昔三九郎だった。ある事情があって江戸にやってきた三九郎。長屋暮らしで人探しをしなければならないのだが、さすがに女たちが放っておかず、さっそく矢場「一の矢」のいい女のもとに入り浸り。彼の周囲には、スリの半次(牟田梯三)やあやしい女(弓恵子)らが集まってくる。事件が次々舞い込み、三九郎は否応なく剣を抜くが、その腕もまた、凄まじいのであった・・・。
 主演はこの後、「必殺仕掛人」の凄腕浪人で注目を集める林与一。テレビ時代劇では「赤穂浪士」や「鼠小僧次郎吉」など、重厚作品から軽妙なものまでこなし、最近では「コメディお江戸でござる」や喜劇の舞台でもおおいに笑わせてくれる。三九郎当時は、往年の映画スターのごとく、美肌を強調。
(モノクロ作品ながら、白い肌はばっちりわかる)華麗な剣さばきを見せた。NHKの朝ドラマ「オードリー」では、その剣さばきが復活。懐かしかったファンも多いはず。
 ペリーは以前、ご本人インタビューをしたが、とても人当たりのやさしい粋な方であった。ただし、「必殺」が大ヒットしていた当時は、あまりに撮影スケジュールが過酷で、オンエアはほとんど見られなかったという。

掲載2003年08月28日

「また又三匹が斬る!」ご存じ、三匹がお騒がせ!未だに新作を望む声が高い人気シリーズ。意外な正体も?

(またまたさんびきがきる!) 

掲載2003年08月28日

 浪人なのにおおらかでどこか品のいい「殿様」こと矢坂平四郎(高橋英樹)と、女嫌いだが志は高い「千石」こと久慈慎之介(役所広司)、珍商売を考えては善悪いろんな人と仲良くなってしまうお調子者の「タコ」こと燕陣内(春風亭小朝)。不思議な縁で道連れになった三匹が、旅の途中で悪人退治。その彼らにヒラヒラと寄り添うように同行するのが、お蝶(長山洋子)だ。
 小林亜星のズンチャカズンチャカ、いかにも気ままな旅にぴったりのテーマ曲もいい感じ。スカッとさせる展開で、長く人気のあったシリーズ。パパパッと豪快な立ち回りで事件解決後の彼らのアドリブも要チェック。
 さらに、彼らの意外な正体が明かされてびっくりするのもこのシリーズのお楽しみ。それも、今までの展開とは何の関係もなく唐突に出てくる。たとえば、第一シリーズのラスト。なんとタコは甲賀忍者の末裔で、京都町奉行。久慈慎之介も実は公儀隠密!?・・・そんな活動をしていたとはとても思えぬふたりだが、それを許してこそ、この番組のファンというもの。ちなみにお蝶もこの三人との旅日記が元でしっかり作家生活に。一番しっかりしてたのはこの娘なのだ。
 2日からスタートの「新三匹が斬る!」では、13話の山田隆夫、20話のケーシー高峰など、意外な人の泣かせる演技にもご注目!

掲載2003年06月20日

「松平健まつり」伝説の「暴れん坊将軍」第一シリーズ復活!21日の「マツケンサンバⅡ」にもクラクラ!!

(まつだいらけんまつり) 

掲載2003年06月20日

 梅雨のうっとうしい季節をスカッとふっとばす人はこの人しかいない、松平健!
 21日は、単発のスペシャル番組「鞍馬天狗」「清水次郎長物語」「運命峠」「風流太平記 <密命>」など、「暴れん坊将軍」とはひと味違う魅力を見せつける。
 例えば「鞍馬天狗」は、健さんは道を歩きつつ、枠なのどを聞かせるなど、どこか風流な天狗様。かと思えば、徳川家の血筋ながら双子だった男の数奇な運命をたどる「運命峠」も、悲壮感より、気品が勝つという存在感はさすが。また、幻のデビュー作品「座頭市物語」の一編「心中あいや節」も見逃せない。これは健さんを見込んだ勝新太郎が自ら監督。健さんの悲恋相手が浅丘ルリ子、父に加藤嘉、刺客役に石橋漣司という豪華版だ。
 さらに最近、各界で大反響(先日もTBS系の「チューボーですよ!」にゲスト出演し、司会の堺正章に華麗なステップを披露)の名曲「マツケンサンバⅡ」も、ついに登場。健さんが光る着物でオーレ、オーレ!あまりのまぶしさにクラクラすること間違いなし。
 25日には、多くのファンに惜しまれつつ、25年間830話をもって大団円を迎えた「暴れん坊将軍」の第一シリーズがスタート。シリーズ最初の「お庭番」は誰だったのか?中尾彬の心憎い役柄とは?
 みんな、松平健祭りで、オーレ!!

ペリー荻野プロフィール
ペリー荻野

1962年愛知県生まれ。大学在学中よりラジオのパーソナリティ兼原稿書きを始める。 「週刊ポスト」「月刊サーカス」「中日新聞」「時事通信」などでテレビコラム、「ナンクロ」「時代劇マガジン」では時代劇コラムを連載中。さらに史上初の時代劇主題歌CD「ちょんまげ天国」シリーズ全三作(ソニーミュージックダイレクト)をプロデュース。時代劇ブームの仕掛け人となる。

映像のほか、舞台の時代劇も毎月チェック。時代劇を愛する女子で結成した「チョンマゲ愛好女子部」の活動を展開しつつ、劇評・書評もてがける。中身は"ペリーテイスト"を効かせた、笑える内容。ほかに、著書「チョンマゲ天国」(ベネッセ)、「コモチのキモチ」(ベネッセ)、「みんなのテレビ時代劇」(共著・アスペクト)。「ペリーが来りてほら貝を吹く」(朝日ソノラマ)。ちょんまげ八百八町」(玄光社MOOK)「ナゴヤ帝国の逆襲」(洋泉社)「チョンマゲ江戸むらさ記」(辰己出版)当チャンネルのインタビュアーとしても活躍中。