ペリーのちょんまげ ペリーのちょんまげ

掲載2005年06月02日

「銭形平次(風間杜夫)」近頃、噺家としても注目(?)の風間親分。ナイスボイスの主題歌もキマってます!

(ぜにがたへいじ) 1987年

掲載2005年06月02日

近頃、若い世代にも落語人気が上昇中。実はこの「銭形平次」に主演する風間壮夫は、俳優の世界では、落語通で知られ、この五月には明治座で「火炎太鼓」の舞台をつとめ(もちろん、芝居の中でライブで観客を沸かせた)、落語のCDも出してしまうほどの達者ぶりなのだ。それを前提に改めて、「風間平次」を観てみると、やっぱり、セリフの端々に特有のべらんめえが出ているような…。いずれにしても、テンポがよくて、若々しい親分であることは間違いない。
 物語はおなじみの神田明神下の名親分・平次が、江戸の難事件に挑むというもの。平次の名推理、長屋の人情、そして、悪人を追い詰めたときの十手さばきに得意の投げ銭も、バッチリ見せる。愛嬌のある下っ引き、八五郎は舞台でも活躍する木場勝巳。八五郎は、ライバル三ノ輪の万七(左とん平)、下っ引きの清吉(森川正太)のコンビとハイテンションなやりとりを繰り広げる。平次と事件に当たる若き同心(中村橋之助)の初々しさ、彼を見守る萬屋錦之介、岸田今日子といったベテランの活躍も味を出す。
 また、風間親分自ら熱唱する主題歌「遥かな愛」はタケカワユキヒデ作曲のメロウな一曲。時代劇としては冒険的な曲調ながら、つい歌いたくなる。

掲載2005年05月11日

「新・半七捕物帳」真田広之が男の色気たっぷり見せる。奥田民生のエンディング曲もいい。

(しんはんしちとりものちょう) 1997年

掲載2005年05月11日

神田三河町で近頃売り出し中の岡引といえば、半七親分。かつてはちょっとした暴れん坊で、人を泣かせたこともあったが、女房の父親の後をついで、今は四人の手下とともに、江戸の悪と戦っている。その半七の周囲で起こる奇怪な事件の数々。からくり、怪談、暗号、半七シリーズの面白さは、その謎解きにある。
 主演は真田広之。これまで「半七」といえば、貫禄のある“親分さん”のイメージだったが、この半七は、33歳で男やもめ。十手はいつも懐にしまったままで、羽織も着ない。パッと見は、江戸遊び人か職人のようなイメージだ。私は、収録当時、ご本人を取材したことがあったが、そのスタイルには、かなりこだわったという。十手をちらつかせての権威的な聞き込みはしない、目立たない着物で、身軽でいつでも悪人を追えるような服装にする。撮影は連日深夜に及び、これもこだわってわざわざ選んだ短い十手で立ち回りをする半七親分の手は傷だらけだった。
 人間としても未完成で、ベテランの手下たちに文句を言われたりする半七だが、ふと見せる憂いの表情は実に色っぽい!奥田民生の切ない歌声が響くエンディングもとても印象的。共演者もクセ者が多いが、中でも動きは鈍いが心優しい手下のひとり、阿藤海の動きには、ぜひ、ご注目を。

掲載2005年01月29日

「白獅子仮面」妖怪軍団に挑む白獅子仮面!副主題歌「十手のマーチ」もナイス。

(しろじしかめん) 1973年

掲載2005年01月29日

名奉行・大岡越前が目を光らせる江戸の町に、悪の頭領「火焔大魔王」が次々凶悪な妖怪を送り込む。越前配下の剣兵馬(三ツ木清隆)は、ふだんは町をパトロールしたり、剣で悪人をやっつける二枚目熱血漢だが、実はその正体は、正義の味方「白獅子仮面」なのである!
 兵馬が二丁の十手をカチリと合わせ、「シシクーッ!!」と叫べば、たちまち兵馬は、白馬にまたがった勇ましい白獅子仮面に変身だ。
 この作品のユニークさは、まず、兵馬が町奉行所で働いているという設定と、そのいでたち。白獅子仮面が白地に裏赤のマントという派手なのはわかるが、兵馬の普段着も白いパンタロンに赤いチョッキ。オリジナリティがあふれすぎたファッションなのである。
 2月4日放送の「必殺コウモリ男」は、奇怪なコウモリが飛んできたかと思えば、顔にはすごい牙を持ち、腹にもトゲトゲだらけのコウモリ男が多数来襲。「そうだ、コウモリは音に敏感だ」と、音響作戦を展開するが、こどもを人質にとられて危機一髪という物語。
 オープニング主題歌♪カッチンカチリコ、ズンバラリン♪ のフレーズも楽しいが、私のお薦めはエンディングの「十手のマーチ」。♪十手は何でも知っている、♪一から十まで知っている♪ シビれる歌詞をぜひご一緒に。

ペリー荻野プロフィール
ペリー荻野

1962年愛知県生まれ。大学在学中よりラジオのパーソナリティ兼原稿書きを始める。 「週刊ポスト」「月刊サーカス」「中日新聞」「時事通信」などでテレビコラム、「ナンクロ」「時代劇マガジン」では時代劇コラムを連載中。さらに史上初の時代劇主題歌CD「ちょんまげ天国」シリーズ全三作(ソニーミュージックダイレクト)をプロデュース。時代劇ブームの仕掛け人となる。

映像のほか、舞台の時代劇も毎月チェック。時代劇を愛する女子で結成した「チョンマゲ愛好女子部」の活動を展開しつつ、劇評・書評もてがける。中身は"ペリーテイスト"を効かせた、笑える内容。ほかに、著書「チョンマゲ天国」(ベネッセ)、「コモチのキモチ」(ベネッセ)、「みんなのテレビ時代劇」(共著・アスペクト)。「ペリーが来りてほら貝を吹く」(朝日ソノラマ)。ちょんまげ八百八町」(玄光社MOOK)「ナゴヤ帝国の逆襲」(洋泉社)「チョンマゲ江戸むらさ記」(辰己出版)当チャンネルのインタビュアーとしても活躍中。