• フードコーディネイト:里見陽子(キッチンスタジオ ヨーク)

  • 第7回
    上方で誕生した不思議なお寿司「蒸し寿司」

    魚の長期保存を目的にはじまった日本の食文化・寿司。その歴史は平安時代、米や塩で魚を発酵させた「なれ鮨」に始まります。やがて17世紀に酢が出回り、魚だけでなく酢飯も食べるようになり『ばら寿司』が誕生したと言われています。
    今回ご紹介するのは、上方の一風変わった温かいお寿司、『蒸し寿司』。普通の寿司では味わえないふわっとした食感が楽しめます。


作り方
  • 1.蒸し寿司とは、簡単に言えば蒸した"ばら寿司"の事。したがって、最初はばら寿司を作ります。
    まずは具在の下ごしらえ。人参は細切りにし、かんぴょうはたっぷりの湯で、透き通るまでゆでてから、また、干し椎茸は戻してから細く切ります。
  • 2.この人参、かんぴょう、椎茸を出汁・塩・酒・味醂で割った煮汁で煮ます。蓮根は薄切りにしてさっと茹ででおきます。
  • 3.続いて穴子の湯引き。開いた穴子を皮を上にして並べ、熱湯をかけます
  • 4.そして、湯で表面に浮き上がった白いぬめりを包丁で丁寧に取り除きます。
  • 5.ぬめりを取った穴子は酒・味醂・水で割った煮汁で煮付けます。目安としては5分程度、落とし蓋をして煮ると良いでしょう。
    香ばしいにおいがしてきた所で取り出し、三等分に切り分けておきます。
  • 6.続いて酢飯。
    炊き上がったご飯に酢・砂糖・塩を混ぜた寿司酢をかけます。後で蒸した時に酸味が飛んでしまう事を避けるために、通常より多めに寿司酢をかけましょう。
  • 7.できあがった酢飯に煮た具材と、茹でて薄切りにした蓮根を入れて切り混ぜます。
  • 8.蓋付きのどんぶりに出来上がったご飯を盛り、でんぶをまぶして、さらに錦糸卵、穴子をのせます。最後に色付けとして茹でたいんげんをのせると良いでしょう。
  • 9.あとは、どんぶりに蓋をして、器ごと蒸し器で15分ほど蒸せば、上方の一風変わった温かいお寿司『蒸し寿司』の出来上がりです。

材料(4人前)

  • 米 3カップ
  • 水 3カップ
  • 酒 大さじ1
  • ~合わせ酢として~
  • 酢 100cc
  • 砂糖 大さじ4
  • 塩 大さじ1

  • 人参 50g
  • 干し椎茸 5〜6枚
  • かんぴょう 10g
  • ~人参・干し椎茸・かんぴょうの煮汁として~
  • 出汁 50㏄
  • 塩 小さじ1/4
  • 酒 大さじ1
  • 味醂 大さじ2

  • 穴子 3尾
  • ~穴子の煮汁として~
  • 水 500㏄
  • 酒 100㏄
  • みりん 100㏄

  • 蓮根 100g
  • でんぶ(鯛など) 適量(調味料として)
  • いんげん 適量


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