ペリーのちょんまげ ペリーのちょんまげ

掲載2004年07月02日

「丹下左膳 剣風!百万両の壺」今年は“丹下左膳YEAR!”仲代達矢の豪快左膳と、最後の時代劇となった夏目雅子。

(たんげさぜん けんぷう ひゃくまんりょうのつぼ) 1982年

掲載2004年07月02日

映画では豊川悦司、地上波・舞台では中村獅童が左膳に扮して大暴れ!意外なほどお茶目なトヨエツ左膳、主題歌がブルーハーツの「僕の右手」じゃあんまりシュールだよ!と言いたい獅童左膳。とにかく今年は、“丹下左膳YEAR”である。当チャンネルでも、「シェイは丹下、名はシャゼン」と独自のスタイルで人気だった大河内伝次郎の「丹下左膳 こけ猿の壺」「新篇 丹下左膳 隻眼の巻」、仲代達矢のテレビ版スペシャル「丹下左膳 剣風!百万両の壺」を放送する。
 その仲代版。相馬中村藩の藩士だった丹下左馬介(仲代)は、家老に剣の腕を見込まれて、藩内に潜入していた隠密を斬り、自らも右腕を失う。事が露顕することを恐れた家老一派に命を狙われ、目にも傷を負った左馬介。宮仕えの虚しさを蹴飛ばして、暴れん坊の丹下左膳として生きていく決心だ。そこへ柳生家の家宝「こけ猿の壺」が転がり込んでくる。どうやらその壺には莫大な金の秘密が隠されているらしい。壺を狙う公儀隠密、柳生、彼らと張り合う左膳の豪快な戦いから目が離せない!監督は今年十三回忌を迎える五社英雄。共演は、夏八木勲、西村晃、松尾嘉代、中谷一郎ほか。柳生のお嬢様役で出演した夏目雅子は、これが最後の時代劇出演。その相手役となったのが、かの日本一の斬られ役・福本清三だったというのもなかなか。

掲載2004年06月11日

「武田信玄」熱血貴一の信玄VSはみだし武将情熱系柴田恭兵の上杉謙信!注目は小川真由美女官様。

(たけだしんげん) 1988年

掲載2004年06月11日

新田次郎の骨太の原作を、名脚本家・田向正健がガシッと脚色、まさにNHK大河ドラマの王道の戦国絵巻。
 有名な風林火山の旗印のもと、甲斐・信濃に名をとどろかせた武田信玄に中井貴一。それまでなんとなくお坊ちゃんのイメージだった貴一だが、ここでぐっと厳しい男の生きざまを見せる。そして、そのライバルこそ、上杉謙信。これを柴田恭兵が演じたのは新鮮。血の気の多い騎馬軍団を率いる信玄と、緻密な作戦をたてる理想主義者・謙信。その合戦シーンは大迫力だ。
 一方、注目したいのは信玄の私生活。戦国の習いで、いやいや正室にした三条の方(紺野美沙子)は都育ちで粗野な武将ライフが大嫌い。また、それを煽るのが、都から連れてきた女官・八重(小川真由美)だ。「ま、そのような」と、いちいち信玄のライフスタイルに女官風の丸い眉毛をひそめる真由美。真由美の前では戦も男同志の友情も吹き飛ぶのだ。結局、信玄は大地真央、南野陽子など側室に安らぎを求め、ますます正室との仲は悪化。信玄は私生活も戦国だ。
 菅原文太、石橋凌、村上弘明、児玉清、中村勘九郎(この今川義元は見物!)ら、豪華キャストの名演技も続々登場。「今宵はここまでに致しとうございまする・・・」の若尾文子の名ナレーションとともにお楽しみを。

掲載2004年03月12日

「徳川家康」丸顔のイメージを一気に変えた滝田家康 役所信長と超美人淀殿・夏目雅子にも注目。

(とくがわいえやす) 1983年

掲載2004年03月12日

戦国時代。岡崎城主・松平広忠の子として生まれた竹千代(後の家康)は、幼いころから人質として各地を転々とする日々。その彼をいつも見守っていたのは、母・於大(大竹しのぶ)であった。元服し、松平元信となった竹千代は、初陣を勝利で飾り、武将としての才能を発揮し始める。やがて、三河を統一、有力な戦国大名となった家康が目指すのは、徳川による天下だった。
 不遇の青年時代から、徳川幕府を開くまでの波瀾の75年の生涯。さまざまな武将たちとの表、裏の戦いも描き、最高視聴率37.4パーセントを記録した大河ドラマ。
 その人気の秘密は、やはり主役・滝田栄の熱演。丸顔、タヌキおやじのイメージを一気に変えたばかりか、人間的に悩みの多かった家康の心情をじっくり見せた。また、家康と人気を二分したのが、役所広司の織田信長。天才的なひらめきと行動力。滝田&役所の顔長コンビに、クセのある豊臣秀吉(武田鉄也)がからみ、曲者・武田信玄(佐藤慶)の動きも気になる。一方、女優陣も、家康の正室築山殿(池上季美子)、濃姫(藤真利子)、超美形の淀殿(夏目雅子)など、大河ドラマらしい豪華版。当時、朝のドラマでは「おしん」が話題になり、家康ともに「耐える」主人公に注目が集まった。一度見た方も、二度見て新しい発見があるはず。

ペリー荻野プロフィール
ペリー荻野

1962年愛知県生まれ。大学在学中よりラジオのパーソナリティ兼原稿書きを始める。 「週刊ポスト」「月刊サーカス」「中日新聞」「時事通信」などでテレビコラム、「ナンクロ」「時代劇マガジン」では時代劇コラムを連載中。さらに史上初の時代劇主題歌CD「ちょんまげ天国」シリーズ全三作(ソニーミュージックダイレクト)をプロデュース。時代劇ブームの仕掛け人となる。

映像のほか、舞台の時代劇も毎月チェック。時代劇を愛する女子で結成した「チョンマゲ愛好女子部」の活動を展開しつつ、劇評・書評もてがける。中身は"ペリーテイスト"を効かせた、笑える内容。ほかに、著書「チョンマゲ天国」(ベネッセ)、「コモチのキモチ」(ベネッセ)、「みんなのテレビ時代劇」(共著・アスペクト)。「ペリーが来りてほら貝を吹く」(朝日ソノラマ)。ちょんまげ八百八町」(玄光社MOOK)「ナゴヤ帝国の逆襲」(洋泉社)「チョンマゲ江戸むらさ記」(辰己出版)当チャンネルのインタビュアーとしても活躍中。