ペリーのちょんまげ ペリーのちょんまげ

掲載2000年07月10日

妖刀物語花の吉原百人斬り

(ようとうものがたりはなのよしわらひゃくにんぎり) 1960年

掲載2000年07月10日

 江戸の不夜城吉原に、田舎商人が足を踏み入れたことが事件の始まり。遊女に翻弄され、失意の商人は、禁じられた名刀村正を抜いてしまう。色街の虚実と人間の弱さ。監督は「悲劇を豪放かつ繊細に描く」巨匠・内田吐夢。主演は片岡千恵蔵。内田・片岡は、下郎が槍で主人の仇、侍十数人と死闘を繰り広げる名作「血槍富士」(55年)のコンビ。本作でも気迫のこもった演出が光る。華やかな世界を彩る女たちにに水谷良重、沢村貞子、山東昭子ら。五十代半ばの千恵蔵の円熟した演技がいい。

ペリー荻野プロフィール
ペリー荻野

1962年愛知県生まれ。大学在学中よりラジオのパーソナリティ兼原稿書きを始める。 「週刊ポスト」「月刊サーカス」「中日新聞」「時事通信」などでテレビコラム、「ナンクロ」「時代劇マガジン」では時代劇コラムを連載中。さらに史上初の時代劇主題歌CD「ちょんまげ天国」シリーズ全三作(ソニーミュージックダイレクト)をプロデュース。時代劇ブームの仕掛け人となる。

映像のほか、舞台の時代劇も毎月チェック。時代劇を愛する女子で結成した「チョンマゲ愛好女子部」の活動を展開しつつ、劇評・書評もてがける。中身は"ペリーテイスト"を効かせた、笑える内容。ほかに、著書「チョンマゲ天国」(ベネッセ)、「コモチのキモチ」(ベネッセ)、「みんなのテレビ時代劇」(共著・アスペクト)。「ペリーが来りてほら貝を吹く」(朝日ソノラマ)。ちょんまげ八百八町」(玄光社MOOK)「ナゴヤ帝国の逆襲」(洋泉社)「チョンマゲ江戸むらさ記」(辰己出版)当チャンネルのインタビュアーとしても活躍中。