ペリーのちょんまげ ペリーのちょんまげ

掲載2003年06月06日

「卍舞Ⅲ」ご存じ、セクシー時代劇人気作第三弾。充実のキャスト&スタッフがたっぷり魅せます!

(まんじまい) 1996

掲載2003年06月06日

大店の娘だったお蝶は、幸せの絶頂だったはずなのに、野心家の恋人・玄之進の裏切りで不幸のどん底へ突き落とされる。ギリギリ命だけはとりとめたが、あるのは深い絶望。
 が、とことん落ち込んだ後の女子は強い。どんなことがあっても、と復讐を誓うのである。このお蝶の作戦は、旅籠・玉屋で遊女として働きながら、自分を陥れた事件の真実を探り、自らの手で決着をつけるというものだった…。
 「元祖卍舞」喜多嶋舞が湯女、二代目卍舞の武田久美子が湯女&女賞金稼ぎ、そして、三代目は遊女と、江戸の女の裏街道第三弾ともなったこのシリーズ。今回の主役は、かの翠玲。ほかにも美女の誉れ高い大竹一重、その名を聞いただけでドキドキする人もいると思う白石ひとみ、松田ちゆり、麻宮淳子、そこにドドーンという貫禄で登場するのが、西川峰子姐だ! 峰子の名を聞いただけで、その映画のパンチ力が計れようというものだ。体当たり演技の大先輩・峰子に負けじと、若手女優も大奮闘。それを受ける男優陣は、伊藤洋三郎、渡辺哲、トミーズ健、小西博之、そこに秋野太作がからむのも重要だ。また、スタッフは「RAMPO」「必殺!」などで凝りに凝った映像を作り上げた面々。
 単にセクシーではおさまらないアクション時代劇。日曜日のお楽しみに。

掲載2003年04月25日

「源義経 第一部・第二部」野村宏伸の義経に里見浩太朗の弁慶!堀内孝雄の主題歌も鳴り響く新解釈の大型作品。

(みなもとのよしつね だいいちぶ・だいにぶ) 1991

掲載2003年04月25日

 世の中では「若い」「才能がある」「薄幸」「短命」と条件がつくと史実はどうであれ、美男子と決定する(例・沖田総司、大石主悦)が、この義経もまさにそのひとり。特に義経の場合は、多彩な伝説が残るのも特徴だ。鞍馬山で天狗相手に修行したとか、弁慶と出会う五条大橋ではヒラリヒラリと宙を舞ったとか、なんと奥州で亡くなったのではなく、大陸に逃れて、かのジンギスカンになった、なんて話まである。
 さて、その有名な物語を、新解釈で描いたのが本作だ。
 1147年。暴れ者の武蔵坊弁慶(里見浩太朗)が出会った源氏の御曹司・鞍馬山の遮那王はやがて、九郎義経(野村宏伸)と名乗り、平家討伐のために才能を発揮する。しかし、あまりの強さに兄・頼朝(榎木孝明)に疎まれ、命を狙われるはめに。逃げる義経を必死に守る弁慶。危機一髪、名場面として知られる「富樫」には高橋英樹が特別出演。古典を知らない人でも、なぜここが名場面なのかバッチリわかるはず。
 里見浩太朗は、西郷隆盛役でも肉襦袢をつけて太った人物を熱演したが、この弁慶の大きく豪快な雰囲気を出す努力は大変なもの。迫力の合戦シーンや哀川翔、竹中直人など個性派も多数登場。堀内孝雄の哀愁たっぷりの主題歌「恋文」も心を打ちます。

掲載2003年04月11日

「密偵」陰謀といえば、尾張藩!今回は大砲密造を巡り、幕府の密偵と熾烈な戦いを展開。

(みってい) 1983

掲載2003年04月11日

 大砲研究で名高い柳原父娘が、何者かによって拉致された。そこには、武力で十一代将軍の座を狙う尾張藩の恐るべき陰謀が・・・。尾張藩は、自領でなく、高松藩に大砲を作らせるという用意周到さ。幕府の密偵となった旗本・榊原主計は、高松藩に潜入。狙うは、大砲爆破だが、したたかな尾張藩と藩を守るために必死の高松藩の妨害に、果たしてどう挑むのか?
 なにかと旅に出て、あっぱれな世直しをする旗本といえば「旗本退屈男」だが、退屈男が旗本の身分も隠さず、派手な着物で目立ちまくった上、むしろ自分で「人呼んで旗本退屈男!」などと言ったりするのに対して、この榊原主計は、いかにも「密偵」らしく侍の姿さえ隠す決心。なんと「居酒屋の板前」に扮するのであった。
 この芸達者な密偵旗本を眼光鋭い、天知茂が演じるところが面白い。共演には、高松英郎、森川正太、岡本富士太、川合伸旺。女優人では、「あやしい女といえば」の中島ゆたか、惜しくも亡くなった范文雀など。それにしても八代将軍吉宗とライバルだった宗春の影響か、とかく将軍家と対立し、常に悪巧みしてるように描かれる尾張藩。尾張名古屋に長く暮らしたペリーとしては「そりゃないよ」な展開も少なくない。天知茂ににらまれる尾張藩。ちょっと応援したりして。

ペリー荻野プロフィール
ペリー荻野

1962年愛知県生まれ。大学在学中よりラジオのパーソナリティ兼原稿書きを始める。 「週刊ポスト」「月刊サーカス」「中日新聞」「時事通信」などでテレビコラム、「ナンクロ」「時代劇マガジン」では時代劇コラムを連載中。さらに史上初の時代劇主題歌CD「ちょんまげ天国」シリーズ全三作(ソニーミュージックダイレクト)をプロデュース。時代劇ブームの仕掛け人となる。

映像のほか、舞台の時代劇も毎月チェック。時代劇を愛する女子で結成した「チョンマゲ愛好女子部」の活動を展開しつつ、劇評・書評もてがける。中身は"ペリーテイスト"を効かせた、笑える内容。ほかに、著書「チョンマゲ天国」(ベネッセ)、「コモチのキモチ」(ベネッセ)、「みんなのテレビ時代劇」(共著・アスペクト)。「ペリーが来りてほら貝を吹く」(朝日ソノラマ)。ちょんまげ八百八町」(玄光社MOOK)「ナゴヤ帝国の逆襲」(洋泉社)「チョンマゲ江戸むらさ記」(辰己出版)当チャンネルのインタビュアーとしても活躍中。