ペリーのちょんまげ ペリーのちょんまげ

掲載2013年09月20日

「さすらいの狼」
萬屋錦之介主演、幻の股旅ハードボイルド大作
十文字の焼印を押された男の追跡劇の結末は

(さすらいのおおかみ) 出演者:萬屋錦之介/芦田伸介/鮎川いずみ/ジェリー藤尾/今井健二/若林豪 ほか 1972

掲載2013年09月20日

旅の無宿人十文字の竜(萬屋錦之介)。彼は、自分を裏切り、体に十文字の刻印を押した男を追っていた…。1972年、「木枯し紋次郎」が一世を風靡したころ、「瞼の母」「関の弥太ッぺ」など、股旅作品で評判をとった中村錦之助(後に萬屋錦之介)が、貫録の演技を見せたシリーズ。興味深いのは、時代設定が幕末で、竜が尊王攘夷の理想に燃えた武士速水竜之進であったということ。彼は、身に覚えのない御金蔵破りの罪を着せられ、恩義ある義父は切腹、自らの出生の秘密を知る。宿敵・加納紀三郎(今井健二)を追う竜は、武術は馬庭念流、学術は陽明学を修めた優秀な人物。よって殺陣も鮮やかで、70年代に登場した泥臭いやくざ渡世人たちの立ち回りとは、一味違っている。縞の道中合羽も三度笠もきれいで、颯爽としているのは、いかにも東映の大スター錦之助らしい。

 第五話には実弟中村嘉津雄が偽物竜で登場。第十六話「竜の心にしゃくなげ一輪」では、政五郎(有島一郎)の娘役で60年代のチョコCMで大人気となった、芦田愛菜もびっくりの天才子役上原ゆかりが登場。笠間に加納を追う竜の道連れに。枕探しをする小悪党の政五郎に「(財布の中身を)盗ってもいいが、少し戻しちゃくれねえか」と、つぶやく竜。こんなセリフが似合うのも、錦之助の魅力。「逃亡者」の語りでも知られる矢島正明のナレーションもハードな物語を盛り上げる。

掲載2013年09月13日

「新・御宿かわせみ」
30年ぶりにオリジナルキャストが再集結。
維新の激動を生き抜いた人々の心の物語

(しん・おんやどかわせみ) 出演者:真野響子/渡辺大/松田悟志/前田希美/三浦貴大/小野寺昭/山口崇/結城美栄子 ほか 2013

掲載2013年09月13日

平岩弓枝作「御宿かわせみ」は、1973年の連載スタート以来、累計1000万部を超える大ベストセラー小説。大川端の小さな宿屋「かわせみ」の女主人庄司るいと、奉行所与力の弟神林東吾の恋模様と、さまざまな事件を描く。1980年、るい・真野響子、東吾・小野寺昭、東吾の親友同心畝源三郎・山口崇という配役でドラマ化。大人気となった。

 「新・御宿かわせみ」は、維新後の「かわせみ」を描いた小説の新シリーズを初めて映像化した、時代劇専門チャンネルのオリジナル作品。真野、小野寺、山口、そして、なくてはならない「かわせみ」の女中頭お吉に結城美栄子とオリジナルキャストが再集結し、演出は80年代のシリーズで監督デビューした黛りんたろうが担当している。

 身分違いの苦難を乗り越え、晴れて夫婦となったるいと東吾は、ひとり娘の千春(前田希美)も授かり、幸せだった。しかし、維新の激動の中で、幕府軍艦に乗り込んだ東吾は行方不明に。源三郎は何者かに暗殺されるという悲劇が続いていた。そんな折、「かわせみ」に重傷を負った若者(三浦貴大)が担ぎ込まれる。彼こそが、悲劇の秘密を握っていたのだ。東吾の子神林麻太郎(渡辺大)と源三郎の子源太郎(松田悟志)は真相を追う。岸惠子、津川雅彦、笹野高史ら新参加のベテランの演技も素晴らしい。心打たれる長編。

掲載2013年06月28日

「咲くやこの花」
初恋、友情、家族愛、百人一首に思いを込めて!
成海璃子を松坂慶子、余貴美子らベテランが盛り上げる

(さくやこのはな) 出演者:成海璃子/平岡祐太/松坂慶子/余貴美子/佐野史郎/大和田伸也/寺田有希 ほか  2010

掲載2013年06月28日

深川の漬物屋で母そめ(余貴美子)と暮らす娘こい(成海璃子)は、なぜか人に注目されてしまうのが嫌で、「地味で暮らせますように」と初詣で祈るような性格。ある日、江戸の娘による「大江戸かるた腕競べ」が開催されることに。幼いころ、百人一首の絵札と不思議な出会いをしたこいは、母から出場を勧められるが、持ち前の引っ込み思案で逃げ腰に。そのこいの前に、初詣の折に出会った若い浪人・深堂由良(平岡祐太)が現れる。「必死に何かを求めたことのない、志のない顔だ」と顔に落書きされて、大ショックのこい。彼の隠れた願いと、師匠のはな先生(松坂慶子)の秘密も知って、大会出場を考え始めたが…。

 地味な女の子が初恋、母の過去、師匠の教えを知り、成長していく青春ドラマ。また、中村梅雀が百二一首選定した藤原定家として名調子のナレーションを披露。登場人物の名前などが、すべて和歌からとられているなど、仕掛けも満載。脚本は「花より男子」「ちりとてちん」大河ドラマ「平清盛」の藤本有紀。

 成海・平岡は、時代劇初出演。彼らを余、松坂、佐野史郎、大和田伸也らベテランが支える。余×佐野の言い合いシーンは番組の名物!? ペリーは現場取材をしたが、ふたりは「所作が難しい」と緊張しながら、ともにマニアックな音楽好きで、撮影の合間に話が盛り上がっていた。現場もリアル青春ムード。

掲載2013年05月17日

「仕掛人 藤枝梅安(主演:岸谷五朗)」
岸谷五朗が世の裏表を知り尽くす梅安に!
ペリー現場取材で、小日向吹き矢に仰天

(しかけにん ふじえだばいあん ) 出演者:岸谷五朗/小日向文世/原田龍二/高岡早紀/藤田まこと/鷲尾真知子/中山忍/石橋蓮司 ほか 2006

掲載2013年05月17日

ご存じ、池波正太郎原作の「仕掛人・藤枝梅安」を、岸谷五朗主演で13年ぶりに映像化した作品。江戸品川台町で腕のいい鍼医として仕事をする藤枝梅安(岸谷)には、元締め音羽屋半右衛門(藤田まこと)の依頼を受けて、金ずくで人殺しを請け負う別の顔がある。その相棒ともいえるのが、房楊枝職人の彦次郎(小日向文世)。その梅安が、浅草橋場の料亭井筒からの帰り道、浪人小杉十五郎(原田龍二)に襲われる。それは人違いであったが、その数日後、梅安は、裏の仕事の依頼を受ける。
 岸谷は、黒の着流しの襟に少しだけ赤を配するなど、個性的ないでたちで、江戸の闇に生きる冷徹な男を表現。一方で、家の手伝いをするおせきおばさん(鷲尾真知子)とは、くすりと笑える会話も見せる。
 監督の林徹は、フジテレビ「大奥」シリーズのヒットで知られるが、もとは「鬼平犯科帳」等で知られる映像京都に所属していた時期があった。ペリーは、徹底的にこだわりを持つ映像京都流の現場を取材したが、一番驚いたのは、彦次郎が作る房楊枝をその道の研究者を招いて、「柔らか目なら柳」など、本物を用意していたこと。彦次郎の武器である吹き矢も本物で、実際に小日向が記者の前で吹いて的に命中。その迫力に仰天した。また、彦次郎が大好きな湯豆腐も京都名店の本物。梅安・彦さん、小杉さん三人は何個も完食していた。さすが本格派。
 

掲載2013年03月08日

「清水次郎長」
向田邦子が脚本参加&副主題歌作詞の痛快編
竹脇爽やか次郎長、あおい石松、田辺鬼吉も!

(しみずのじろちょう) 出演者:竹脇無我/大木実/松山省二/あおい輝彦/田辺靖雄/里見浩太朗/南利明 ほか 1971

掲載2013年03月08日

 清水湊の米屋の山本長五郎(竹脇無我)は評判の孝行息子。しかし、ある日、見知らぬ旅の僧から「あと一年の命」と言われ、ならば「思い切った善根を」と決意した彼は、東海道一の遣い手と言われる伊藤政五郎(大木実)に入門。非道の限りを尽くす地元の悪貸元・鬼瓦をたたっ斬る。凶状持ちとなった長五郎は、関八州の大親分・大前田英五郎(天知茂)を頼って上州へ。そこには、長五郎の男気に惚れた森の石松(あおい輝彦)、桶屋の鬼吉(田辺靖雄)、そして政五郎の姿も。やがて彼らは、清水で一家を構え、長五郎は、海道一の親分と評判をとる。

 ご存知「清水次郎長」を、「明るくユーモラスな男たちのマンモスホームドラマ」ととらえ、「水戸黄門」などをてがけたスタッフが集結した痛快シリーズ。斬った張ったの大暴れよりは、地元の人々と町を盛り上げる一家の姿が描かれる。特筆すべきは、豪華キャスト、二枚目追分三五郎に近藤正臣、若手知恵袋の増川仙右衛門に太田博之、この他、大瀬半五郎に里見浩太朗、法印大五郎に「ハヤシもあるでよ~」のCMで一世を風靡した南利明、杉良太郎、品川隆二もゲスト出演し、盛り上げる。脚本には「水戸黄門」でもおなじみの共同筆名・葉村彰子はじめ、宮川一郎、向田邦子は1~4話の脚本をはじめ、サブテーマ曲「男たち」も作詞し、健筆をふるっている。

掲載2012年12月07日

「青春太閤記 いまにみておれ!」
なべおさみが泥臭い秀吉役に体当たり。
大原麗子の賢いねね、大谷直子のお濃も見物

(せいしゅんたいこうき いまにみておれ! ) 出演者:なべおさみ/大原麗子/佐藤允/大谷直子/岩井友見/森次浩司/宍戸錠/里見浩太郎/夏八木勲 ほか 1970

掲載2012年12月07日

 何をやってもうまくいかない弥吉(なべおさみ)は、乱暴な野盗の仲間になっても、これが自分のしたいことだとは思えない。やがて尾張の織田信長(佐藤允)の評判を聞き、下働きの家来として入り込んだ弥吉は、「木下藤吉郎」と名前を改め、知恵と度胸で信長の信頼を得ていく。

 ご存知、豊臣秀吉の青春時代を、「わしは猿によう似た小男よ」「人を疑るもんじゃにゃあで」など名古屋弁丸出しのなべおさみが泥臭く、体当たりで熱演。お役目の旅の途中、助けた遊女にぼーっとなった藤吉郎。家へ帰ると、「いいにおいがする。女のにおいですね!!」と、愛妻ねね(大原麗子)ににらまれ、たじたじとなるなど女好きも健在。大原ねねは、賢く可愛らしく、魅力的だ。一方、男臭い佐藤の信長は、コミカルななべとテンポが微妙にずれて、かえって面白さを出す。その信長を微笑みながら見つめるお濃の大谷直子は、戦国美女の品格と芯の強さを垣間見せている。

 終盤、いよいよ信長の天下統一作戦が動き出すと、藤吉郎も多忙を極める。有名な墨俣城のエピソードの後、藤吉郎は、今様孔明と評判の竹中半兵衛(御木本伸介)をスカウトに。

「信長殿はまっぴらだが、木下殿にならお仕えいたす」と言われる。「右手に蜂須賀小六、左手に竹中半兵衛」と人材に恵まれた藤吉郎の「いまにみておれ」精神は清々しい。

掲載2012年11月16日

「猿飛佐助」
♪ルイルイ、アイドル太川陽介の忍法炸裂!小池朝雄、宍戸錠も熱演。
体力勝負明朗活劇

(さるとびさすけ) 出演者:太川陽介/川崎麻世/宍戸錠/秋野暢子/倉田保昭/おりも政夫/なべおさみ/西村晃/伴淳三郎 ほか 1980

掲載2012年11月16日

 豊臣と徳川の間に不穏な空気が漂う時代。甲賀流忍法免許皆伝の若者忍者(太川陽介)は、甲賀流の開祖・戸沢白雲斎に養育され、山中で厳しい修行を積んでいた。しかし、白雲斎は、徳川方の服部半蔵(小池朝雄)の差し向けた素破らに襲われ、命を落とす。その遺言で、真田幸村(川崎麻世)に仕えることになった若者は、猿飛佐助という名前を与えられる。豪傑揃いの真田十勇士の一員となった佐助は、幸村のために命がけの戦いに挑む。

 なんといっても、このシリーズの見どころは、アイドルとして「ルイルイ」などヒット曲を飛ばし、NHKの「レッツ・ゴー・ヤング」の司会などでも大人気となった当時21歳のアイドル太川陽介の体を張った忍法の数々。第二話「甲賀忍法 風遁忍び凧」の回では、徳川の巨大軍船建造を阻止するため、三好清海入道(宍戸錠)、ホタル(秋野暢子)とともに敵地に潜入。作業する農民たちとともに入道が囚われ危機一髪という瞬間、出た!!佐助は真っ黒な凧を操り、夜空を舞って救助に向かう。CGなどない時代、崖で本物の凧を使ってのアクションは、まさに忍法の極意。宍戸はじめ、十勇士の飛び道具の遣い手・由利鎌之助(おりも政夫)、爆薬遣いの穴山小助(なべおさみ)、そしてアクションの雄・倉田保昭の霧隠才蔵のカッコよさにも注目。音楽演奏は、ショーグンで、80年代らしさを醸し出す。 

掲載2012年11月09日

「時代劇ニュース オニワバン」
えなりかずきがMCで時代劇の情報を伝える
もしかして「悪役」で出演依頼があるかも!?

(じだいげきにゅーす おにわばん ) 出演者:えなりかずき/築山可奈/能村庸一 2012

掲載2012年11月09日

 時代劇専門チャンネルの新しいオリジナル情報番組「時代劇ニュース オニワバン」。

「時代劇をもっと楽しく」をコンセプトに、チャンネルで放送される番組の情報はもちろん、スペシャルゲストとのトークや、裏話など内容は盛りだくさんとなっている。

 進行役はえなりかずき。解説はチャンネルでもおなじみのプロデューサー能村庸一、アシスタントは時代劇大好き女子代表築山可奈。もともと時代劇が大好きな父の影響でこどものころからチョンマゲ好き少年だったえなり。小学生のころに京都で時代劇撮影を経験したが、「知らない人ばかりで緊張して…」とドキドキ体験だったとか。とはいえ、スペシャルドラマ「一休さん」では主演経験もあり、NHK公開番組「コメディお江戸でござる」では、さまざまな役をこなした経験者。第一回の収録で、クレジットに出てくる大物俳優の名前の順番「番手」の秘密(番手の重要さは、昔、歌舞伎ではこの順で給料が左右されたことによる)能村Pに聴きだすなど、裏話チェックは鋭いので、時代劇ファンとしては細かいトークも聞き逃せない。ちなみに能村Pによると「えなりくんは、善良そうで実はすごい悪役なんかやったら面白いかも」と評している。もしかして実現する? 視聴者との双方向重視というのもうれしいところ。質問などして、さらに時代劇の世界を深く楽しみたい。

掲載2012年10月26日

「次郎長 背負い富士」
中村雅俊が背負って見せたよ、富士の山!
青春ドラマ時代を思わせる熱い親分姿に拍手

(じろちょう せおいふじ) 出演者:中村雅俊/田中美里/草刈正雄/山本太郎/水橋研二/小林稔侍/松尾れい子/忍成修吾/烏丸せつこ ほか 2006

掲載2012年10月26日

 中村雅俊といえば、「われら青春!」(74年)、「俺たちの旅」(75年)など青春ドラマでスターとなり、今も若々しく活躍中。この「次郎長 背負い富士」では、デビュー当時を思わせるパワーで “清水の次郎長”を熱演する。

 次郎長は、裕福な薪炭商・三右衛門(小林稔侍)の次男坊・長五郎。五歳のときに叔父夫婦のもとに養子にいき、米屋の次郎長と呼ばれるようになった。しかし、賭場のいざこざに巻き込まれ、女房のきわ(松尾れい子)を離縁し、渡世人の道に入ることに…。

 原作は山本一力。人の世の機微を描く達人だけに、この次郎長、ただ強いばかりではない(というより、前半はトホホな顔が多い)。人を思い、裏切られ、海道一の親分になっていく。七転び八起きの男の生き方をかっちり描いて気持ちいい。その心意気を脚色したのが、シナリオの達人ジェームス三木。ふたりは打ち合わせで意気投合。ジェームス先生は「ナレーションを」と一力先生に依頼したが、実現しなかったとか。ペリーも一力先生インタビュー経験があるが、先生は、実にすばらしい声の持ち主!! 実現しなくて残念。

 人間味いっぱいの次郎長を支えるのは、二番目の女房お蝶(田中美里)、元侍の大政(草刈正雄)、小政(水橋研二)、森の石松(山本太郎)など。つらい長旅で大事な人を亡くす次郎長の哀しみ、非業の最期をとげた石松の敵討ちに乗り出す姿のカッコよさ! 見逃せない。

掲載2012年08月17日

「十三人の刺客」
十三人がすべてをかけて大名行列を襲撃。
極悪殿様抹殺を巡り、親友同士が対決!

(じゅうさんにんのしかく) 出演者:【TV長編】仲代達矢/夏八木勲/丹波哲郎 ほか 【映画(PG-12)】役所広司/伊勢谷友介/沢村一樹 ほか 【TV長編】1990年 【映画(PG-12)】2010年

掲載2012年08月17日

 将軍の弟であることをいいことに極悪非道な言動を繰り返す明石藩主・松平成韶(なりつぐ)の老中就任が決まった。世の中が暗黒になると悟った現老中・土井に密命を受けた目付の島田新左衛門は、使命のために命をかけてくれる人間を集め、成韶の参勤交代の行列襲撃を計画する。十三人で五十人以上の武装した敵を撃つため、新左衛門は、行列をひとつの宿場に誘い込み、袋小路の中で攻撃することを考えた。しかし、敵方のリーダーは、新左衛門の親友で、剣の達人・鬼頭半兵衛。新左衛門の思惑を読み、ワナを巧みにすり抜けようとするが…。

 工藤栄一監督による昭和の映画版は集団時代劇の傑作として今も語り継がれる。テレビ長編では、新左衛門に仲代達矢、半兵衛に夏八木勲、2010年、三池崇史監督によるリメイク映画版では、新左衛門に役所広司、半兵衛に市村正親。成韶をSMAPの稲垣吾郎が演じたことも話題に。役所が叫んだ「斬って斬って、斬りまくれ!!」は、作品の合言葉になった。

 武士の誇り、金、好きな女のため、十三人が集まった理由は様々。武家社会の矛盾を鋭く突いた脚本の源は、戦争で悲惨な体験をした作者・池宮彰一郎の思いが込められている。命をかけて戦った戦後、彼が受取ったのは卵数個とタバコ数箱分の報酬だったという。命をかけるとはどういうことかを問う大作。 

ペリー荻野プロフィール
ペリー荻野

1962年愛知県生まれ。大学在学中よりラジオのパーソナリティ兼原稿書きを始める。 「週刊ポスト」「月刊サーカス」「中日新聞」「時事通信」などでテレビコラム、「ナンクロ」「時代劇マガジン」では時代劇コラムを連載中。さらに史上初の時代劇主題歌CD「ちょんまげ天国」シリーズ全三作(ソニーミュージックダイレクト)をプロデュース。時代劇ブームの仕掛け人となる。

映像のほか、舞台の時代劇も毎月チェック。時代劇を愛する女子で結成した「チョンマゲ愛好女子部」の活動を展開しつつ、劇評・書評もてがける。中身は"ペリーテイスト"を効かせた、笑える内容。ほかに、著書「チョンマゲ天国」(ベネッセ)、「コモチのキモチ」(ベネッセ)、「みんなのテレビ時代劇」(共著・アスペクト)。「ペリーが来りてほら貝を吹く」(朝日ソノラマ)。ちょんまげ八百八町」(玄光社MOOK)「ナゴヤ帝国の逆襲」(洋泉社)「チョンマゲ江戸むらさ記」(辰己出版)当チャンネルのインタビュアーとしても活躍中。