ペリーのちょんまげ ペリーのちょんまげ

掲載2016年11月04日

「築城せよ!」
本気で25メートルの段ボール城を建てちゃった!
片岡愛之助主演、多くの映画通をうならせた異色作

(ちくじょうせよ) 出演者:片岡愛之助/海老瀬はな/江守徹/阿藤快/藤田朋子/津村鷹志/木津誠之/ふせえり ほか 2009

掲載2016年11月04日

 緑は豊かだが、過疎化が進む猿投町。町役場職員・石崎(片岡愛之助)は、先輩(ふせえり)から呆れられるトホホな男。そんな石崎に突如、400年前の殿様・恩大寺隼人将の霊が憑依した。軍師の猿渡勘鉄斎は大工の井原勘助(阿藤快)に、家来の権大夫はホームレスのゴン(木津誠之)に憑依。彼らはこの地で築城の最中に無念の死を遂げたのだ。隼人将は甲冑姿で「みなの者、築城せよ!!」と号令をかける。その建材はなんと段ボール。わけがわからない町民たちだが、殿様たちの熱意と町おこしの可能性を感じて協力。井原の娘で大学の建築科で学ぶナツキ(海老瀬はな)らも動き出す。だが、その裏ではペットボトル工場誘致を企む馬場虎兵衛町長(江守徹)の妨害が。町長とは過去にも因縁が...次の満月までしか存在できない殿たちのため、たった3日で築城できるのか。町ぐるみの大騒動が巻き起こる。

 愛之助のギャップの激しい二役演技、阿藤の軍師、江守の苦虫顔など見物は多いが、なんといってもすごいのは、実際に段ボールで25メートルの城を建てちゃったこと。屋根のしゃちほこも、愛之助が見事な舞を見せる広間の内装も段ボール!映画では築城期限は3日だが、実際は学生や本格派の大工も参加して2ヶ月を要したという。キャッチコピーは「映画史上最大の紙頼み」多くの映画通をうならせた映画への情熱があふれた異色作。

掲載2016年10月21日

「独眼竜政宗 総集編」
渡辺謙が東北の勇者を颯爽と演じて大人気に。
大河ドラマ史上最高平均視聴率39.7パーセントを記録

(どくがんりゅうまさむね) 出演者:北大路欣也/西郷輝彦/竹下景子/いかりや長介/藤間遼太/嶋英二/後藤久美子/大和田伸也/長塚京三/原田芳雄/竜雷太/神山繁/金子信雄/殿山泰司/山形勲/大滝秀治/岩下志麻 ほか 1987年

掲載2016年10月21日

 梵天丸(後の伊達政宗・藤間遼太)は奥州伊達輝宗(北大路欣也)と義姫(岩下志麻)の子。5歳のとき疱瘡で右目を失った。弟を溺愛する母に複雑な思いを抱きつつ、虎哉和尚(大滝秀治)の教えを受け、成長した梵天丸は13歳で愛姫(後藤久美子・桜田淳子)と結婚。父との悲劇的な別れ、諸国との戦を経験した政宗(渡辺謙)は、片倉小十郎(西郷輝彦)、伊達成実(三浦友和)と奥州制覇、さらに天下獲りを目指す。その矢先、母が自分を毒殺しようとしたと知る...。

 伸び盛りの俳優・渡辺謙が若き武将をダイナミックに演じて大人気となった大河ドラマは、平均視聴率39.7パーセントの驚異的な数字を記録。その原動力ともいえるのが、エンタメを知り尽くした脚本家・ジェームス三木の名ゼリフ、名場面の数々。梵天丸が顔は怖いが慈悲深い不動明王を見てつぶやいた「梵天丸もかくありたい」は流行語になった。また、伝説的に語られるのは勝新太郎の秀吉。天下獲りの野望があるのではと疑われる政宗(渡辺謙)は、秀吉の小田原攻めの戦場に白装束で現れる。高台に政宗を案内した秀吉は、「蟻もはい出る隙間もないであろう」と自軍の布陣を見せつけ、刀を政宗に預けて余裕で立小便をするのだ。背中の威圧感すごすぎ。勝は役作りのため、本番まで渡辺に会わなかったという。あと20年早く生まれていれば天下を獲れたといわれる政宗の熱い人生を味わいたい。

掲載2016年09月30日

【大河ドラマ[総集編]劇場】「徳川家康 総集編」
大河ドラマで滝田栄が家康像を一新させる大熱演
役所広司の織田信長、夏目雅子の淀殿も人気に

(とくがわいえやす そうしゅうへん) 出演者:滝田栄/大竹しのぶ/近藤正臣/役所広司/池上季実子/武田鉄矢/長門裕之 ほか 1983年

掲載2016年09月30日

 原作は山岡荘八の超大作。翌年から近代をテーマにすることが決定し、当時は「最後の時代劇大河」といわれた。本作では、狸おやじのイメージの家康に面長の滝田栄を起用するなど、家康像を一新。滝田は家康が学んだ寺に籠って役作りのきっかけを掴んだ。「第一回忍従の日日」で苦しい人質経験をした家康は、戦のない世を実現させると決意。しかし、家庭人としての悩みも深かった。「第二回戦国無情」では、宿敵武田と通じた築山御前(池上季実子)が家臣に抹殺される。嫡男信康(宅麻伸)は死の直前、扉の外で「父上!」と呼ぶが、信長(役所広司)の絶対命令で、家康は息子に「帰れ!」と言うしかない。秀忠(勝野洋)、忠輝(田中健)など息子たちには悩まされる父でもある。また、大坂夏の陣、落城寸前でも家康は淀殿(夏目雅子)らに降伏を薦める。家臣に反対されると「それが戦の礼だと思え」と一喝。こうした家康の人柄もこれまで描かれなかった。

 関ヶ原の戦シーンは、俳優よりも馬が倒れ込むほどの激しさ。スタジオ撮影が長く、滝田はじめ、俳優陣はロケが楽しく、大いに張り切ったという。豪快な役所広司の信長、泥臭い武田鉄矢の秀吉、美しい夏目雅子の淀殿、理知的な鹿賀丈史の石田三成、情熱的な若林豪の真田幸村など魅力的なキャストが揃う。ラスト、特殊メイクが未発達の当時、スタッフの努力と工夫の賜物の家康老けメイクも見事。

掲載2016年06月10日

「月形半平太」
幕末の風雲の中で生きた孤高の剣士、半平太!
有名なあのセリフを橋蔵が男の色気たっぷりに魅せる

(つきがたはんぺいた) 出演者:大川橋蔵/丘さとみ/里見浩太郎(現・浩太朗)/高田浩吉/青山京子/近衛十四郎/山形勲 ほか  1961年

掲載2016年06月10日

 幕末の風雲渦巻く京都。長州の桂小五郎(高田浩吉)と月形半平太(大川橋蔵)は、薩摩の西郷吉之助(近衛十四郎)と手を組み、薩長連合の実現を目指していた。しかし、奥平文之進(山形勲)を中心とした見廻り組が、長州藩士を次々抹殺。長州の若い志士たちは、見廻り組に復讐しようと息巻く。今、事を起こし、殺生をすることは何の意味もないと仲間を諌める半平太だが、次第に藩内で孤立。加えて、見廻り組を見切ったという若き見廻り組隊士・早瀬辰馬(里見浩太朗)と親しくしたことから、同志から裏切り者と見られてしまう。孤独な半平太は、「月さん知らなんだら、祇園の女やあらしまへん」と言われる名物男だが、酒に酔い、祇園の名花・梅松(丘さとみ)との淡い恋だけが支えだった。しかし、半平太が斬った奥平の思い人・染八(青山京子)は彼を仇と狙う。

 原作は行友李風の戯曲。脚色は名匠伊藤大輔、演出はマキノ雅弘。美形スター、大川橋蔵は、悩みながらも女たちを惹きつける美剣士はぴったり。有名な「月さま、雨が...」と梅松に傘をさしかけられるシーンでは、一筋鬢から髪がほつれた半平太がどんなセリフで返すのか? ここは見所。染八に命を狙われても、自分は「必ず散る」身の上だから、それまで待てという半平太。その予言通り、終盤、大乗院で大立ち回りとなる。男の色気と哀しさ、殺陣の壮絶さ。気品漂う名場面が続く。

掲載2016年02月19日

「大殺陣 雄呂血」
裏切りと流転、市川雷蔵の悲剣セレクション
雷蔵の盟友・田中徳三監督が撮った悲壮な運命の男

(だいさつじん おろち) 出演者:市川雷蔵/八千草薫/藤村志保/中谷一郎/五味竜太郎/内藤武敏/藤岡琢也/内田朝雄 ほか 1966年

掲載2016年02月19日

 大映のスター市川雷蔵は、お陽気な股旅ものやお殿様も似合うが、やはりどこかに翳がある悲壮な男を演じると断然光る。本作は、無声映画時代、坂東妻三郎が主演して評判となった作品のリメイク。脚本は星川清司と中村努、監督は雷蔵がデビューした際に撮影所を案内して以来、スターになってからも親しく作品を作り続けた盟友・田中徳三。

 物語は信州水無月藩での殺人事件が発端となる。犯人は家老の息子だったが、道場の師範代・小布施拓馬(市川雷蔵)が身代わりとなった。拓馬は「一年後に必ず真実を明かして帰参させる」と許嫁・波江(八千草薫)の父で藩用人の真壁半平太(加藤嘉)に説得されたのだ。しかし、約束の一年後、藩に戻ると半平太は世を去り、事件の証人・十郎太(中谷一郎)は拓馬を裏切る。流転の果て、やくざの用心棒になり果てた拓馬は女郎屋で波江を見つけた。そんな拓馬にさらなる試練が。

 五味龍太郎、伊達三郎など当時の怖い顔が大集合の話題作。拓馬を追い詰めるきっかけとなった怖い顔がアイドル番組やお父さん役でも人気の平泉征。また、ホームドラマで活躍した藤岡琢也も小悪党で出ている。冤罪は晴れるはずだったのに、罠にはめられて、罪は重くなり、愛する人とも引き離されて無頼の道に突き進む。怒りを爆発させたクライマックスの雷蔵の殺陣はこれぞチャンバラ!と声をかけたくなる迫力。

掲載2015年12月25日

「忠臣蔵 音無しの剣」
愛する女のため「忠臣蔵」に巻き込まれる剣の達人
田村正和の悲恋物語はあの代表作にも匹敵する美しさ

(ちゅうしんぐら おとなしのけん ) 出演者:田村正和/中村雅俊/和久井映見/原田龍二/小林稔侍/宇津井健/橋爪功/梶芽衣子/中村俊介 ほか 2008年

掲載2015年12月25日

 天下の悪法"生類憐みの令"などで庶民が苦しめられていた五代将軍徳川綱吉の治世。深川で"逃がしの御前"として町民に慕われる男がいた。剣の達人・結城慶之助(田村正和)。彼は追われる人々を巧みに逃がしていた。ある日、慶之助は道場仲間の堀部安兵衛(原田龍二)と再会する。安兵衛の主君赤穂藩主・浅野内匠頭(中村俊介)は勅使指南役・吉良上野介に宿所の畳替えを命じられるなど、嫌がらせを受けていた。ついに内匠頭が上野介に刃傷事件を起こし、切腹。大石内蔵助(橋爪功)率いる赤穂浪士は討ち入りへと突き進む。その陰で慶之助は五年前に別れた婚約者志保(和久井映見)を救うため、命をかける。

 時代劇の名手・宮川一郎脚本。十年ぶりの時代劇出演となった田村はどんな修羅場でも美しい。慶之助は上様にも縁続きの姫路藩のご落胤という秘密があり、彼の代表作「眠狂四郎」「乾いて候」と同様でこの役柄もぴったりくる。慶之助と志保、彼女の夫(中村雅俊)、慶之助の乳母姉で彼が居候する船宿「仙川」の女将お京(梶芽衣子)がからむ「おとなの恋物語」。田村がふと動くだけでパララ~とBGMが鳴り響く雰囲気は「ニューヨーク恋物語」を彷彿とさせる!? なお、内蔵助の橋爪は吉良上野介も演じたことがあり、両役を演じた稀有な俳優といえる。最近はコミカルな役が多いが、小林平八郎役の松重豊の鋭い剣にも注目したい。

掲載2015年09月25日

「遠山の金さん捕物帳」
中村梅之助の気前が良くて二枚目金さん!
お茶の間の人気者がお白洲でスカッと悪を裁く

(とおやまのきんさんとりものちょう ) 出演者:中村梅之助/水原麻記/今村民路/柳沢真一/島米八/浅川美智子/瀬川新蔵/津田伸/中村靖之助  1970年

掲載2015年09月25日

 日本が大阪万博でわいた1970年、颯爽と登場した中村梅之助の「遠山の金さん」。遊び人の金さんが、背中の桜吹雪を見せて、悪を退治。そして、お白洲では北町奉行・遠山金四郎としてきっちりお裁きを言い渡す。多くの舞台、映画で親しまれたヒーローだが、梅之助は居酒屋でくいっと一杯やりながら、町の人々の言葉に耳を傾ける庶民派路線で、おとなからこどもまで親しまれた。梅之助金さんは、お白洲で片肌脱ぐスピードが特に速い!一瞬のうちに奉行から金さんに口調が変わり、「おう、この桜吹雪がすべてお見通しよ!」とキレのいいセリフを放つのが特長。おきゃんなお光(水原麻記)、ちょっととぼけた虎吉(今村民治(現在の前進座・藤川矢之輔))、どこか抜けた十手もち文三(柳沢真一)とのやりとりも絶妙だ。フォークグループ親分&子分ズが、♪気前がよくて二枚目で~と軽快に歌う主題歌も一度聴いたら忘れられない。

 脚本は、後に「太陽にほえろ」などでも活躍する小川英や「暴れん坊将軍」の飛鳥ひろしらが執筆。監督は「新選組血風録」で知られる河野寿一らが担当している。前進座の舞台俳優である梅之助は、テレビ出演に慣れていないころ、まったくカメラを意識せず、共演者と目線が合わずに困惑したという。「金さんが自身の可能性を広げてくれた」と語る名優の記念的シリーズである。

掲載2015年08月21日

「チャンバラが消えた日」
戦後、時代劇が作れなかった撮影所の日々を描く
鈴木杏、福本清三らが出演するオリジナルドラマ

(ちゃんばらがきえたひ) 出演者:鈴木杏/永野宗典(ヨーロッパ企画)/藤山扇治郎/福本清三 ほか 2015年

掲載2015年08月21日

 19458月の終戦以降、日本映画界では、GHQによる厳しい脚本検閲が続いた。特に軍国主義の象徴とされた日本刀を振り回すチャンバラが問題視され、時代劇はほとんど作れない状況が実質7年も続いたのだった。このドラマは、戦後まもなくの京都で映画監督・松尾京一郎(永野宗典・ヨーロッパ企画)の「よーい、スタート!」の声でまさにチャンバラが始まろうとした瞬間、現場にGHQのジープが乗り込み、撮影中止を言い渡す場面から始まる。日系人通訳・瀧澤紅子(鈴木杏)は「映画で日本刀の使用は認められない」と警告。役者たちの手から取り上げられた刀は、無残にもへし折られていく。しかし、どんなにノーと言われても時代劇の企画を出し続ける松尾、仕事を奪われた殺陣師(福本清三)、心が揺れる紅子。多くの人が時代劇復興に希望をつなげていこうとする...。

 日本映画専門チャンネルとの戦後70年共同企画のオリジナルドラマ。約15年前、子役で「赤ひげ」(フジテレビ系)に出て以来の京都時代劇の現場という主演の鈴木杏は「戦後、こういう時代があったことを初めて知りました。チャンバラ禁止の厳しい時代を乗り越えた先輩方がいたからこそ、今こうやって時代劇ができるんだと有難さが身に染みました。ドラマを通じて、そんな先輩方のことを知っていただけたらいいなと思います」と語る。時代劇から見た戦後。人々の思いを語り継ぎたい。

掲載2015年05月08日

「長七郎天下ご免!」
里見浩太朗得意の華麗な二刀流が冴えわたる
将軍の甥長七郎の衣装や人柄にも注目の人気シリーズ

(ちょうしちろうてんかごめん! ) 出演者:里見浩太朗/丹波哲郎/酒井和歌子(#1~30)/丘みつ子(#31~)/岡崎友紀 ほか 1979

掲載2015年05月08日

 寛永年間。江戸日本橋の仕出し屋浜乃屋の居候結城長三郎(里見浩太朗)は、実は三代将軍徳川家光と将軍の座を争い、切腹させられた駿河大納言忠長の遺児・松平長七郎であった。後に家光から大名への取立てを勧められた長七郎だが、家光から「天下御免」のお墨付きをもらって、気ままな町暮らしを続けているのであった。しかし、弱い者を虐げる悪の存在を知った長七郎は、自ら葵のご紋のついた衣装と剣で悪を斬る決意をする。

 里見浩太朗の当たり役松平長七郎との出会いとなった作品。里見は東京で撮影していた「大江戸捜査網」主役を交代し、「水戸黄門」助さんに一本に絞ろうとしていた時期の出演依頼だったという。老中松平伊豆守(丹波哲郎)、浜乃屋のおやじ(高品格)、その娘おさよ(酒井和歌子)、一心太助(大和田獏)、奉行所同心(岸部シロー)など多彩なレギュラーとともに事件、人情、涙と笑いの物語が展開する。工夫したのは殺陣と衣装。輝く衣装と華麗な二刀流で長七郎の身分と高潔な人柄を表現する。衣装は京都の企業の協力で女性用の華やかな色柄の生地を採用。白、赤、黒、グリーン、ラメと五種類が用意され、シーンに応じて使い分けている。長七郎の身分を考慮し、浜乃屋のセットが狭すぎるとプロデューサーが作り直しを命じるなど、気合いの入った制作体制で人気シリーズとなった。

掲載2015年03月06日

「てなもんや東海道」
驚異の60パーセント超視聴率人気バラエティの映画版
藤田まことと白木みのるの名コンビが次郎長と出会う!?

(てなもんやとうかいどう ) 出演者:藤田まこと/白木みのる/伴淳三郎/ハナ肇/谷啓/浜美枝/梓みちよ/野川由美子/加藤茶 ほか 1966

掲載2015年03月06日

1962年スタートの「てなもんや三度笠」は、女の子とケンカに弱いあんかけの時次郎(藤田まこと)と口が達者なスイーツ小坊主珍念(白木みのる)の名コンビによる時代劇バラエティ。時次郎の「当たり前田のクラッカー」や財津一郎の「非ッ情にキビシ~ッ!!」「許してチョーダイッ」など流行語も生み、関西で60パーセントの驚異的視聴率を記録した。

映画「てなもんや東海道」では、コンビが身投げ未遂の娘(梓みちよ)を助け、鼠小僧(南利明)と「ふらふら教」のインチキ寺を探る。街道の親分(伴淳三郎)の子分(横山ノックらの漫画トリオ)に「パンパカパーン!今週のハイライト!この方は柔道剣道北海道の達人」と紹介された時次郎は「北海道を一手見せて」と所望されて困惑。その親分は清水次郎長(ハナ肇)と荒神山で大出入り!? 谷啓、加藤茶など人気者が多数出演。珍念の「兄さんの足は馬より速いな」藤田馬面ネタや梓のとぼけた主題歌「ポカン・ポカン」も楽しい。

ペリーは番組仕掛人澤田隆治と藤田まこと両氏に取材。藤田さんはそれまでの準主役番組を降板してこの番組に賭けた、先輩を追い越しての主役に逆風もあったとリアルな話を連発。緻密な計算で最高視聴率が出る日を読み切った名プロデューサー澤田さんは「笑いはアドリブに見えて実は徹底的に作り込んだ」と語る。磨き上げられた笑いの芸は今も輝く。

ペリー荻野プロフィール
ペリー荻野

1962年愛知県生まれ。大学在学中よりラジオのパーソナリティ兼原稿書きを始める。 「週刊ポスト」「月刊サーカス」「中日新聞」「時事通信」などでテレビコラム、「ナンクロ」「時代劇マガジン」では時代劇コラムを連載中。さらに史上初の時代劇主題歌CD「ちょんまげ天国」シリーズ全三作(ソニーミュージックダイレクト)をプロデュース。時代劇ブームの仕掛け人となる。

映像のほか、舞台の時代劇も毎月チェック。時代劇を愛する女子で結成した「チョンマゲ愛好女子部」の活動を展開しつつ、劇評・書評もてがける。中身は"ペリーテイスト"を効かせた、笑える内容。ほかに、著書「チョンマゲ天国」(ベネッセ)、「コモチのキモチ」(ベネッセ)、「みんなのテレビ時代劇」(共著・アスペクト)。「ペリーが来りてほら貝を吹く」(朝日ソノラマ)。ちょんまげ八百八町」(玄光社MOOK)「ナゴヤ帝国の逆襲」(洋泉社)「チョンマゲ江戸むらさ記」(辰己出版)当チャンネルのインタビュアーとしても活躍中。