• フードコーディネイト:里見陽子(キッチンスタジオ ヨーク)

  • 第1回
    「今昔物語」にも登場する料理「当座鰤煎炙」

    八代将軍吉宗から九代家重に変わった頃の料理書「黒白糖味集」に記されている料理。荒波にもまれ身が引き締まり、最も脂ののった寒ブリを使う。「当座鰤煎炙」の「煎炙」とは、平安後期の『今昔物語』にも書かれている古い調理法であり、魚を直火で焼くのではなく、鍋で焼く調理法のこと。


作り方
  • 1.鰤は頭を落とし、はらわたを取り除き、三枚におろします。
    鰤は、小さな鱗が密集するので、すき引きといって、皮を傷つけず、鱗だけを包丁で落とします。
  • 2.1.5センチほどの厚さの切り身にします。
    「当座鰤煎炙」の「煎炙」とは、魚を直火で焼くのではなく、鍋で焼くこと。
    鍋にごま油を塗り、なじんできたら、表になる方を下にして鰤を入れ、葱も加えて焼きます。
  • 3.葱は火が通ったら取り出し、魚はひっくり返して裏を焼きます。
  • 4.魚の表面に焼き目がついたら酒を入れ、少しずつ濃口醤油を足しながら砂糖をつまみ入れ煮立てます。
  • 5.煮詰まってきたら、葱を鍋に戻し、煮汁をからませ、煮汁がなくなる直前に火からおろします。
    これで出来上がり。

材料(4人前)

  • 鰤上身 400グラム
  • 長葱 1本
  • 胡麻油またはサラダ油 大匙2
  • 酒 2/3カップ
  • 砂糖 少々
  • 濃口醤油 1/2カップ


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