ペリーのちょんまげ ペリーのちょんまげ

掲載2003年09月19日

「吉宗評判記 暴れん坊将軍」「マツケンサンバ」がニュース番組でも話題に!その原点は伝説の第一シリーズに!?

(よしむねひょうばんき あばれんぼうしょうぐん) 1978年

掲載2003年09月19日

 現在、名古屋は御園座で「暴れん坊将軍」が公演中。私も早速見てきた。
 将軍を狙う一団と戦う新さんこと吉宗(松平健)は、元気いっぱいだが、元気いっぱいといえば、公演最後のショータイムを忘れてはいけない。ここで、松平健は、舞台狭しと歌い踊るのである。それも、渋い役者イメージをがらりと変えて、ショーでは「すべて光る衣装」を採用。オープニングからいきなり、キラキラ光る黒いマント。そしてフィナーレは、時代劇専門チャンネルではすでにおなじみの名曲「マツケンサンバ�U」で、全身青い発光体だ!!
 ちょんまげとサンバの合体だけでもすごいのに、それを自ら光ながら歌い踊る上様。もうクラクラだ。この歌は口コミで評判となり、ついにテレビ朝日系のニュースでも取り上げられた。阪神優勝もすごいが、健さんもすごい!(今後は博多座でも公演予定アリ)
 そのマツケン大活躍の原点といえるのが、現在放送中の「暴れん坊将軍」第一シリーズ。有島一郎のじいやめ組の初代おさい(春川ますみ)らに、やりこめられる吉宗の姿も初々しい。なお、ここで名奉行として吉宗をサポートする大岡越前は横内正。番組スタートにあたっては、「大岡越前かもうひとつ重要な浪人役があるが、どちらが?」と聞かれ、選択したのがこの役だったとか。北島三郎の歌う「炎の男」で、また盛り上がろう!

掲載2002年03月08日

「破れ新九郎」時代劇界の「破れスター」萬屋錦之介!正義のために大暴れする獣医。痛快度抜群。

(やぶれしんくろう) 

掲載2002年03月08日

「破れ傘刀舟」で破天荒な医者に、「破れ奉行」で正義の闇奉行に。すっかり「テレビ時代劇界の破れスター」として定着した萬屋錦之介。シリーズ第三弾は、何?と思えば、なんと獣医であった。
 父親はれっきとした藩お抱えの「馬医者」だったが、堅苦しいのは嫌だと長屋に住みついた新九郎。キャッチフレーズは、「よろず医者。但し人間はお断り」である。アヒルやら子豚やら、当時の撮影にはさまざまな動物が出入りし、管理が大変だったらしい。
 江戸時代に獣医がいたかどうかは定かじゃないが、破れシリーズに理屈は不用。破れ傘で確立した独自の「パンタロンルック侍」を継承し、今回もビシバシ悪をたたっ斬っている。
 ユニークなのは共演者。とぼけた味の大工に田中邦衛、長屋の大家・岸田今日子、出前持ちの池上季実子、(四月の「雲霧仁左衛門祭り」で独占インタビュー決定!)問屋場の頭に嵐寛寿郎の姿まで!そしてなんといっても注目なのは、若林豪である。職業はもともとは公儀天文方でちゃんとしていたのに、現在は気象予報士。それも使うのは「下駄」なのだ。子どもの遊びじゃないんだから、豪さん...。いつも謎の剣士みたいな役ばかりの若林豪にしては、異例のお茶目っぷり。個人的に「若林豪保存会」を主催する私としても、見逃せないシリーズなのだ。

掲載2002年02月01日

「破れ奉行」隠れファンの多い錦之介の「破れシリーズ」第二弾。江戸の水上警察が悪を斬る!

(やぶれぶぎょう) 

掲載2002年02月01日

 萬屋錦之介のテレビの代表作というと、「子連れ狼」や「破れ傘刀舟・悪人狩り」をあげる人が多いが、実はその「破れシリーズ」第二弾である本作も一種カルト作として人気がある。
 南北町奉行所の管轄外で悪の吹き溜まりと化した深川地域の治安のため、深川奉行を仰せつかった速水右近(錦之介)。大変なお役目の割には、しょっちゅうライバルの奉行(若林豪)と将棋を打ったり、美人女将(大谷直子)の店に入り浸っているのであるが、実は右近には、もうひとつ裏の顔があるのであった。その名も“破れ奉行”。
 まず、そのいでたちがすごい。鎖帷子の頭巾に長い半纏&パンタロン。手には巨大な銛(もり)である。そりゃ、深川といえば水路が入り組み、水に緑がある場所とはいえ、お奉行がMY銛を持ってるなんて・・・と驚いていてはいけない。
「許せん!」と破れ奉行が深夜の出陣をする際には、ギギギギと水門が開いて、巨大高速船“鯨船”が出てくる。その先頭で仁王立ちになっている人こそ、紛れもなく破れ奉行!
 マネのできない装束も巨大な船も、絶対特注品のはず。てことは、奉行所のスタッフはみんな誰が「破れ奉行」かってことにうすうす気がついていたのでは・・・そんな心配をものともせず、見事な立ち回りで悪を成敗する錦之介。やっぱり破れシリーズ面白い。

ペリー荻野プロフィール
ペリー荻野

1962年愛知県生まれ。大学在学中よりラジオのパーソナリティ兼原稿書きを始める。 「週刊ポスト」「月刊サーカス」「中日新聞」「時事通信」などでテレビコラム、「ナンクロ」「時代劇マガジン」では時代劇コラムを連載中。さらに史上初の時代劇主題歌CD「ちょんまげ天国」シリーズ全三作(ソニーミュージックダイレクト)をプロデュース。時代劇ブームの仕掛け人となる。

映像のほか、舞台の時代劇も毎月チェック。時代劇を愛する女子で結成した「チョンマゲ愛好女子部」の活動を展開しつつ、劇評・書評もてがける。中身は"ペリーテイスト"を効かせた、笑える内容。ほかに、著書「チョンマゲ天国」(ベネッセ)、「コモチのキモチ」(ベネッセ)、「みんなのテレビ時代劇」(共著・アスペクト)。「ペリーが来りてほら貝を吹く」(朝日ソノラマ)。ちょんまげ八百八町」(玄光社MOOK)「ナゴヤ帝国の逆襲」(洋泉社)「チョンマゲ江戸むらさ記」(辰己出版)当チャンネルのインタビュアーとしても活躍中。