ペリーのちょんまげ ペリーのちょんまげ

掲載2010年02月26日

『忠臣蔵 瑤泉院の陰謀』
討ち入りの影の首謀者は、浅野阿久里!
大石内蔵助・北大路と柳沢吉保・高橋激突

(ちゅうしんぐら ようぜいいんのいんぼう) 2007年

掲載2010年02月26日

有名な赤穂浪士討ち入りの黒幕が、浅野内匠頭の未亡人・阿久里(後に瑤泉院、稲森いずみ)として解釈。女性ならではの力で、男たちを動かした彼女の生き方を描く。
元禄14年。勅使接待の役の浅野内匠頭(高嶋政伸)は、指南役の吉良上野介(江守徹)から仕打ちを受け、悩んでいた。心労も重なり、毎年春に襲われる不快感と妄想により、内匠頭は、殿中松の廊下で吉良に刃傷に及ぶ。徳川綱吉(津川雅彦)の逆鱗に触れ、内匠頭は即日切腹、浅野家は断絶。大石内蔵助(北大路欣也)はじめ、藩士たちは、城を明け渡した。落飾して瑤泉院となった阿久里は、刃傷事件は吉良が無理な要求を繰り返し、賄賂をも求めたからだと訴え、吉良の悪事のうわさを広めさせる。それは、世論を味方につけ、赤穂の浪士たちに討ち入りを決意させる策略だった。
瑤泉院自ら、柳沢吉保(高橋英樹)に接近。信じられない方法で、大石内蔵助にも近づくなど、見所は満載。「独眼竜政宗」など史実の中に、娯楽要素もたっぷり描くジェームス三木の脚本だけに、思い切った場面も出てくる。なんと、宿敵のはずの内蔵助と柳沢の入浴シーン!? また、当チャンネルでもおなじみの栗塚旭が、堅物の学者として登場。松坂慶子、五木ひろし、吹石一恵ら豪華キャストも話題に。ちなみに稲森いずみは、剣道に通じ、「立ち回りもしたかった」と述べている。

掲載2009年07月31日

『徳川無頼帳』
西城秀樹の十兵衛とJJサニー千葉が握手!
強力コンビが吉原を根城に大暴れ。

(とくがわぶらいちょう) 1992年

掲載2009年07月31日

徳川三代将軍家光(志垣太郎)には、気がかりなことがあった。それは同じ家康の六男で叔父の松平忠輝の存在。家光は、彼の同行を影の者たちに探らせるうち、ついに抹殺しようと決意する。そんな折、徳川家の指南役の座を追われた柳生十兵衛(西城秀樹)がふらりと吉原に現れる。美形の花魁・浮橋太夫(成田和未)に心引かれた十兵衛だが、太夫には、べったりの男がいた。廓幻之介(JJサニー千葉)とふざけた名を名乗ったその男こそ、忠輝の仮の姿だった。「人はこのわしを鬼っ子と呼んでおる」という幻之介と境遇が似た十兵衛は意気投合。ともに刺客たちと戦うことに。そのふたりを支援するのは、「ここは江戸であって江戸ではねえ」と語る吉原の総名主京屋庄左衛門(ハナ肇)だった。
映画「柳生一族の陰謀」「魔界転生」、ドラマ「柳生あばれ旅」シリーズなどで長年十兵衛を当たり役としてきたJJサニー千葉は、制作発表の席で「この役は君に譲った!」とヒデキとがっちり握手。この作品への意気込みはものすごく、衣装からして「真っ白な着物にマフラー」という斬新この上ないスタイル。テレビ時代劇初主演となったヒデキも持ち前のアクションセンスを発揮し、大暴れを見せる。ちなみに撮影当時、ヒデキは「勉強することが多く、ヒデキじゃなくて刺激的な日々」とダジャレも披露している。

掲載2009年06月05日

『寺子屋ゆめ指南』
江戸の熱中先生の活躍をさわやかに描く。
あのアイドル女優も子役で顔を見せてます。

(てらこやゆめしなん) 1997年

掲載2009年06月05日

江戸時代の後期・文化文政の時代。日本橋界隈で、桂木家の次男坊・正二郎(高橋和也)が、道場からの帰り道、老人が川に飛び込むのを目撃。さっそく川に飛び込んで救出をと思ったが、実は正二郎はカナヅチ。それ気づいたのは飛び込んだ後だった…。
こんなドジな正二郎は、身投げでもなく自分を助けてくれた老人・良庵(愛川欽也)に自分の寺子屋の師匠になってくれと頼まれる。次男の正二郎は、仕事も後を継ぐ家もないブラブラした立場。半ば嫌々引き受けたものの、現場のこどもたちは大騒ぎをするばかりで手に負えない。怒る正二郎だが、そこに刃物を持った男が乱入し、教え子を人質にとる。
脚本は大ヒットドラマ「熱中時代」を手がけた布施博一。目標をもてなかった若者が、良庵や剣術の師匠(千葉真一)に導かれ、こどもたちと触れ合うことで成長していく。現在、日本映画になくてはならない俳優になった高橋和也は、まっすぐな熱血先生をまさに熱演。人質の子を取り返すために体を投げ出す場面など、思わずほろりとさせられる。
私から見たらまだまだこども」「正二郎様、お顔にごはんつぶが…」と正二郎をこども扱いする乳母・卯女(中村玉緒)がいい味を出す。子役には、「花より男子」などでアイドル的に人気となった井上真央も出演。江戸の人情あふれる学園ドラマ、後味はさわやかだ。

ペリー荻野プロフィール
ペリー荻野

1962年愛知県生まれ。大学在学中よりラジオのパーソナリティ兼原稿書きを始める。 「週刊ポスト」「月刊サーカス」「中日新聞」「時事通信」などでテレビコラム、「ナンクロ」「時代劇マガジン」では時代劇コラムを連載中。さらに史上初の時代劇主題歌CD「ちょんまげ天国」シリーズ全三作(ソニーミュージックダイレクト)をプロデュース。時代劇ブームの仕掛け人となる。

映像のほか、舞台の時代劇も毎月チェック。時代劇を愛する女子で結成した「チョンマゲ愛好女子部」の活動を展開しつつ、劇評・書評もてがける。中身は"ペリーテイスト"を効かせた、笑える内容。ほかに、著書「チョンマゲ天国」(ベネッセ)、「コモチのキモチ」(ベネッセ)、「みんなのテレビ時代劇」(共著・アスペクト)。「ペリーが来りてほら貝を吹く」(朝日ソノラマ)。ちょんまげ八百八町」(玄光社MOOK)「ナゴヤ帝国の逆襲」(洋泉社)「チョンマゲ江戸むらさ記」(辰己出版)当チャンネルのインタビュアーとしても活躍中。