ペリーのちょんまげ ペリーのちょんまげ

掲載2004年08月20日

「新吾十番勝負1」女性ファンをうならせた美剣士トミーの新吾登場!育ての親・三船敏郎も貫禄演技。

(しんごじゅうばんしょうぶいち) 1981年

掲載2004年08月20日

八代将軍・吉宗の御落胤でありながら、秩父の山中で梅井多門(三船敏郎)という武士に育てられた葵新吾。やがて、父の存在と祖父が殺された事実を知り、吉宗に複雑な思いを抱く。男として、剣士として生きる新吾の前には、次々事件が起こる。
 作家・川口松太郎の生んだ新吾は、数奇な運命に翻弄されつつも、たくましく成長していく。「水もしたたる美男系」の新吾、テレビでは主に連続ドラマとして、ほかに田村正和(66年)、松方弘樹(70年)らが演じている。今回この役を演じているのは、国広富之。当時、国広は、松崎しげるとコンビを組み、ドラマ「噂の刑事トミーとマツ」で耳がピクピク動くと突如発奮して大活躍するというコミカル路線で人気絶頂。特に女性ファンからは「トミー」と、絶大な支持を得ていた。デビュー作「岸辺のアルバム」で悩める若者、コミカル刑事、そして現在のトミーは、藤田まこと主演の「はぐれ刑事」で渋いところを見せている。ある意味、時代の移り変わりを感じさせる二枚目俳優だともいえる。
 若きトミー新吾を盛り上げるのは、貫禄演技の三船はじめ、大山勝巳、大出俊、鈴木瑞穂など演技派と、岡田奈々、かたせ梨乃ら若手女優陣。
 トミー国広の若々しい立ち回りと、人懐っこい笑顔が、女性ファンを再びうならせる。

掲載2004年07月23日

「銭形平次」何度見ても感動の最終回!見事な888回の大団円に拍手喝采といきましょう。

(ぜにがたへいじ) 1966年−1984年

掲載2004年07月23日

日本のテレビの歴史の中で、いまだ破られることのない「単独主役による長寿番組記録」実に888回を演じきった大川橋蔵の「銭形平次」も、いよいよ大詰め。
 886回のゲストは、かの若山富三郎。実は若山は、昭和33年(1958年)に、TBS系のナショナル劇場でテレビ初の「銭形平次」に主演。104回を演じた、いわば平次の“先輩”でもあった。若山平次のころは、まだ生放送で、平次のアップの間に別の場所に死体が用意されたり、得意の銭投げシーンも苦労の連続だったなど多くの逸話を残している。
 そして、迎える888回。江戸全体を巻き込む大陰謀に挑む平次。今度ばかりは無事を願わずにはいられないお静。走る八五郎。ライバル三の輪の万七もいっしょになって、江戸の治安に命をかけるのである。ゲストには、美空ひばり、里見浩太朗、五木ひろし、舟木一夫、汀夏子ら、豪華な顔ぶれが揃う。
 事件を解決し、骨休めにと旅に出ることを決意した平次親分。晴れ渡る空をバックに日本橋を行く一行に、「時代劇の王道」を感じる。ちなみに、この後、舟木一夫は、橋蔵の教えを守り、現在舞台でしばしば「銭形平次」を熱演。その際の万七役は?もちろん、遠藤太津朗!橋蔵親分も現役万七に拍手しているに違いない。

掲載2004年07月16日

「隠忍術(しのび)弐」「隠忍術(しのび)参」話題の昼ドラ「牡丹と薔薇」でも爆発した小沢真珠の悩めるくノ一!強敵をどうする?

(しのびに、しのびさん) 2002年

掲載2004年07月16日

伊賀といえば、忍者の里として知られるが、戦国時代には、伊賀忍者の派閥争いがあった。その争いに巻き込まれ、裏切り者の汚名を着せられて仲間から追われることになったすご腕忍者・影蝋(松田賢二)と藍衣(あおい=小沢真珠)。彼らを陥れた六角(木下ほうか)は、野望を果たすために、次々恐ろしい忍者を追手に差し向ける…。
 お手軽な合成や仕掛けを使わずビシバシ戦う忍者たち。その仕掛け人は、ワイヤーアクションを得意とする谷垣健治監督と、「修羅雪姫」のスタントでもおなじみの下村勇二だが、それに応える忍者たちも偉い!胸にラインの入ったデザイナーズ風忍者ルックの影蝋・松田もカッコいいし、細身の体で戦う小沢真珠もイキのいいくノ一っぷり。真珠といえば、今年話題になった昼ドラマ「牡丹と薔薇」で、嫉妬に狂って男をムチ打ったり、足蹴にしたりの大暴れを披露。その基礎になったのは、このくノ一演技かも!?
 くノ一のライバルや、忍び殺しの狂犬忍者、さらには腹黒い幼なじみ忍者など、強敵を前にふたりはどう戦うのか。「参」では、ついに毒針で真珠は、生死の境をさまようことに…。稲田千花、逸見太郎、西守正樹ら、元気のいいメンバーが、ほぼ全編山中ロケで飛び回る。時間があっと言う間にたってしまうアクション長編。

ペリー荻野プロフィール
ペリー荻野

1962年愛知県生まれ。大学在学中よりラジオのパーソナリティ兼原稿書きを始める。 「週刊ポスト」「月刊サーカス」「中日新聞」「時事通信」などでテレビコラム、「ナンクロ」「時代劇マガジン」では時代劇コラムを連載中。さらに史上初の時代劇主題歌CD「ちょんまげ天国」シリーズ全三作(ソニーミュージックダイレクト)をプロデュース。時代劇ブームの仕掛け人となる。

映像のほか、舞台の時代劇も毎月チェック。時代劇を愛する女子で結成した「チョンマゲ愛好女子部」の活動を展開しつつ、劇評・書評もてがける。中身は"ペリーテイスト"を効かせた、笑える内容。ほかに、著書「チョンマゲ天国」(ベネッセ)、「コモチのキモチ」(ベネッセ)、「みんなのテレビ時代劇」(共著・アスペクト)。「ペリーが来りてほら貝を吹く」(朝日ソノラマ)。ちょんまげ八百八町」(玄光社MOOK)「ナゴヤ帝国の逆襲」(洋泉社)「チョンマゲ江戸むらさ記」(辰己出版)当チャンネルのインタビュアーとしても活躍中。