ペリーのちょんまげ ペリーのちょんまげ

掲載2003年06月13日

「SAMURAI DEEPER KYO」軟派青年が世にも恐ろしい「鬼」を内在 真田幸村、猿飛サスケも大暴れの最新アニメ

(さむらい でぃーぱー きょー) 2002年

掲載2003年06月13日

 関が原の戦いから4年。ただでさえ政治は不安定、治安は最悪のご時世になんと、巨大な隕石が落下した。
 そのころ、のんきな薬売りの壬生京四郎は、具合の悪そうな美女・椎名ゆやを介抱しようとする。ゆやの胸元にすっかり魅せられた京四郎がデレーッとなった瞬間、ゆやの手には拳銃が。しかも、そこには恐ろしい化け物(クリーチャー)まで登場。
 「そのおっぱいは渡さない!」と大いに不純な動機で怒りを爆発させた京四郎の目は、真っ赤。実は本人も知らないうちに京四郎の中には、鬼のような真紅の眼を持つ、とてつもない剣豪・鬼眼の狂が存在したのである。
 原作は今も「少年マガジン」で連載中の人気作品。主人公やクリーチャーなどのキャラクター、必殺技、スピード感あふれる展開は、まさにアニメならではの自由さだ。
 さらに真田幸村、猿飛サスケ、出雲阿国ら時代劇に欠かせないキャラクターも続々登場。それがみんな顔ほっそりの美形なのだ!
 私もいろんな「真田幸村」を見てきたが、たいていごつい戦国武将タイプなので、こんなに若くてアゴの細い幸村は初めてである。女性ファンは黙ってないでしょう。
 21世紀の時代劇アニメって、こういうものなのだと実感できるはず。続きが気になる。

掲載2003年05月02日

「新必殺仕置人」最終回!あまりに壮絶なラストに男泣きしたファンも数知れず。念仏の鉄に花束を。

(しんひっさつしおきにん) 1977

掲載2003年05月02日

「のさばる悪をなんとする 天の裁きは待ってはおれぬ この世の正義もあてにはならぬ闇に裁いて仕置きする 南無阿弥陀仏」
 名ナレーター芥川隆行の語りで始まる、新必殺仕置人。ご存じ“必殺シリーズの顔”中村主水(藤田まこと)と、必殺骨はずしの技を持つ念仏の鉄(山崎努)、手製の竹鉄砲で相手を仕留める巳代松(中村嘉葎)、情報屋の正八(火野正平)、スリのおてい(中尾ミエ)。メンバーの顔ぶれの充実度は、必殺シリーズ屈指の高さ。さらに、仕置きの依頼を「寅の会」という闇組織で仕切る設定の緊張感。本作がシリーズ史上最高傑作といわれる理由もよくわかる。
 寅の会のボス・虎を演じる藤村富美男が元阪神タイガースの名バッターだったりするのも、特に関西で人気の高い必殺ならではのユニークな人選だったはず。私が特に気になったのが、冷たい無表情が不気味な死神(河原崎健三)。虎の養子である死神には、遥か異国の出身という秘密があったのだ。
 いろんな要素がギュッとつまった番組の最終回がいよいよ目の前。佐藤慶、清水鉱治と最強の敵を前に、手を焼かれ絶対絶命の鉄が彼らしいラストを見せる。
 どんなに冷たい終わりでも、そこに立ち続ける中村主水。やっぱりこの男が一番すごいんだ・・・。ラストまで目が離せない!

掲載2003年03月21日

「新必殺仕置人」必殺シリーズ中、最もファンの多い作品のひとつ。「寅の会」で仕置の競り落とし!

(しんひっさつしおきにん) 1977

掲載2003年03月21日

 ご存じ「必殺の顔」ともいえる中村主水(藤田まこと)は、定町廻り同心として、裏稼業からは遠ざかっていた。当時の仕置人たちは、大元締めの虎(元阪神タイガースのスラッガー・藤村富美男)率いる「寅の会」に所属。厳しい掟の下、殺しの仕事を句会を装った会合で競り落としていた。
 主水とは離れ、仕置きを続けていた念仏の鉄(山崎努)は、ある時、仕置きの標的として「中村主水」の名前が詠み上げられ、動揺する・・・。再び仕置きの世界に戻る主水の仲間は、指で相手の骨を折ってしまう「骨はずし」の鉄と、手製の鉄砲(ただし、撃つたびに自分も吹き飛ぶ)を扱う巳代松(中村嘉葎雄)、情報屋の正八(火野正平)、女スリのおてい(中尾ミエ)。
 毎回、句会で殺しを競る時の緊迫感。されに無口無表情で、ただでされ凄味のある虎がいざとなるとバットで(!)仕置きする恐ろしい。その虎の付き人で、これまた無表情な死神(河原崎健三)の存在感。登場人物のキャラクター設定は実に巧みだ。また、ゲストの岸田森、菅貫太郎、嵐寛寿郎、藤原釜足ら、今はなき名優、テレサ野田、緑魔子、村地弘美ら女優陣の顔ぶれも充実。
 予定調和を一切排した最終回の非常さは、今も語り継がれるほど。どうかお見逃しなく。

ペリー荻野プロフィール
ペリー荻野

1962年愛知県生まれ。大学在学中よりラジオのパーソナリティ兼原稿書きを始める。 「週刊ポスト」「月刊サーカス」「中日新聞」「時事通信」などでテレビコラム、「ナンクロ」「時代劇マガジン」では時代劇コラムを連載中。さらに史上初の時代劇主題歌CD「ちょんまげ天国」シリーズ全三作(ソニーミュージックダイレクト)をプロデュース。時代劇ブームの仕掛け人となる。

映像のほか、舞台の時代劇も毎月チェック。時代劇を愛する女子で結成した「チョンマゲ愛好女子部」の活動を展開しつつ、劇評・書評もてがける。中身は"ペリーテイスト"を効かせた、笑える内容。ほかに、著書「チョンマゲ天国」(ベネッセ)、「コモチのキモチ」(ベネッセ)、「みんなのテレビ時代劇」(共著・アスペクト)。「ペリーが来りてほら貝を吹く」(朝日ソノラマ)。ちょんまげ八百八町」(玄光社MOOK)「ナゴヤ帝国の逆襲」(洋泉社)「チョンマゲ江戸むらさ記」(辰己出版)当チャンネルのインタビュアーとしても活躍中。