ペリーのちょんまげ ペリーのちょんまげ

掲載2001年12月08日

「忠臣蔵祭り〜オールスター揃い踏み〜」日活、大映、東映、東宝各社総力結集のオールスター忠臣蔵で年越しだ!

(ちゅしんぐらまつり〜おーるすたーそろいぶみ〜) 

掲載2001年12月08日

時は元禄。華やかな町人文化の時代。例の「生類憐れみの令」で、人間よりお犬様の方が偉い!?と世の中に鬱憤もたまった時代。仇討ちに命をなげうった四十七士の物語は、庶民に拍手喝采で迎えられた。時は巡って、文明開化、高度成長、構造改革と言葉ばっかり元気でも、世の鬱憤は今も同じ。今年、地上波では、かの木村拓哉主演で「忠臣蔵」が作られるという。こんな時代だからこそ、「忠臣蔵」を見たくなるのも、当然というものか。
今回は、各映画会社が総力を結集したオールスター「忠臣蔵」を一挙放送。特に戦前に作られた阪東妻三郎の大石内蔵助に、片岡千恵蔵(浅野内匠頭)はじめ嵐寛寿郎、月形龍之介、志村喬らで送る日活版は、貴重な一本。マキノ正博演出の「松の廊下」は見物だ。一方、長谷川一夫の内蔵助に市川雷蔵の内匠頭という、“美男コンビ”はさすが大映。滝沢修、鶴田浩二、勝新太郎、京マチ子も出演し、興行収入4億1千万円という大ヒット作だ。仇討ちだけでなく、政治そのものが問題、と社会面も打ち出した東映は、片岡千恵蔵の内蔵助。中村錦之助の内匠頭と嫌みたっぷりの進藤栄太郎の吉良上野介、東千代之介、北王子欣也、美空ひばりも華を添える。東宝は稲垣浩監督が、先代松本幸四郎、加山雄三、三船敏郎らと男のドラマを盛り上げる。
どれをとっても百花繚乱。豪勢な年越しができること間違いなし。

掲載2001年11月30日

「忠臣蔵祭り〜オールスター揃い踏み〜」年末といったら、忠臣蔵!映画会社競作で豪華スター勢ぞろい。

(ちゅうしんぐらまつり〜おーるすたーそろいぶみ〜) 

掲載2001年11月30日

さあ、師走といえば「忠臣蔵」。
吉良上野介に恨みを抱きつつ、切腹した主君・浅野内匠頭の仇を打つために入念な準備をして討ち入った四十七人の物語。大石内蔵助はじめ四十七士、敵方までキャラクターが豊富で、場面も江戸、赤穂、京都など多彩。討ち入りではチャンバラファンも大喜び。それゆえ、各映画会社は競って、オールスター送出演の豪華な作品に仕上げた。自分が好きなスターの晴れ姿と、数多くのスターをいっぺんに見られるお年玉的作品なのだ。
今回は、まず、38年、内蔵助を阪東妻三郎、内匠頭を若き片岡千恵蔵が演じた貴重な日活作品。長谷川一夫がうっとりするような美男内蔵助になった大映作品、かつて内匠頭を演じた千恵蔵が今度は内蔵助を演じ、美空ひばりも出演した東映作品。先代松本幸四郎が内蔵助、槍の名人で敵方の俵星玄蕃を三船敏郎が演じた東宝作品。さらに萬屋錦之助が内蔵助を演じ、36回にわたって放送されたテレビシリーズ「赤穂浪士」を送る。同じ筋でも、華麗だったり、地道だったり、味はいろいろ。現在主役級の俳優(例えば鬼平の中村吉衛門など)が、若く小さい役でチラッと出ているのを発見するのもお楽しみ。ストーリーはわかっていると思っても、一度見ると止まらない。これが日本映画界が総力を結集し、世に出した作品の実力ってもんですな。

掲載2001年11月24日

「旅がらす事件帖」マゲでもやっぱり渡り鳥!小林旭の貴重な時代劇初主演作。

(たびがらすじけんちょう) 1980

掲載2001年11月24日

小林旭が初めて主演したテレビ時代劇。
政治腐敗で乱れた天保年間。幕府の密命を受けた三千石の旗本・(小林旭)が、旅芸人の一座に同行しつつ、股旅姿の直次郎として諸国の悪を懲らしめる。
小林旭の旗本というのもすごいが、さらにその旗本がいきなり旅人になってしまう設定はすごい。が、さすがアクション&さすらいに強い小林旭。おとなの貫禄も見せつつ、バッタバッタと宿場の悪代官、悪徳商人を斬っていく。そして、きれいさっぱり次の宿場へ・・・。難しい理屈は抜き。事件を解決すると旅に出るというのは、もちろん、代表作「渡り鳥シリーズ」の流れ。懐かしいファンも多いはず。渡世人姿なのに、堂々としているところもこの人ならでは。
共演には夏純子、叶和貴子、尾藤イサオ、長門裕之、今はなき三浦洋一も若々しい活躍を見せる。小沢栄太郎の老練な武士ぶりもいい。ゲストには伊吹吾郎、市毛良枝、川谷拓三、野川由美子、中尾彬、池波志乃、あの尾崎将司の名も見える。
脚本は、「水戸黄門」シリーズの宮川一郎、「鬼平犯科帳」の安倍徹郎ほか。なお、最終回の監督はマキノ雅弘で、これが最後のテレビ作品となった。
もっともっと時代劇に出してほしい俳優のひとり、小林旭の貴重な主演作。カラッと楽しめるシリーズ。

ペリー荻野プロフィール
ペリー荻野

1962年愛知県生まれ。大学在学中よりラジオのパーソナリティ兼原稿書きを始める。 「週刊ポスト」「月刊サーカス」「中日新聞」「時事通信」などでテレビコラム、「ナンクロ」「時代劇マガジン」では時代劇コラムを連載中。さらに史上初の時代劇主題歌CD「ちょんまげ天国」シリーズ全三作(ソニーミュージックダイレクト)をプロデュース。時代劇ブームの仕掛け人となる。

映像のほか、舞台の時代劇も毎月チェック。時代劇を愛する女子で結成した「チョンマゲ愛好女子部」の活動を展開しつつ、劇評・書評もてがける。中身は"ペリーテイスト"を効かせた、笑える内容。ほかに、著書「チョンマゲ天国」(ベネッセ)、「コモチのキモチ」(ベネッセ)、「みんなのテレビ時代劇」(共著・アスペクト)。「ペリーが来りてほら貝を吹く」(朝日ソノラマ)。ちょんまげ八百八町」(玄光社MOOK)「ナゴヤ帝国の逆襲」(洋泉社)「チョンマゲ江戸むらさ記」(辰己出版)当チャンネルのインタビュアーとしても活躍中。